民法の攻略法~司法試験予備試験受験生必見~

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パンデクテン方式って意外と重要な知識??

今回は、民法のポイントに触れたいと思います。
昔から「民法を制する者は司法試験を制する」とか言われていましたが、実際に勉強を進めてみるとそのことがよくわかりました。
民法を勉強していくと「条文を使う」ということの意味が一番よくわかるからです。

今回は、「条文を使う」という基本を学ぶために「パンデクテン方式」について復習しましょう!!

「パンデクテン方式」とは、民法の法律構成に現れるように、全ての法律関係に共通する事項として総則を設け、個別の法律関係に関わる事項として各則を設けるという構成のことを言います。
大学一年生の法学部生が必ず講義で聞く言葉ですね。
私も「ふーん・・・で?何?」くらいの感じで聞いていた記憶があります。
が、民法の法律構成に精通することは、民法を的確に使いこなす上で非常に重要なことなのです。

「ふーん」ではダメだったわけですが、当時大学一年生の私は、「ふーん」で終わっていました。
その原因は、おそらく「パンデクテン方式」の取扱説明を受けていなかったからだと思います。

そこで、皆さんには「パンデクテン方式」の取扱説明を致しましょう。
ぜひ六法をめくりながら読み進めていってほしいと思います。

民法には、第一編総則があります。
他方、第二編物権、第三編債権、第四編親族、第五編相続があります(これらが各則部分です)。

民法を適用する場合には、まずこの大きな枠組みに注目してください。
そして、物権(人の物に対する支配権)、債権(人の人に対する請求権)、親族(血縁等の身分関係)、相続(死亡した者の財産をめぐる法律関係)について検討することになったら、第二編~第五編のいずれかの枠に進みます。
実際に問題を解いているとこの段階を飛ばしていきなり「不法行為だ!!」とか考えがちですが(実際それで解けることも多いですが・・・)、本来の思考過程を丁寧にたどるとまずは上記のように考えることになります。

それと同時に第一編総則にもきちんと注目しておいてください。
第一編総則は、上記のとおり全ての法律関係に共通するルールのため、この部分は当然に適用されることになるからです。
権利能力・行為能力等の問題は、当たり前すぎて検討を省略されがちですが、本来の思考過程を丁寧にたどるとこれらの点もきちんと確認しておくことが必要です。

その上で第二編~第五編に進んでみましょう。
第一章総則と出てきましたね。
となると、第一章とそれ以外の章を分けた上、上記と同じように考えなければなりません。
例えば、所有権の問題を検討する場合、その規定は民法第206条以下にあるのでそこを見ます。
また質権の問題を検討する場合、民法第342条以下を見ることになります。
他方、その対抗問題についての検討は、所有権・質権ともに物権なので、同じく第一章総則を見ることになります。

ここでちゃんと六法をめくっていた人は気づいたかもしれません。
民法第352条(動産質の対抗要件)と民法第178条(動産に関する物権の譲渡の対抗要件)の内容が重複していないか?
という点です。

こういう場合、どう考えるのか(知っている人は当たり前のように知っています)。

長くなってしまったので次回に!
今回のポイントは、①大きな枠組みから小さな枠組みへ進行していくこと(第○編→第○章→第○節)②総則を念頭に置きつつ、どの各則に従っていくかを検討することです。
世の中に発生する法律関係は、往々にして債権と物権、相続と物権等、複数の分野に横断しています。
そのため、複数の編にわたり検討を要することもしばしばです。
ただ、そんなときでも、目の前の法律関係を分析し「今は、どの分野の検討をしているのか」ということを見極め、上記の通り検討すれば大丈夫です。
上記の検討は、一見面倒くさいですが、本来はこう考えなければならないのです。
手早く処理するため「当たり前」のことは省略されがちですが、その省略されがちな部分にこそ法の本質を理解するヒントが隠されているのではないかと考えています。

また、上記の検討手順を意識しておくと「何を考えていいのかわからない」という絶体絶命のピンチでも何とか対応することができるようになります。
一線で活躍する研究者や実務家の方々は日々それまで考えたことのない新たな問題に立ち向かっていかなければいけないわけですが、それは本来とるべき思考過程をきちんと身につけているから可能なのです。
ちゃんと考えられれば、何かしらの結論は見えてくるはずです。
「論点の知識がないからわからない」というのは、知識不足というよりも思考枠組みへの不理解が問題なのかもしれませんね。
これでも全然書き足らないくらいです(泣)

条文の使い方に興味がわいてきたという方は、ぜひコメントお願いします。
添削指導等に関するお問い合わせも隋時お待ちしております。


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