読んで面白い心理カウンセリングの事例の本~その3~

記事
学び

はじめに

なぜこのような事例の紹介を

しているかについては

~その1~、~その2~の

冒頭部分に

書いております。

ご興味がございましたら

ご覧くださいませ。



事例の紹介


彼女は職業生活では大過なく

着実にキャリアを重ねていたが

男性との関係が

激しいものになりがちで

いつも嵐のような強烈なやり取りの末に

破局を迎えるのだった。

彼女はそうした自分の在り方を

変化させたいという

説痛切な希望を持って

週2回の自費設定のセラピーに入った。




治療の転機


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…その日

彼女は仕事で数週後の1セッションを

キャンセルしなくてはならないことを

私に伝えたが

その時の私の反応が冷淡だった

というのだった。

…私がこの時何を言ったのか

今ではよく覚えていないが

おそらくやや苛立ちながら

幾分防衛的な発言をした可能性がある。

彼女は言った。

「そうやって先生が

感情を出すだろうと思っていた。

そうしたことが

あまりに予想通りで

馬鹿馬鹿しくなる。

ものすごく嫌だ。

だから私は最初から言いたくなかったのに

先生が問い詰めるから

言わないといけなくなったのだ。」

私は自分がひどく情けなくなった。




…そしてその時に私は患者の絶望を

そのまま体験しているのだと直感した。

私は「この治療に進歩がないように

私にも進歩がないということですね」

とつぶやいた。

彼女は沈黙した。

その沈黙の中で私の心に

「相手が彼女から引きこもる時に

彼女に生まれる貧欲さ

についてはいつも耐えられなかった

私がそれに耐えられるかを

今この人は知りたいのだ。

おそらくこのような苦しい局面を作り出して

それを確かめようとする

切実なニードがこの人にはあるのだ」

という考えが浮かんだ。

彼女は再び話し始めた。

「こうやっていつも分かりきった

筋書きで先生を感情的にして

にせものの手応えを作り出している。

でもそうでもしないと

この場はまるっきり

空しいもののような気がする」




…(彼女は)「偽の手応え」

のための話ししか

ここでは話していない

本当に心に思い浮かぶことなど

話していないと感じる

と言った。

というより

今黙っている時

確かに何か浮かんでいたのだが

それを自分が話したくない

という気持ちが

はっきりと感じられているのだ

というのだった。

彼女がここをもっと柔らかで

自由な場所として使いたいという

潜在的な希望を持っていること。

そこで本当に

もの思い、

夢みたい

と感じていることを

私は感じ取ることができた。

…彼女と私は

セッションの終わりまでの5、6分間

静かに黙っていた。




岩崎学術出版 藤山直樹著「続・精神分析という営み」より
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