小学校・幼稚園受験 願書の書き方 基本編

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※この記事内の人物名・家庭像・エピソード・学校名は、すべて架空のものです。実在のご家庭の願書内容はそのまま使用していません。

①願書で本当に見られていること

幼稚園・小学校受験の願書を書くとき、多くのご家庭が最初に悩むのは「どのように上手に書けばよいか」ということです。

もちろん、読みやすい文章であることは大切です。誤字脱字がなく、言葉遣いが丁寧で、限られた字数の中で内容が整理されていることは、願書の基本です。

けれども、願書で本当に大切なのは、文章の上手さそのものではありません。

見られているのは、ご家庭の考え方に一貫性があるかどうかです。

②抽象的な言葉だけでは伝わりにくい

たとえば、次のような文章があります。

「我が家では、思いやりの心を大切に育てております。貴校の温かな教育方針に共感し、志望いたしました。」

一見、きれいな文章です。けれども、このままだと、どのご家庭にも当てはまりそうに見えてしまいます。

願書では、「思いやりを大切にしている」という言葉だけで終わらせず、そのご家庭では日々どのように思いやりを育ててきたのかを伝える必要があります。

③具体的な場面に置き換える

たとえば、架空の例ですが、次のように具体化できます。

我が家では、相手の立場を想像して行動することを大切にしております。弟がうまく靴を履けずに困っていたとき、娘は急かすのではなく、隣に座って「ここを持つと履きやすいよ」と声をかけていました。家庭ではこのような小さな場面を見逃さず、相手を思いやる行動を言葉にして認めるようにしています。

この文章では、「思いやり」という抽象的な言葉が、日常の場面に置き換えられています。

願書で大切なのは、立派な家庭に見せることではありません。

むしろ、日々の生活の中で何を大切にし、親がどのような言葉をかけ、子どもがどのように育っているのかを、自然に伝えることです。

④浅く見えてしまう原因

願書が浅く見えてしまう原因の多くは、言葉が抽象的なまま終わっていることにあります。

「主体性を育てています」

「自立心を大切にしています」

「思いやりのある子に育ってほしいと願っています」

どれも大切な言葉ですが、それだけではご家庭らしさが伝わりません。

⑤書く前に考える4つのこと

願書を書くときは、まず次の順番で考えてみてください。

・我が家が大切にしていることは何か

・それを日常でどう実践しているか

・子どもにどのような変化や成長が見られるか

・その考え方が志望校の教育とどう重なるか

この4つがつながると、願書はぐっと読みやすくなります。

⑥願書の骨組みを作る例

たとえば、「挑戦する力」を大切にしているご家庭であれば、ただ「何事にも挑戦する子に育てています」と書くのではなく、次のように整理します。

・家庭の方針は、失敗を恐れず挑戦すること。

・日常の実践は、できないことをすぐに手伝わず、まず本人に考えさせること。

・子どもの成長は、縄跳びや制作活動などで、できるまで工夫して取り組めるようになったこと。

・志望校との接点は、体験を通して自ら学ぶ姿勢を大切にしている点。

このように並べると、文章を書く前に願書の骨組みが見えてきます。

⑦まとめ

願書作成で最初にやるべきことは、名文を書くことではありません。

ご家庭の中にすでにある価値観を、丁寧に掘り起こすことです。

そして、その価値観が、お子さまの日常の姿と志望校の教育方針につながるように整えることです。

願書は、家庭を飾るための文章ではありません。

ご家庭の歩みと、お子さまの育ちと、志望校で学ばせたい理由を、一本の線で結ぶための文章です。

まずは、うまく書こうとする前に、「我が家は何を大切にしてきたのか」を言葉にしてみてください。そこに、そのご家庭だけの願書の入口があります。

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