「将棋ソング」

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小説

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【音の誘い】





6歳の時
父親の友達の「柴沼」さんが来て
2人で将棋をやっていた。

その将棋を見た俺は
ルールが全然解らなかったけど
将棋の駒を置く音が良くて
真横でずっと見入ってしまった。

その姿を見た父親は
「将棋したいのか?」と
俺に聞いてきた。
(*´゚д゚`*)オヤオヤ

でも俺は
将棋がしたい訳じゃ無かったから
無言で顔を横に振り
また将棋盤を見始めた。

すると父親は
何で見てるのかよく解らんと言う
変な顔をしてまた将棋を始めた。
(*´Д`*)ワカラン

俺は
そんな父親の顔なんて気にせず
将棋の駒が置かれる音を聞き
良い気分になってしまった。

そんな事してたら
ウトウトし始めて眠くなり
そのまま将棋盤に頭をぶつけて
駒をばらまいた!


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【真剣勝負】





俺が将棋盤に頭をぶつけた瞬間
父親の「ぐあぁ!」という声で
ビックリして目が覚めてしまう。
ヒィィッ!!∑(;Д;ノ)ノ

そして父親が
「絶対勝てたのにー!」と叫び
柴沼さんが「決着漬けられず
残念だなぁ」と言って笑ってた。

その後俺は
父親に抱きかかえられ
布団に連れてかれ寝てしまった。
スヤスヤ(*´Д`*)

俺が眠りに入る瞬間父親が
「やり直し!」と興奮してたので
何か賭けをしてたに違いない。

俺が目を覚ますと
もう外が真っ暗で
母親が夕飯の支度をしてた。

でも父親と柴沼さんは
まだ将棋をしてて
勝負がついてない。

しかし母親が
「夕飯が出来るよ」と言うので
俺の指定席の父親の膝に座って
夕飯が出来るのを待ってた。


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【特訓開始】





俺が父親の膝の上で
夕飯が出来るのを待ってる時
将棋の駒を置く音が良くて
またずっと見てしまってた。

そして夕飯が出来
将棋の勝負がいったん中断され
柴沼さんと一緒に食事をし
飲み会が始まった。

食事が済んだ俺は
自分で将棋の駒を置く音を出して
気分良くなりたかった。
(´∀`*)ウフフ

そして酔っぱらってる父親に
「将棋教えて!」と言うと
「なら明日教えてやる」と
約束してくれた。

翌日の日曜日
朝食を済ませた俺は
将棋を教わる為父親の所に行き
早速やってみる事にした。

すると父親が将棋盤を準備して
まずコマの並べ方から教わり
何度も並べ直して覚えた。
ε-(・д・`;)フゥ…

この時俺は
駒を置く時に鳴る
良い音を再現したくて
色々な置き方を試してみた。


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【勝負開始】





そして俺は
将棋の駒の置き方の
猛特訓の甲斐があり
良い音を鳴らす方法を発見した!

その方法は
コマの先端を中指で押さえ
お尻を上にはね上げて
勢いよく置く方法だった!

この技術を習得した俺は
将棋の駒を置くとき必ず
この方法で置いて音を鳴らし
パチン!という音に酔いしれた。

その後父親の特訓が続き
コマの動かし方を色々教わり
覚えて行った。
( ´ー`)フゥー...

勉強嫌いな俺だったけど
将棋の駒を置く音を聞きたくて
珍しく説明を集中して聞けて
早くルールを覚えられた。

そしてとうとう
父親と初の勝負をする事になり
自分で将棋の駒を並べ
自分の判断で将棋をしてみた。

でも結果は
父親に当然ぼろ負けしてしまい
全然手を抜いてくれなかった事が
意地悪に感じて泣いてしまった。


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【手抜き】





泣き出した俺に対し父親は
「結構手を抜いたんだよ」と
言い訳をしてきた。
。゚(。>ω<。)゚。ピー

そして父親が
「作戦考えないとダメなんだよ」
と俺に難しい事を言う。

仕方ないので俺は
色々作戦癌がえて将棋をするが
父親が全然手を抜いてくれなくて
どんどん駒が取られてく。

そして最終的に
王将1つだけ残され
完全に負けが確定してしまった。
アワワワワ(((゚д゚; )))ワワワワッ

そしてまた俺が泣き始めると
「ギリギリまで王将を取らないで
負けにしてあげなかっただろ」
そう言ってきた。

確かにこれだけ実力差があれば
一瞬で勝負がつくが
あえてギリギリねばらせて
作戦を考えさせてたのだろう。

でも俺は
父親が意地悪をしてる気がして
「負けてくれても良いじゃん!」
そう言って大泣きしてしまった。

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