仮想世界という言葉を聞くと「ゲームのVR」を想像されるのではないかと思います。しかし、NFTの仮想世界はVRとは全然違います。NFTは「仮想世界で唯一無二の価値を持った我々が世界中の人々とやりとりする」ことをを実現してくれます。
何を言っているのかさっぱりだと思いますが、だからこそ、この記事ではこの難解なNFTの世界について知りたいと考えておられる初心者の方に向けてわかりやすく解説していきます。
我々が現在使用している現在の金融システム
まず最初に「NFT」と私達、現在の関係性を歴史から確認します。
CiFe(中央主権型)という現在の主流システムの仕組み
現在の私達の生活において「高額の支払いを分割にする」、「ネットで商品を購入したい」などのように販売者に対して直接現金を渡すのではなく、銀行などの金融機関の支払いシステムを利用して購入する方法があります。
このように販売者と購入者以外の第3者が間に入って支払える仕組みが、現在の主流なITシステムとなります。これを専門用語で表現するとCiFe(中央主権型)といいます。
では、そんな「CiFe」の利点や問題点を説明します。
CiFeのシステムのメリットとデメリットとは?
メリット
・現金の借り入れができる。(資金調達が必要な経営者に必要)
・現金を貯金できる。(自己資金を預けておくだけで金利が貰える)
・品物の購入に必要な振り込みができる。(ATM機械から支払える)
・資金管理の責任を担保してもらえる。(現金の返金保証がある)
デメリット
・口座開設の条件を満たせない人が就職に不利になる。(出生時の事情で戸籍が無い人など)
・預けたお金に対して貰える金利が低い。(金利0.002%など)
・支払いができる時間が限定されている。(銀行の営業時間)
・自己資金の利用目的の決定権が無い(銀行経営者に決定権がある)
これが現在の主流なシステムになります。
続いて、以下に説明するのが、NFTの土台となる「DeFi」です。
ブロックチェーン技術が実現した金融システム「DeFi」
ここで買う心的な技術が登場します。
それが「ブロックチェーン」と呼ばれるものです。
DeFi(分散型金融)という個人重視のシステムの仕組み
DeFi(分散型金融)という個人重視のシステムを実現。
ブロックチェーンとは、情報の管理を特定の組織や個人がするのではなく、「その情報に関係するすべての人間で共同管理する」ことを可能にしたシステムのことです。
とても難しい専門用語になりますので、ここで把握しておくべき重要な要素は「企業中心から個人中心に移行した」ということです。
例えば現在、ネット世界において強力な力を持っているのは、「Google」や「Amazon」、「FaceBook」などのような巨大な大手企業です。情報管理やシステム利用に関してはこれらの企業のやり方に対して今までは従うしかありませんでした。
しかし、ブロックチェーン技術が登場したことによりこの関係性を崩せる可能性が出てきました。ネット世界に存在する特定の情報の管理をそれぞれのコミニティで出来るようになり企業からの干渉が不要になったためです。
この技術を生かして生まれたのがここで紹介する「DeFi」です。
「DeFi」とは、企業を間に挟むことなく販売者と購入者がネット環境を通じて直接支払いができるシステムのことです。
では、その「DeFi」にはどんな利点や問題点があるのか。
DeFiのシステムのメリットとデメリットとは
メリット
・誰でも自由に口座を所有することができる。
・時間に縛られずにいつでも取引が可能になる。
・口座に預けたお金の金利は銀行と比較にならない可能性がある。
・パソコンやスマホがあれば支払いができる。
・個人情報の提供が不要になる。
デメリット
・システムを利用するために理解しなくてはいけない内容が難解である。
・支払いに関する責任などは全て個人が請け合うことになる。
・サイバー攻撃などの対象となって攻撃される危険がある。
個人同士での取引が可能となった次に求められたのが今回の主役である「NFT」です。
では、その「NFT」について次に説明していきます。
「NFTの仮想世界と唯一無二の価値とは」
NFTに求められたのはデジタルデータに対して価値をつけること
インターネット上には多種多様の画像や動画、音楽などのデジタルデータが存在しています。
このデータは複製や改竄などをして簡単に利用することができるため、基本的には価格というものが発生していませんでした。
その影響のせいで例えば音楽業界においては、新曲を売り出してもすぐにネットで広まってしまい販売数に打撃を受けていました。
このような問題を解決するために生まれたのが「NFT」です。
「NFT」は特定のデータに対して偽物が作れないようにして本物であるデータにこそ価値があることを証明してくれます。
これが「唯一無二の価値」です。
どのようにして証明するかというと本物のデータに対して複製不可能な印のデータを添付することによって本物と偽物の違いが明確になるようにしました。
仮に改竄(かいざん)しようとすれば追跡が可能なシステムになっているためすぐに発覚してしまいます。ちなみにこの「NFT」を支えるシステムとして先ほど紹介したブロックチェーンの技術も応用されています。
※NFT(non-fungible token):非代替性トークンのこと。
そのとても便利なNFTにはどんな利点や問題点があるのか?
