30代のころ、産業カウンセラー養成講座で読んだ本『夜と霧』。
その中にある「人には生きる意味がある」という言葉が、
今でも心に残っています。
誰かに話すこと、聴いてもらうことは、
思っている以上に心を軽くし、自分を取り戻す時間になります。
1. きっかけは、同期のひと言から
「私、産業カウンセラーの勉強してるの!」
ある日、新卒の同期にそう言われた瞬間、
なぜか焦るような気持ちが込み上げてきました。
当時の私は人事として、
採用や面談など“人と関わる仕事”に携わっていましたが、
どこかで「もっと相手の話をちゃんと聴けるようになりたい」と
感じていました。
「傾聴」を学ぶことで、相手の良さを引き出せるのではないか?
もっと人に深く興味を持てるのではないか?
そう思い、産業カウンセラーの学びをスタートしました。
結果として、面談や面接で相手の本音を引き出せるようになり、
信頼関係の築き方も大きく変わりました。
今では、あのときの“焦り”が私の人生を動かした
大切なきっかけだと思っています。
2. 「愚痴」と「相談」のちがい
愚痴は「今の気持ちを外に出すこと」。
相談は「これからを一緒に考えること」。
どちらも大切な心のプロセスです。
ただ、最初から「解決」なんていらないんです。
まずは安心して話せる場所があること、
受け止めてくれる誰かがいることが、
人の心をほどいていきます。
3. 愚痴を聴くことは、“寄り添う”こと
産業カウンセラーは、すぐにアドバイスをしません。
相手の言葉を「評価せずに受け取る」ことを大切にしています。
「そんなふうに感じたんですね」
「それはつらかったですよね」
そんな一言が、心に小さな安心を生みます。
それが心理的安全性につながり、
やがて人は自分の中にある答えに気づいていくのです。
4. 愚痴の中にも、“生きる意味”がある
『夜と霧』の著者フランクルは、
「人はどんな状況でも、生きる意味を見出すことができる」と語っています。
誰かに話したあと、ふと口から出る小さな言葉。
そこに、その人なりの価値観や希望の種が隠れています。
愚痴の中にも、あなたが前を向くヒントがちゃんとあるのです。
5. 最後に
愚痴を話すことは、決して弱さではありません。
誰かに聴いてもらうことで、
自分の中に眠っていた強さや優しさを思い出すことがあります。
私はそんな「安心して話せる場所」をつくることを大切にしています。
もし今、気持ちが整理できないときは、
1分でもいいので話してみませんか?
そこから少しずつ、あなたらしさが戻っていくと思っています。