こんにちは。「アステラ法務コンサルティング」の"たくえい"です。
私たちは長崎県平戸市・佐世保市を拠点に、古民家や空き家の修繕・保全、相続・名義変更・所有者不明土地の手続きをサポートしています。建築と法務の視点から、家と家族の物語を未来へつなぐための情報を発信しています。
【用語解説シリーズ 拡張版】第6回のテーマは、「未登記建物(みとうきたてもの)」です。
不動産の売買、相続、建築、空き家活用などを扱っていると、必ず出てくるのがこの「未登記建物」という存在。
「古い納屋が登記されていなかった…」「増築したはずの部分が登記簿に載っていない」「相続時に『建物が未登記なので登記をしてから手続きしてください』と言われた」
このような事例は決して珍しくありません。
では、そもそも未登記建物とは何なのか?なぜ未登記になるのか?どんなリスクやデメリットがあるのか?どうすれば登記できるのか?
この記事では、実際の現場でも頻繁に発生する未登記建物の問題について、実務に即してわかりやすく、かつ丁寧に解説していきます。
■ 「未登記建物」とは何か?
未登記建物とは、
「法務局の建物登記簿に記載されていない建物のこと。」
つまり、建物は現実に存在しているのに、登記記録が存在しない状態を指します。
建物の登記簿には、
・所有者
・所在地
・構造(木造・鉄骨など)
・床面積
などの情報が記録されているはずですが、未登記の場合はこれが存在せず、「法的に不明確な状態」となります。
■ なぜ建物が未登記になるのか?
理由はさまざまですが、代表的なものを紹介します。
■ 昔の建物で、登記が義務化される前に建てられた
たとえば昭和30〜40年代に建てられた古民家や納屋などは、そもそも当時の所有者が登記の必要性を理解していなかったケースも多くあります。
■ 建築後に「表題登記(初回登記)」をしていない
新築後、所有者が表題登記をしないまま放置してしまい、そのまま未登記の状態が続いているケース。
※表題登記とは、建物を法務局に「新しく登録する」最初の登記のことです。
■ 増改築した部分を登記していない
増築や改修をしても、変更登記を行っていないため、実際の建物と登記上の建物にズレが生じているケース。
■ 相続したが名義変更していないまま放置
相続後に建物の名義変更(所有権保存登記)をしないまま年月が経ち、気づけば登記簿が存在しない、あるいは別人名義のままという例も。
■ 未登記建物のデメリット・リスク
では、建物が未登記のままだと何が問題なのか?
大きく分けて、以下のようなリスクがあります。
✖ 所有権の証明ができない
登記簿がないということは、「その建物の正式な所有者が誰かを証明できない」ということになります。
たとえ何十年も住んでいたとしても、登記簿がなければ法律上の権利関係が曖昧になります。
✖ 売却・担保設定ができない
登記がないと、その建物を不動産として売買することができません。
また、金融機関も担保価値が認められないため、住宅ローンや事業資金の融資対象から外されることもあります。
✖ 相続手続きが滞る
相続の際に「建物が未登記です」と言われると、
・遺産分割協議書に書けない(こともないかな…)
・相続登記ができない
・相続税の評価が難航する
などの理由で、相続手続きそのものが遅れる原因になります。
✖ 税金や義務に関しての不整合
建物の固定資産税は、市区町村の課税台帳をもとに課税されますが、登記と課税台帳の情報が一致しないこともあります。
つまり、実際に存在しているのに「無かったこと」になっている状態が発生し、後で修正するのに多くの手間がかかることも。
■ 未登記建物を登記するにはどうすればいい?
まずは、登記簿が存在するかどうかを法務局で確認することが第一歩です。「登記されていない」と分かったら、次の手続きを進めていきます。
【STEP1】 表題登記(初回登記)の申請
未登記建物を初めて登記するには、「建物表題登記」を行う必要があります。
これは土地家屋調査士が担当する業務で、
・建物の現地調査
・測量・間取り確認
・資料の収集(建築確認済証、工事完了届など)
を経て、登記の申請が行われます。
【STEP2】 所有権保存登記
表題登記が完了した後は、「この建物の所有者は誰か?」を登記する手続きです。
これは司法書士の担当領域で、
・所有権保存登記(新築時)
・所有権移転登記(相続時)などの形で行われます。
【STEP3】 必要に応じた税務処理・名義整備
場合によっては、
・相続登記との並行処理
・相続人調査・遺産分割協議の実施
・固定資産税の台帳修正
なども必要になるため、法務・税務の連携が重要になります。
■ アステラ法務コンサルティングの実務サポート
当事務所では、未登記建物に関する以下のようなサポートを行っています。
・ 登記簿・課税台帳の調査代行
・ 表題登記に必要な書類整理・土地家屋調査士の手配
・ 所有権登記・相続登記の司法書士連携
・ 相続人関係の整理・協議書作成
・ 空き家対策と絡めた補助金申請支援
「これ、未登記じゃないかも?」という段階でも、お気軽にご相談いただければ、無料で調査からスタートできます。
■ まとめ:未登記建物を放置しないで!
・ 未登記建物とは、法務局の登記簿に記載されていない建物のこと
・ 古い建物や増築部分に多い
・ 相続・売却・融資・建築で問題になりやすい
・ 表題登記 → 所有権登記 → 税務整備の流れで対応
・ 調査・測量・士業連携が成功のカギ
▶ 次回予告
第7回では、「用途変更とは?~建物の使い道を変えるときの手続き~」をテーマにお届けします。
「店舗だった建物を住宅にしたい」「古民家を民泊に使うには何が必要?」そんな“使い道の変更”の手続きについて、詳しく解説します!