NFTのシステムのメリットとデメリットとは
メリット
・所有しているデジタルデータの価値が非常に高い値段になる可能性がある。
(Twitter社のジャック・ドーシー氏の初ツイートが約2億7000万円)
・ブロックチェーンのシステムがあるから誰とでも取引ができる。
・情報の改竄やハッカー攻撃のリスクを低くすることができる。
デメリット
・取り扱うためには基本的に英語表記のサイトを解読して利用しなくてはならないため特定の人しか扱うことが出来ない。
・取引上におけるトラブルに対しては全て自己責任になります。
・法律の改正が追い付いていないため新しく始めることが難しいです。
では、次にNFTと一緒に語られる「メタバース」について見ていきましょう。
NFTとメタバースの関係性
VRの世界観を超える仮想世界メタバースとは
新しい仮想世界は現実世界に対して限りなく近い空間を実現してくれます。
例えば、VRの仮想世界であれば電源のOFFによってゲーム空間はリセットされます。しかし、メタバース空間は電源をOFFにしても完全な別空間として存在し続けています。時間の流れは止まらずに進行しているのです。
さらに、この空間には多くの人達がゲームのキャラクターを駆使していろいろな土地を歩き回ることが可能です。この「仮想空間」に存在する要素の全てにはNFTとしての価値付けがなされています。土地にも価値が付いていて全てが売買されると新しい土地が出現してまた世界が広げっていきます。
この世界が職業の可能性を広げてくれることになります。
仮想世界が今までにない仕事を可能にする
仮想空間内に存在する土地や建物、アイテム、キャラクターにはNFTの価値付けがなされているため希少性が極めて高いです。つまり全てがレアアイテム状態です。これらのデータをゲームを進行していく中で他の人に販売して売ることができるため、やりようによっては一つの職業として生計を立てていくことが可能になります。
例えば、現在ベトナムやフィリピンにおいてはAxie Infinity(アクシー・インフィニティ)というゲームを職業として実際に働いている人達がいます。
他にもゲーム内の空間を利用してイベントや説明会などを行うことも可能になるため実際に現地に足を運ぶ必要が無くなります。仮想空間において自社のPRを行うことができます。だからこそ、この仮想空間に存在しているデータには購入する価値があるのです。
【2022年最新版】NFTが実現する仮想世界とは何か?分かりやすく解説。まとめ
NFTが実現する未来の可能性とは世界中の人々が共通の空間内において価値の高い品物の売買をすることを可能にします。現実世界で当たり前のようにやっていたことが段々と仮想世界でのやり取りに変わっていくようになれば今までの常識は全く通用しない世界になります。
これらは本当に革命的な出来事になるでしょう。
今後このNFT及びメタバース世界がどのようにして世界に浸透していくのか、自分達はどのように利用していけば良いのかを把握しておくことはとても大事になってくることでしょう。