【過敏すぎて疲れてしまう】症状が似ているHSPと発達障害(ASD)の違い

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近年「HSP」という言葉をよく耳にすることが増えてきました。「HSP」と人一倍感受性が強く繊細な人で、日本人に多く見られる気質のひとつです。

「HSP」と「発達障害(ASD)」は気質が似ているので間違いされやすいのが現状といえます。


HSPの気質と似ている発達障害(ASD)がどう違うのかをメンタルヘルス心理カウンセラーの資格を持つカウンセラーが解説していきます。


HSPとは
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HSPとは、Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)の略で、ヒト一倍感受性が強く繊細で、敏感な気質をもった人のことです。HSP研究の第一人者である心理学者のエレイン・アローン博士によって付けられた名称ですが、医学的な病名ではありません。




HSPとは生まれ持った性質であり統計上5人に1人、人口の15%~20%の人が当てはまる性質です。職場や家庭など生活の中で周りに合わせようとして気疲れしやすく、生きづらさを感じている方が多いとされています。


ASDとは
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ASDとは、Autism Spectrum Disorderの略で発症の原因は不明ですが、生まれつき脳機能の異常によるものと考えられています。ASDは大きく分けて2つあり「知的障害を伴う自閉症」とアスペルガー症候群といわれている「知的障害を伴わない自閉症」です。




アスペルガー症候群の場合は知的障害の遅れがないため、子供のころは学校や家庭でも問題がみられず、そのまま大人になることが多いとされています。大人になり社会に出るとコミュニケーションが難しくなり、対人関係がうまくいかない状況が続くこともあるので注意が必要です。




「どうして周りの人と同じようにできないのだろう」、「周りが当たり前のようにできていることが自分にはできない」といった感情になり、生きづらく感じることがあるといわれています。


ASDの症状
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ASDにはさまざまな症状があります。同じ症状がある場合は心療内科、精神科を受診することをおすすめします。

会話が続かない、コミュニケーションをとることが難しい。
相手の気持ちを察すること、空気を読むことが苦手である
思ったことを口に出してしまい、顰蹙(ひんしゅく)を買う
急な予定変更や予想していないことが起きるとパニックになってしまう
自分なりのやり方、ペース、ルールがある
音や特定の匂いに対して敏感である など




ASDかもと思ったらまずはその特性を理解する。

特性に合わない環境では適応することが難しく、自分や周りと合わず生きづらさを感じてしまいます。しかし誰にでも得意なこと、苦手なことはありますよね。自分の得意なことを生かし、苦手なことをカバーできる環境を整えていくことが大切です。


HSPの人が生きづらい理由
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心理学者のアローン博士によるとHSPには4つの特性「DOES(ダズ)」があるといいます。


D:Depth of Processing/深く情報を処理する

その場の空気や人の情報を深く読み取りすぎるため、必要以上に疲れる。

O:Overstimulation/過剰な刺激を受けやすい

外部からの刺激に敏感なため、人が発するエネルギーや音、光などに対する反応が強く表れやすい。

E:Emotional response empathy/共感力が強い

心の境界線が薄くもろいため、相手の感情を真に受けてしまう。相手の気持ちを感じ取り、深く共感するので相手の考えや気分に引きずられてしまうことがある。

S:Sensitivity to Subtleties/些細な刺激を察知する

他人が気づかないような匂いや音、光など些細な刺激にすぐ気づく。



HSPの人は敏感であるがゆえに、刺激を受けすぎて疲れやすいのが特徴です。相手や周りに気を遣って過ごしているため、楽しいこと、嬉しいことをしていても疲れてしまいます。

:HSPの人が抱えやすい悩み

HSPの人は以下のようなことを感じ、悩むことが多いです。同じような悩みを抱えているのであれば、あなたもHSPの気質があるかもしれません。


以下、引用

ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。

周りの人に「敏感」「内気」と言われることが多々ある
生活の急な変化に弱く、動揺してしまう
たくさんのタスクをこなさなければいけなくなると、混乱してしまう
大きな音や光が苦手
些細なことでも、深く考えすぎてしまう
芸術に触れると心が大きく動かされる
忙しくなると、1人で静かに過ごせる刺激の少ない場所にこもりたくなる
他人の気分に振り回されやすく、対人関係に疲れがち
小さな音や匂いも気になってしまう
映画やドラマの暴力的なシーンが苦手

※エレイン・N・アローン[著]/富田香里[訳] 講談社/ソフトバンク文庫




HSPの方は敏感がゆえにさまざまなことを感じ、考えています。相手の心無い態度に落ち込んでしまったり、小さい音も敏感に感じ取って眠れなくなったりすることもあるでしょう。そういう状態が続くと「うつ病」などに発症する可能性もあるので、職場や環境を変えてみることも1つの手です。


:HSPの人が輝ける職場

HSPの方は共感力が強いので周りへの配慮が上手と好印象をもたれます。また想像力も長けているので作家やライター、デザイナーとして活躍するなど自分の強みを生かした仕事を探してみることもおすすめです。



自分の気質をうまく仕事に生かすことができれば、自分を否定し続けた日々とさよならできるでしょう。またその能力を発揮できる場所で働けば生きやすい環境が整っていき、自分が輝ける場所になります。


HSPはカウンセラー、心療内科に相談
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HSPはうつ病や発達障害とはまったく別ですが、似たような気質が現れるため誤解されやすいのが現状です。




HSPに悩まれている方はカウンセラーや心療内科に相談してみることをおすすめします。カウンセラーは傾聴がメインですが、心療内科だと相談はもちろんのことHSPに関連する他の病気についても相談、診察をしてもらえますよ。


【過敏すぎて疲れてしまう】症状が似ているHSPと発達障害(ASD)の違い。まとめ
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人間関係がうまくいかず疲れるなど、なぜ「私はこんなにも周りとうまくできないのだろう」と感じる方は多くいるでしょう。

HSPは病気ではなく、その人が生まれ持った性質なのです。

その性質を個性と考え生かし、認めたうえで自分が輝ける場所はどこなのか?

自分の特性を生かせる仕事は何なのかと向き合いながら、自分を認めながら心を軽くしてあげましょうね。



以上です。
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