「あなたは賃貸派?購入派?」

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私は、ずばり「購入派」です。

コロナの影響でリモートワークが進み、働き方の変化とともに住宅に対する考え方も変化してきましたが、住まいは日々の生活を送って行くための拠点であることは変わりありません。
だからこそ、自分や家族の生活スタイルを考え、選ぶものだと思います。

私は、上京してから独身時代に4回、結婚してから2回、離婚後に地方転勤も含め8回(うち2回は購入)、計14回もの引越をしました!

そんな引越マニアで、元不動産営業マンの私が、実体験から考えたことをもとに、私が「購入派である3つの理由」についてお話したいと思います。

1.私が”購入”にこだわる3つの理由


理由①…「住宅難民になりたくないから」

賃貸借契約の際、保証人や保証会社の保証が必要になります。

保証人は収入があることが前提なので、親に頼むにしても収入のある年齢までということになります。
私は、これまで親に保証人を頼んでいましたが、親や兄弟など身内に保証人は頼みにくいものですし、また自分の年齢とともに親も歳をとっていくので、いつまでも頼っていられません。

保証会社の審査については、過去の信用情報や現在の就業状況によって、必ずしも保証が受けられるとは限りません。

しかし、病気やケガで働けなくなったり、失業あるいは定年退職後に収入が激減するリスクは誰にでもあります。
たまたま、そのタイミングで引越しせざるを得ない事情が生じた場合、誰にだって自宅難民になる可能性もあるのです。

私は過去に事務所の家賃が払えなくなったり、会社が破産して民事再生した経験もあり、いくつかの保証会社からNGになり自宅難民になりかけたことがあります。
その時の不安感はもう2度と味わいたくありません。

近くに実家があれば、そこから再起をはかればよいわけですが、私の場合、地方出身で両親も離婚しており、実家もないので、自分の住まいは自分で何とかするしかない状況でした。
仮に実家があったとしても、田舎に帰れば仕事(収入源)を失うわけですから、そう簡単にはいかないものです。

地方出身者が住居費が高い首都圏で暮らすために、住まいは生活するうえで精神的にも経済的にも最優先事項だと感じています。


理由②…「本来必要のない費用を払いたくないから」

賃貸業はオーナーありきの商売です。
賃貸業も商売ですから、貸すことに対してオーナー側にも一定のリスクがあるのはわかります。
しかし、賃貸契約時にかかる諸費用等が、”オーナーの意向で”という言葉を隠れ蓑に、管理業者(貸主側の仲介会社)が一方的に決められる慣習に疑問を持っています。

●【仲介手数料】
→賃貸借契約時の仲介手数料は、宅建業法上、貸主・借主双方から合計で賃料の1ヶ月分です。
貸主・借主それぞれから賃料の0.5カ月と考えるのが妥当です。
しかし、実際は貸主側の仲介業者と、借主側の仲介業者が違う場合、それぞれの仲介業者が貸主・借主双方から1カ月ずつ取るのが慣習となっています。

●【礼金】
→上記のような理由から業法違反にならないよう、管理会社(貸主側の仲介会社)は、借主から礼金を取って、これを貸主から別の名目でバックしてもらう仕組みです。
これでは礼金は貸主のためではなく、仲介業者のためにあるようなものです。

●【敷金】
→実際には退去時の原状回復費用等でほとんど返ってきません。
私は、1回目の更新前に退去した場合、敷金1ヶ月分は返還しない旨の特約を付けられたこともあります。

●【鍵交換費用】
→実際に新しい鍵が設置されているとは限りません。
管理会社が、同じアパートで入居者が変わる度に、いくつかの鍵をまわして使いまわしているのを見たことがあります。

●【24時間サポート】
→頼んでもないのに、まったく不要なサービスです。
ただの押し付けにすぎません。

●【害虫駆除・室内消毒】
→本当に実施されているかわかりません。
管理会社は、退去後に前入居者の費用でクリーニングしているはずです。
頼んでもないのに、なぜこれから入居する借主が負担しなければならなのかわかりません。

●【入居者保険】
→管理会社が保険会社・商品を指定するのはおかしいです。
自分でちょっと探せば、同じ補償内容で保険料が半分以下の商品をすぐに見つけることができます。
なぜなら、保険料の中に保険会社からのバックが含まれており、これも管理会社の収入源だからです。

●【退去時費用】
→オーナーが次に貸すための準備費用です。
ルールが不明確で正当とは言えません。
交渉するといくらか安くなりますが、だとしたら最初の見積もりは盛られていたということです。

●【更新料】
→更新の手続きと言っても、契約書に署名・押印し、郵送するくらいのことです。
事務経費だけで十分ではないでしょうか?
2年に1度、賃料の1カ月分を更新料として払うとかありえません!

