学校で“問題児”と呼ばれる“ギフテッド”⑬

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コラム

天才と言われて、何もできなくなった子


ユイは、小さい頃から天才と言われた。

絵を描けば、大人が驚いた。

作文を書けば、先生が読んでくれた。

テストで満点を取ると、親戚がほめた。

「将来が楽しみだね」

その言葉を聞くたび、ユイは少しずつ怖くなった。

将来とは、どこにあるのだろう。

そこに行って、もし普通の人だったらどうなるのだろう。

ある日、ユイは絵を描けなくなった。

紙の前に座る。

鉛筆を持つ。

でも、線が引けない。

うまく描けなかったら、天才ではなくなる。

天才でなくなったら、自分は何になるのだろう。

母親は言った。

「好きに描けばいいのよ」

ユイは思った。

好きだったものが、期待でいっぱいになった時、それはもう自由ではない。

その日、ユイは白い紙をそのまま提出した。

題名は、

『失敗しない絵』

だった。
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