こんにちは。
社労士の とくほみわ です。
前回「社労士に依頼することのメリット」をまとめてみました。
人事労務は、社内でも対応可能ですが、社会保険労務士に頼めば、このようなメリットがあります。
1. 法的知識の深さと更新性
労働法や社会保険に関する知識は常に変化しています。社労士はこれらの法改正に迅速に対応し、最新の情報を提供します。
2. 第三者的な視点
社内だけでは見逃しがちな問題やバイアスを、客観的な視点でサポートしてくれます。
3. 社会保険手続きなどの代行
社労士は法律で認められた業務を代行できるため、手続きの手間を大幅に軽減できます。
4. 労務トラブルのリスク軽減
労働トラブルの未然防止や、発生時の対応策も適切に助言してくれるため、企業のリスクを減らします。
5. 多様な業種への対応経験
多くの業界に精通している社労士であれば、業種特有の問題やニーズにも柔軟に対応してくれます。
ただし、これらのメリットを最大限に活かすためには、社労士自身が日々の勉強を怠らず、最新の法令や判例を追求していることが不可欠です。
また、経験不足や偏った視点の社労士に依頼すると、かえってトラブルが増える可能性があります。
では、どうやって信頼できる社労士を選べばよいのでしょうか?選ぶ際の基準を見ていきましょう。
1. 開業年数をチェック
開業年数は1つの目安です。長くやっている社労士には、それだけ安心感があります。
ただ注意しなくてはいけないのは、そのベテラン社労士の意識によっては、逆にシステムや情報が古くなっている可能性もあります。
一方で、開業年数は浅くても、たまたま社労士試験との相性が悪くて開業できなかっただけで、人事労務の実務経験やシステム関係の知識が豊富な人もたくさんいます。
案外、若手の社労士は勉強熱心で、最新の情報を取り入れ、意欲的に対応してくれるかもしれません。
2. 得意分野を確認
社労士にも得意分野があります。
労働相談、社会保険手続き、助成金、給与計算、
DX系、セミナー講師、年金、就業規則、人事考課、
メンタルヘルスなどなど
「どの分野に強いのか」を、ホームページやブログの発信内容で確認しましょう。
注意点として「なんでもできます」「私なら簡単にできます」とアピールしている社労士の場合、
・本当になんでもできる「怪物」
・経験が浅すぎて「井の中の蛙」
両方あることです。
特に「障害年金」や「助成金」などは
・制度が複雑
・法律やルールの細かい改正が多い
・進み始めると後から修正が難しい
こういった特徴のあるので、
ご自身が依頼したい内容・項目について、芯を食った答えが返ってくるか、
社労士と信頼関係を築けそうか、慎重に見極めることが大切です。
【補足】
Q.社労士は基本的に依頼を拒めないのでは?
A.確かに、社会保険労務法第20条で「開業社会保険労務士は、正当な理由がある場合でなければ、依頼(紛争解決手続代理業務に関するものを除く。)を拒んではならない」とされています。公益性の高い独占業務なのでこういった定めがあります。
「では全てのご依頼を拒めないのか?」というとそうではなく「法律的、時間的、物理的にみて依頼に応ずることが困難とみられる『正当な理由』がある場合」はしょうがないよね、となっています。
経験が浅すぎたり、時間の都合がつかないなど、お引き受けすることが返ってご迷惑になる場合は、業務をお断りすることが許容されています。
3. 大きな事務所か小さな事務所か
事務所の規模については「どちらがいいのか?」というよりは
「大病院」と「町のお医者さん」のように、役割が違うというイメージを持っていただければと思います。
大きな事務所には多くのスタッフがいるため、幅広い大量の業務をこなす力があります。(その分人件費やコストもかかります)
人事労務システムや事例も、豊富に取り揃えている場合が多いので、給与計算など、定例の業務を大量に依頼する場合は、安心できるのではないかと思います。
注意点として、社労士経験豊富な所長がすべてのクライアントを担当するわけではない、ということが挙げられます。
所長は立派な人格者でも、働いているスタッフ一人ひとりの、経験や責任感、迅速性については、事務所の大きさでは測れない「かもしれない」ということを念頭に置く必要があります。
対して、小規模の事務所では、社労士本人が対応するため、きめ細かい対応が期待できる、かもしれません。
こちらはこちらで、社労士個人の経験や知識(あと忘れがちですが健康)に左右されるので見極めが難しい部分があります。
4. 最後は相性
最終的に、社労士との「相性」も重要なポイントです。
できれば、お問い合わせフォームなどでやり取りをし、SNSやブログの内容で社労士のキャラクターを掴みましょう。
・返事が早い人、遅い人
・ノリが軽い人、重厚な人
・ぶっきらぼうだけど優しい人
・丁寧だけど慇懃無礼な人
・たくさん業務をこなすことに喜びを感じる人
・少ないお客さんを深く丁寧に見たい人
・遵法意識・規範精神が高人
・ぶっちゃけた相談にも乗ってくれる人
・リスクを追いたくない人
・一緒に戦ってくれそうな人
社労士も個人事業主なので、個性があります。
同業者だけのSNSグループでも、お互いの法解釈や対応方法について
「え・・・?」
ていう反応になることがしょっちゅうあります。
なるべく会社のカラーに合った社労士を選んでいただくことで、良好な関係を築けるのではないかと思います。
まとめ
社労士を選ぶ際には、開業年数、得意分野、事務所の規模、そして何よりも「相性」を基準に選ぶことが重要です。
信頼できる社労士を選ぶことで、企業の成長を力強くサポートしてもらいましょう。
私もココナラ内で、小さめの会社・店舗 向けの人事労務相談サービスを展開しています。
少しでも「相性」を感じていただけましたら、お気軽にお問い合わせください。