今見てきた組織論を指導方法に当てはめて考えてみましょう。
昔からよくある「見て覚えろ」「技術は盗め」「1回で覚えろ」が通用しない理由もここにあります。これらのやり方にもメリットはあります。「見て覚えろ」「技術は盗め」「1回で覚えろ」という指導方法でも食らいついて結果を出す人はほぼ間違いなく“太上”です。従って、手っ取り早く“太上”かそれ以外かを見極めるのには非常に都合が良いと言えます。さらに言えば、そのようなトレーニーだけを認めて弟子のようにすれば、教える側のスキルはほとんど必要ありません。ですから本当に優秀な人材をごく限られた人数だけ育てれば良い場合にはそれで良いのです。
ところが、会社組織ではそうはいきません。“常”が大半なのです。「見て覚えろ」「技術は盗め」「1回で覚えろ」は人を育てる技術ではなく、“太上”=資質のある人を見極めるための技術です。“常”“太下”は「見て覚えろ」「技術は盗め」「1回で覚えろ」では育ちません。
ここに気づかず、効果の出ない指導や教育を繰り返し、人的に破綻してしまう組織もあります。“常”“太下”を指導する場面においてトレーナーが「見て覚えろ」「技術は盗め」「1回で覚えろ」を使うことは、この原理原則に背き、自らのスキル不足を誤魔化してトレーニーに対してマウントを取る自分勝手な行動でしかありません。だからこそ、人を育てることには技術が必要であり、それを学び実践していくしかないのです。
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