私はこれらの費用すべてについて疑問を持っています。
私も元々不動産仲介業者だったので、これらが必要でないことも知っています。
また正直に仕事すると管理会社・賃貸仲介業者は成り立たない裏事情もよく理解しています。
だからこそ、私は不要な費用を払いたくないです。


理由③…「気に入った部屋で快適に生活したいから」

賃貸物件と分譲物件の一番の違いは、キッチンやトイレ・洗面所などの水回り設備や床や扉などの仕様ではないでしょうか?
私は、こだわりが強かったので、引越す度にエアコン、照明、ウオッシュレットなどで無駄にお金を使いました。

同じ住むなら快適に生活したいですが、賃貸住宅の多くは残念ながらそのような造りにはなっていません。
音の問題もその一つです。

また賃貸の場合は、自分が気に入ったものでなくても自由にカスタマイズできないので愛着がわきません。
壁に絵を飾るのでさえ、壁に穴を開けてはと諦めてしまいます。

今は、中古のマンションを購入し、入居後にクローゼットを増設したり、壁や天井にアクセントクロスを貼ったり、壁に絵をたくさん飾ったりして楽しんでいます。
老後はお風呂に手すりを付け予定で、より快適に暮らすためにお部屋がカスタマイズできるというのは分譲の大きなメリットだと思います。

賃貸の場合は、長く住んだからと言って定期的にリフォームしてもらえるわけでも、賃料が安くなるわけでもありません。
自分が負担しなくて良いのは、せいぜい生活に支障をきたす給湯器が壊れた時くらいではないでしょうか?

2.住宅ローンの返済ができなくなったらどうする?


購入時のデメリットで、ローンが払えなくなった時のリスクがあげられますが、賃貸だったら賃料が払えくなってもどうにかなるというのでしょうか?

もし、家賃払えなくなったら、「払わないなら出て行け!」ってなるでしょう。
そんなピンチの時だって、次の住処を確保しないと出て行くことさえできないし、そんな時に大きなお金は用意できないと思います。

一方、住宅ローンを組んでいる場合は、まず借りている金融機関に相談して、一定期間、元金据置(利息だけ払う)にしてもらうこともできます。
他にも、自宅を担保にお金を借りる売却する賃貸に出すなど、色々な手段が考えられます。

ただ、問題は売却する際に、売却金額が住宅ローンの残債を下回ってしまうと、差額分を自己資金で補わないと抵当権が抹消できなくなるため、売却できないということになります。
これは購入時にほぼ決まってしまいますので、そのようなリスクが極めて少ない物件選びをすることがとても重要になってきます。

3.いざという時に困らないために


つまり、最悪の場合は、手放せる(売却できる、賃貸に出せる)流通性の高い物件を選んでおくことが最低条件です。
できれば、購入時の価格(最低でもローンの残債)と比べ、同じかそれ以上の金額で売れる物件を選んで購入することです。

そのためには、購入者が物件を探す際に、重視する条件を一つでも多く満たせるような需要の高い物件を探すことです。

例えば・・・
・人気エリア・街
・利便性の高い沿線・駅
・駅近の立地
・人口増加傾向のエリア
・地形的なリスクが少ないエリア
・高低差の少ない地形
などです。

注文住宅を建てるために、上記の要件をいくつも妥協していくような進め方がもっとも危ないやり方です。
注文建築は施主の希望は満たしていますが、中古住宅として売却する際に、そのこだわりや思いは価格に反映されません。

また新築マンションも新築の購入時は売主の言い値ですが、人が住んだ瞬間から中古マンションとなります。
1年しか住んでいなくても、売る時は中古マンションの市場価格で、同一需給圏内での他の中古マンションとの比較で価格が決まります。
つまり多くの場合、ローンの減りより価格の減少するスピードが速く、債務が売却価格を上回る可能性が高いと言えます。

4.まとめ


「購入か賃貸か?」は、人によって前提条件が異なりますので一概には言えません。

私が住宅ローンの仕事をしていて、お客様に購入理由を聞くようにしているのですが、なんと半数程度の人が「ずっと賃貸で家賃を払い続けるのがもったいないから」という理由なのです。
なのに、住宅ローンの返済額が今の家賃よりもかなり多かったり、自己資金がなく諸費用まで借りるような、無理な計画の方が多いことに驚きます。
これでは物件を購入することによって、自由になるどころか、今後の人生を縛られることになりかねません。

もし迷ったら、単純に今の家賃との比較だけではなく、今後20年、30年先までの自分の生活の変化、収入や体力の変化、家族構成の変化なども想像しながら、本当に必要な条件を物件のイメージを絞り込んでいくことです。

また、ずっとそこに住むという感覚ではなく、もし売却することになったら、どんな人が、どのようなニーズで、この物件を購入してくれるのか?までイメージして、目的を持った物件選びをすることをおすすめします。

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