怒るというのは簡単ではない? 第1回(全4回)
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ビジネス・マーケティング
『誰でも怒ることはできる。それは簡単なことだ。しかし、怒るべき人に対して、ふさわしいタイミングで、ふさわしい目的で、ふさわしいやり方で、ふさわしいだけ怒るというのは簡単ではない。』(アリストテレス)
怒ることが難しいのはアリストテレスの時代からある人類の悩みのようです。私の周りにも怒ることができない人が結構います。正確には、怒ってはいるのにそれを表現できないと言ったほうが良いでしょう。事実、起こっている感情を伝えることができない。そしてストレスを溜めて、私のところに相談が来ます。怒りをうまく伝えられないのにはいくらか理由があります。
「怒るのはダメで叱るようにしましょう。」なんてことをよく耳にします。確かに感情的にワーワーと暴力的に怒りの感情をぶつけるのはいけません。けれども本当に悪いことをしている時、事故や怪我や大きなミスに直結する言動など、怒らなければいけないこともあります。個人の勝手な言動で他者に迷惑をかけている場合にも怒らなければならないと私は考えます。
そもそも「怒る」と「叱る」の言葉の定義なんて、その局面においてはあまり重要ではありません。そう考えるのは、怒れない人は結果的に叱ることもできていないことが多いからです。
だいたい「叱る」というのは上から下に向かう言葉です。部下が上司を叱る。そういう態度の部下もいるでしょうけど、言葉のニュアンス的にはちょっと変な感じがします。その場合は「意見する」「具申する」と言うべきでしょう。とにかく「叱る」も万能ではありません。
相手の感情を動かすにはこちらも感情をぶつけなければならない時もあります。そのためには冷静に叱るだけでは不充分なこともあります。
(明日に続きます)