【インフレ定着 際立つ株高】
“2025年は日本株の再評価が一段と進んだ。30日に大納会を迎えた日経平均株価の年間上昇率は26%(1万444円)と、米ダウ工業株30種平均を3年連続で上回った。世界的な生成AI(人工知能)期待と日本のインフレ定着がマネーの流入を促した。高市早苗政権の発足で、日本経済が再び成長軌道を描くとの期待が海外投資家を中心に高まっている。株高の持続は、財政拡張への懸念に目配りした政策運営にかかっている。”
この前文の最後の部分が気になりますね。「財政拡張への懸念に目配りした政策運営にかかっている。」と書かれていますが、この記事は株高を「称賛する」内容ではなく、「懸念する」内容だと思います。
そのため、タイトルのインフレ「際立つ」株高、だったり、「期待先行」、海外マネー流入、だったりと懸念点を示唆しています。
記事の最後の方の文書には以下のように書かれています。
“一方、高市氏の積極的な経済政策は株高を抑えるリスクもはらむ。インフレ局面での財政拡張は物価高を加速させる。成長につながらず財政の健全性を毀損するとの疑念をもたれれば、株や債券を含む円資産の売りが広がりかねない。
与党は参院で過半数を持たない。26年は市場の信認を失わずに成長戦略の実現に必要な予算の執行や、政策を遂行できるのかどうかが株価の行方を左右しそうだ。”
インフレ局面での財政拡張や政権の弱さを懸念しています。日経平均株価のチャートも株価が上がりすぎて下げ戻しが懸念されるような形に見えます。
そこで気になるのが日経平均株価を押し上げている3銘柄です。
“日本のAI関連銘柄は米半導体大手エヌビディア向けに製品を供給しているとされ、需要の伸びが見込まれるアドバンテストのほか、ソフトバンクグループ(SBG)、東京エレクトロンの3社が代表格だ。この3社だけで日経平均株価を大幅に押し上げた。”
この3社だけで日経平均株価を吊り上げたのであればこの3社が今後どのように株価が動くか、利益が取れるかに左右されます。
見たところ、アドバンテストと東京エレクトロンは利益もどんどん拡大していき、チャートも日経平均株価と連動して同じ形を形成していました。
しかし、ソフトバンクグループは違うようです。
財務状況を見てみます。
21年3月売上高 5兆6281億6700万円
22年3月売上高 6兆2215億3400万円
23年3月売上高 6兆5704億3900万円
24年3月売上高 6兆7565億円
25年3月売上高 7兆2437億5200万円
26年3月売上高予測 7兆6000億円
27年3月売上高予測 7兆9000億円
21年3月営業利益 8兆1324億3800万円
22年3月営業利益 -2兆7208億9000万円
23年3月営業利益 -2023億4500万円
24年3月営業利益 6億5900万円
25年3月営業利益 4兆4309億100万円
26年3月営業利益予測 6兆円
27年3月営業利益予測 2兆5000億円
売上高はずっと拡大しておりますが、利益の変動が激しいです。21年3月の営業利益8兆というのが目を疑いました。売上高が5兆なのに。
しかし、その次の年には一気にマイナスに急転落して、また利益は上がっていきます。
来年の26年で6兆円まで営業利益は上がりますが、27年で2兆5000億円まで下がっています。
これは純利益も同じですが、配当利回りは変えるつもりはないようです。では次はチャートを見てみます。
過去1年間の単純移動平均で20日と200日の2本でみます。
2025年4月で下値をつけたのは日経平均株価と同じですが、そこから2025年11月で頭打ちするまで上がり、そこから下がっています。
20日移動平均線(黄緑色の線)が200日移動平均線(紫色の線)にかなり近づきましたが、まだ少し乖離して空いています。この空いている部分は近づくことになると思います。
では一目均衡表を見てみます。
黄緑色の雲の中を突っ切って、その雲よりも下に株価が落ちています。上がり基調だった黄緑色の雲はその先で転換が起こっており、濃い緑色で下がり基調になっています。
先行指標の一目均衡表でデッドクロスのような形で推移しているところが気になりますね。
AIバブルが懸念される中で、ソフトバンクグループの推移が行方をかなり左右してくるのではないかと思います。