最近、相談を受ける中でオフィスの募集に関する内容が増えてきたため、
何回かに分けてオフィスの市況から、オフィスを募集する際に気を付けないといけないことなど詳細を綴っていこうと思う。
私自身も物件の募集窓口をする中で東京の各オフィス仲介会社とマーケットに関して話をしているため、現場の感覚も含めて話をしていく。
・オフィス仲介大手 調べの空室率
▪三鬼商事のオフィスマーケット
空室は5%(前月比 ▼ 0.15ポイント )
平均賃料坪単価は20,034円(前月比 ▲ 55円)
空室率は今年初めが5.83%だったことを考えると解消されてきております。
※空室率は数字が小さくなるにつれて、オフィスの空きが無くなってきていることを示します。
▪三幸エステートの調査調べ
都心5区に絞ったオフィスマーケットによると
空室率は4.05%、
平均賃料坪単価は28,524円
こちらの調査も今年初めは4.91%だったことを考えると、大型ビルは段々と空室が埋まってきており、東京のオフィス市況は良くなってきています。
とはいってもコロナ前は大型オフィスビルが竣工する前には8割、9割のテナントが決まっており、竣工時にはほとんどのビルで満床でした。
現在竣工予定のビルは半分ぐらいのテナントが決まっていれば良い方で、満床での竣工はほとんど聞かなくなりました。
2025年に新たに多くのビルが竣工後、しっかりとテナントが入り、それにより2次空室、3次空室が出てくるのか。
今年から来年にかけてはこの新築ビルの動きに注目していくことで
今後のマーケットの動きが見えてくると思います。
・現場で働いている仲介会社の感覚
■大型ビルは緩やかにテナントが決まっていっている
■築浅のSDGsへの意識が高いビルや地震に強いビルが良く決まっている
(大手企業や外資系の入居が目立つ)
■セットアップオフィスがいまだに強い
■周辺の物件とうまく差別化できている中小ビルだけがうまく決まっている
特に注目したいのが
”築浅のSDGsへの意識が高いビルや地震に強いビルが良く決まっている”という点だ。
中央日本土地建物のREVZOシリーズや野村不動産のPMOシリーズなど
高スペック、緑や共有部などあり従業員に喜ばれる要素あり、
耐震性能やSDGsへの意識が高い各社のビルシリーズ
中規模オフィスビルの高スペックビルが今良く決まっているイメージがある。
外資系企業の案内をしているときも消費電力に関しての
質問など受けることも昔よりは圧倒的に増えた。
セットアップオフィス(内装や家具も最初からついているオフィス)も
相変わらず強い印象だ。
これまではエントランスと会議室の内装を作り、家具などはついていない
セットアップオフィスが主流でしたが今では
家具もすべてついた状態で、明日からでもすぐに営業が出来るといったような
オフィスも出てきた。
またこれまでセットアップオフィスとなるとテナントが退去の時に原状回復の値段で揉めることが多かった。
通常オフィスだと坪単価5~6万円で済むところが
セットアップオフィスだと坪単価10万円近くなり、
退去費用が高額でよく揉めていたことを思い出す。
今は原状回復費は無しで、契約時に退去時のクリーニング代として
賃料の1ヶ月分から2ヶ月分で済む募集の仕方も出てきた。
もちろんその分、月々支払う賃料は少し高くなるが、退去する際にいきなり高額を請求されるよりかは、ランニングコストとして費用が見えており、
退去の時も費用が掛かる心配がない方が借りる側の法人としても
安心できる部分も多く、好評だ。
・これからオフィスを募集する際に大事なこと
今はコロナ前と違い、募集すれば決まる市況でない。
オフィスに強くない仲介会社でもアットホームやレインズに物件を掲載すれば決まる市況でもなくなった。
募集の仕方にはより戦略的にビルの特徴など個性を出すことが非常に重要になってきている。
あなたのビルでは
どの点が周辺のビルと差別化できていますか?
募集条件は周りと同じになっていませんか?
募集資料や写真などは充実していますか?
こういうテナントが来そうだとターゲットが見えていますか?
ビルの特徴や募集条件で差別化しているポイントを
明確にしていないとこれからのオフィス市況では置いてけぼりになり、
いつまでたっても案内や契約にならないといった状況は続くと思います。
次の記事ではビル所有者の方向けに、今できる本当にあなたのビルがちゃんと募集されているか、調べる方法を伝えます。