「うつっぽいときにどうしたらいいですか?」
と、尋ねられることがよくあります。
心が曇り、体が重く感じられるとき、まず必要なのは間違いなく「休むこと」です。
しかし、ただ横になるだけで、頭の中では不安がぐるぐると回り続けているのだとしたら、それは本当の意味で休めているとは言えません。
私たちが目指すべきは、いわば「プロの休み方」です。プロの休息は、まずスケジュールの見直しから始まります。
「今さえ我慢すれば、そのうち良くなるのではないか」と耐え忍ぶのは、決して正解ではありません。
心身のエネルギーが枯渇しかけているときこそ、立ち止まる勇気が求められます。
そして、もう一つ大切なのは「他人に頼る」ということです。家族や配偶者、あるいは訪問看護といった専門家に、つらい物事を「丸投げ」できているでしょうか。
実は、頼っているつもりでも、心のどこかで気遣いや遠慮をしてしまい、完全に委ね切れていないケースは非常に多いものです。
蒼俊の話を少しさせてください。私は、脳への刺激を極力減らすために、日々の家事をテクノロジーに「丸投げ」しています。
掃除はロボット掃除機
洗濯はドラム式乾燥機
照明や空調の操作はすべてスマートスピーカー
日常の小さな選択や動作すらも手放すことで、脳を徹底的に休ませる環境を作っています。
また、回復へのステップとして「問題や不安の可視化」も欠かせません。自分の心に浮かぶ気持ちを日誌に書き留めていくことは、主治医に自分の状態を正確に伝えるための大きな助けになります。
それだけでなく、客観的に自分を見つめ直す「認知行動療法」の第一歩にも繋がっていくのです。
脳への刺激を減らし、決して焦らないこと。目の前にある問題や不安をどう解決していくかというプロセスは、決して根性や気合で乗り切るものではありません。
それは精神論ではなく、きわめて「技術的な問題」なのです。だからこそ、調子が悪いときにプロ以外の場所に答えを求めるのは、少し注意が必要です。
たとえば、良かれと思って友人に相談したとします。しかし、親しいからこそ感情のバイアスがかかり、本質から逸れたアドバイスに振り回されてしまうリスクがあるからです。
その点、専門家は違います。プロフェッショナルは、複雑に絡み合った問題を技術的に整理し、小さく分解し、シンプルに簡素化してくれます。本人が無理なく対応できるレベルにまで、ハードルを下げてくれるのです。
問題が綺麗に可視化されれば、暗闇から抜け出し、回復へと向かう道のりも、ずっと短くて済むはずです。
プロの休息、できていますか?
沙門蒼俊 合掌