テクノロジー「猫の返事は耳での返事」
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イスラエルのハイファ大学で行われた研究で
猫は互いに相手の表情を1秒以内で反射的に
真似し合っている事が初めて科学的証明され
明らかになりました
でもその動きは凄く速くてそれを捉えられた
カメラはAI搭載の物だけだったのです
AIが捉えた猫の顔を調べると我々の知らない
表情と言う隠された文法を使って感情を伝え
意思疎通してました
笑顔の人と話すと気づいた時には自分自身も
笑顔になってたり泣いてる映画を見て思わず
貰い泣きしたりとこの様に人が相手の表情を
無意識に真似する現象は感情の伝染とし広く
知られてます
これは意識せず脳が自動で相手に同期してる
状態なのです
一部の研究者はこのコピペ行為を共感と言う
感情の元になってるのではと考えてます
人を対象にした過去の研究で相手と同じ様に
顔を真似る数が多い人程相手の感情を正確に
読み取れてると考えられてます
一方ボトックス注射で顔の筋肉を動かなくし
その様な人は感情を読み取り難く理解できる
精度が落ちる事も解ってます
つまり型から入るコピペ行為は相手の感情を
自身の心で感じその感情と同じ気持ちになり
表情や体の動きで再現する本能なのです
相手がどんな気持ちかを頭で考えるより先に
自分の顔の筋肉が先に教える表情のコピペは
共感力と言う複雑な心の働きの最も原始的な
入り口なのではないかと研究者達はそう考え
この謎を究明しようとしてます
この能力はチンパンジーやオランウータンや
ゴリラ等の霊長類だけでなくイヌやクマ類や
馬でも確認されてきました
絆を育む動物達の共通言語とし進化の歴史中
学習し続けそれを遺伝子に本能とし刻みこみ
進化してきたこの能力こそが表情コピペだと
思われてます
でも猫については誰も未だに調べずその訳が
猫は一匹狼の印象が強く社交性が薄いとされ
他の個体の表情を細かく真似する訳がないと
思い込まれてたからです
しかし近年猫の社会性に関する見方は研究で
大きく変わり野良猫の群れでの複雑な共生を
してたり多頭飼育でも平気で共存する柔軟さ
等が見られ猫って実は凄く豊かな社交生活を
送る動物だったのが解りました
だとしたら表情のコピペもある筈と研究者は
確信し調査に乗り出したのです!
研究場所にはロサンゼルスのカフェラウンジ
と言う保護猫カフェが選ばれました
ここは里親を待つ20〜30匹の成猫たちが広い
フロアで自由に過ごしこの場所に約10か月間
カメラを置き全186回猫同士の交流を撮影し
合計194分の映像を入手しました
次に全ての動画を人が友好的か非友好的かに
仕分けました
毛づくろいや鼻をつけ合う姿は友好と判断し
睨み合いや毛の逆立ては非友好判定しました
そして研究者は猫の表情をキャットファクス
という猫のよく見る動きを数値化できる物で
猫の動きを数値化しました
例えば口が開く動きは「AU25」で耳の回転は
「EAD104」といった具合に顔の筋肉の細かな
動き全てに専用の番号を割り振れるのです
更にAIで猫の目や鼻や耳の先や口角など猫の
顔48か所の動きを自動追跡させました
観察に使ったカメラは1秒間60コマ撮影でき
映画は1秒24コマなので滑らかさ2.5倍です!
データが確保されるといよいよ研究者は猫の
表情コピペの存在を探し始めました
猫の表情分析した所は大きな動作でなく耳が
少し回る事やまぶたが少し動く事とか口元が
ほんの少し変わったとき等のミリ単位変化の
分析です
我々じゃ殆ど見えませんがAIはその一瞬すら
容赦なく拾い分析してくれます
そして動画中の猫の顔を細かく分析しどんな
動きがいつ起きたかの情報を収集しました
例えばある猫が特定の表情をした時に相手の
猫も同じ顔を1秒以内にした数を求めました
結果驚きの事実が判明し猫は友好的な場面で
1秒で平均2.45回表情をコピペし非友好的な
場面では1.85回だけだで統計的にもはっきり
差がでたのです
猫は必要な場面ではかなり繊細に凄く正確に
相手の感情に顔を動かし合わせてたのです
人も親しい相手とは仕草や声の調子や表情が
自然に似てきます
気の合う相手と話してると笑うタイミングや
うなずき方まで揃う事があります
顔を真似る事は敵意がないと解らせる行動で
相手と余計な争いを減らす生存本能なのです
猫はそれを1秒以内という殆ど反射に見える
超速度でコピペし相手に返していた訳です
更にコピーされやすい表情を調べると口より
耳の動きが特に多く目立ちました
特に耳が横を向いたり耳が回転するといった
動作が頻繁にコピペして返信されてたのです
今まで哺乳類研究では口の動きをよく注目し
研究されてきましたが猫は耳の動きも重要な
観察対象に加えるべきだと解りました
これは猫の研究にとどまらず動物達の対話の
研究視野を広げる発見です
猫は鳴かずとも耳やまぶたや口元で凄く速く
あいづちを打ってるのです
更にどの表情がどんな時に出たかという事を
数値に付け加えると精度が爆上りこの瞬間は
怒ってる顔でこの瞬間は落ち着いてる顔とか
AIはより深く猫の顔を理解し始めました
しかもこの顔の動きには順番がある様でAIに
この情報を調べて覚えさせました
更にどの顔をどれ位の時間やり続けるのかも
AIに調べさせ情報に加えると猫独自の言葉で
どのやり取りが友好的かどうかを更に詳しく
見分けられました
つまり猫はどの表情を出すかだけでなくどの
順番で出すかまでを猫独自の文法として作り
猫は個体専用の顔のサインがある様でそれを
猫全体で共有してたのです
猫は必要な時必要なだけ極めて繊細に相手と
同期する動物なのかもしれません
一方で人間にはそれが読み取れず猫にとって
非常に鈍い相手だと思われてる事でしょう
相手の表情を真似するだけの単純な行動こそ
実は凄く大きな意味を持ってたのです
人間を含めた哺乳類の研究では相手の表情を
瞬時に真似する行為と相手の気持ちが自分に
移ってくる現象が脳のなかで深く繋がってる
事が解ってます
今回の研究で解った事実は猫にもこの共感の
土台となる仕組みが備わってる事が科学的な
データとして初めて示されたという事です
勿論猫にも共感力があると言い切るにはまだ
多くの追加研究が必要でしょう
脳の中で何が起きてるのか猫が本当に相手の
気持ちを感じ取てるのかは今後丁寧に確かめ
研究しなくてはなりません
それでも今回の研究では見えなかった社会を
支えてた顔で表す言語の存在を初めて数値で
証明してみせました
この研究を応用する場面は保護施設で里親の
マッチングでこの2匹はセットで渡すべきか
表情のコピペから推定できます
多頭飼育の相性診断や獣医療のストレス評価
等にも使えます
現在は既に猫の痛みの顔をAIが自動判定する
システムを開発しました
未来のニャウリンガルは収音マイクに加えて
高速カメラが標準搭載される事が当たり前に
なっているかもしれません