こんにちは、ボイストレーナーの小松萌です。
今回は、《見上げてごらん夜の星を》をみていきます。
この曲は、難しい高音も技巧もないのに、
「伝える力」がとても試される楽曲です。
声量ではなく、「語りかける間」や「言葉のリズム」が、
そのまま聴き手の心に響いていくので
なんだか心にしみる・・・
涙が出てきた・・・・
など、ダイレクトにお客様の心にも届きます。
そんなちょびっと難しい・・・!?
「見上げてごらん夜の星を」
紐解いていきましょう!
「間」が感情を運ぶ
この曲のフレーズには、意図的に少し長めの間が多く存在します。
見上げてごらん(間)
夜の星を(間)
この“間”があることで、歌がただの言葉ではなく、
聴く人の「心に語りかける」言葉に変わります。
ボイストレーニングでは、つい音を正確に出すことばかりに意識が向きがちですが、
この「間」を心で繋ぎ、そして気持ちで繋ぐ、これらもとても大切になってきます。
音ではなく「ことば」を届ける
この曲を指導するとき、私はよくこう言います。
「歌詞を読むように歌って」(子音などのアプローチ、母音の安定等)
「その言葉、誰かに伝えたい気持ちで言ってみて」(どういう人に届けたいか明確にすることでうたい方に変化を出す)
「どこの言葉を大切にしたいか考えて」(区切ることで説得力や言葉の意味を強く出す)
たとえば、「ささやかな幸せを うたってる」
という一節も、歌詞に気持ちが乗らないとただ流れてしまいます。
ピッチやリズムよりも、“伝えたい想い”を声に乗せる意識。
これが表現力につながる、大切な練習になります。
「ささやかな」を強調したいのか「うたってる」を強調したいのか・・・
それらを選択することもとても大切です。
強さだけでなく、聴き手への伝わり方も大きく変わってきますよ。
感情ではなく、共感を届ける
この曲の魅力は、「感情的にならなくても、人の心に届く」こと。
つまり、共感を声にのせる練習に最適な1曲です。
誰かの気持ちを代弁するように。
自分の言葉を、そっと空に放つように。
そんなつもりで歌ってみてください。
曲に合わせて、自分でストーリーを作りながら歌うのもとても効果があります!(私は常にそれを意識しています・・・!)
この部分ではこんなシーンを思い浮かべて・・・
この部分はこんな景色の中で・・・・
など、自分の世界を作るのもとても楽しいですよ♪
歌のテクニックに頼らずとも、
“ことば”が心に残る。
そんな歌い方の練習になる1曲です。