こちらでADHDの方を中心にカウンセリングさせて頂いてますが、皆様が私はどんな人間なのか、あらためて自己紹介をさせていただきます。
「忘れものの王様」だった小学生
小学生のころ、しょっちゅう教科書や体操着を忘れ、先生につけられたあだ名が「忘れものの王様」でした。授業中はいつも上の空、テストはケアレスミスが多く、配布物はいつも失くす。今考えてみれば、間違いなくADHD傾向。
大勢の同級生と遊ぶのが苦手で、ぼんやりともの思いにふけるボッチでした。そんな私を夢中にさせたのは中2の頃に出会ったロックでした。クイーンやピンク・フロイドなど、衝動的で神秘的なロックの雰囲気に浸り「あの切なさはどこから来るんだろう?」とこじれる日々。いわゆる厨二病的な資質がそのころ発動。私という人間が「覚醒」したのはロックによる影響だと思います。
孤立感を抱え、「忘れものの王様」で成績も芳しくない私でしたが、「ロックを聞いている自分」が特別なものに触れているように思え、「自分には何かができるんじゃないか」という根拠のない確信と自己愛が生まれてきたのです。そうした意欲から、高校では軽音楽部にはいってバンドを組み、キーボードを担当。あわせてマンドリン部にも所属して指揮を担当。音楽にどっぷりとハマった3年間でした。
大学時代はバイトにあけくれ、稼いだお金は服と夜遊びで散財。クラブやライブハウスなど夜の街には自分の様に孤立感と自己愛にまみれた人たちの居場所でもったのです。そうして出会った人たちの紹介でプランニングやライティングの仕事を見よう見まねでこなすようになり、最終的に就活もせず自由業の道を選びました。そんな無謀な選択も特性のなせる業だったのかもしれません。
ADHDのまま、フリーランスで20年生き延びた話
大学卒業後、バイト先で出会った彼女と結婚。翌年には子どもが産まれ、家内が専業主婦になったので、稼がなきゃ!と国民金融公庫からお金を借りて企画会社を起業。しかし、実績や経験があるわけでもなく、代理店やプロダクションの方に指導され、怒られながらなんとかこなしていくという感じでした。
好奇心と行動力、発想力が買われ、取材した内容が面白い!と、地元のタウン誌から全国紙の取材や大手広告代理店の仕事を受注し、 なんとか食いつないでいたものの、事務所を借り、当時は高額だったMacの最新機種とレーザープリンターをリース契約。また、割に合わない海外取材にも赴き、ミスがきっかけで仕事を失うことも多く、収支のバランスが崩れてきます。さらに、収入がないのにオフィスへはタクシーで通うなどあり得ない暮らしぶりでした。
最終的に資金がショートし、債務整理の経験までしました。それでも、なんとか仕事を続けてこられたのは、周囲未熟な私を見捨てず、面白い奴だ!と仕事をくれた人たちがいた。そうした人たちに恵まれたからこそ続けられたのだと思います。
インタビューがカウンセリングになった日
転機は、ライター時代のインタビューでした。あるアーティストに質問したとき、「こんなことを聞かれたのは初めてだ。自分が作品で言いたかったのは、まさにそれだよ。気持ちの整理ができた」と言われたことがある。それが一度や二度ではなかった。
中学のころから持っていた「人の心への興味」が、インタビューという技術と静かに結びついていたのだと、そのとき気づきました。
あ、これって、そのままカウンセリングなんじゃないか——日常でも友人・知人からの相談が絶えなかったことも重なって、10年前から正式にカウンセラーとしての活動を始めました。気づけば、これまで3,000人以上の方と対話してきました。
「そんな見方は初めてだった」と言われるわけ
私のカウンセリングは、いわゆる「店番アドバイス」をしません。よくある言葉を並べるのではなく、自分の感性と直感を総動員して、ただその人の話に向き合う。そのとき私が意識しているのは、目の前の人をひとりのアーティストとして見る、ということです。あなたが抱えているものは、欠陥ではなく、あなたにしかない物語だと思っているから。
「そんな見方は初めてだった」「その言葉を聞いたら、急に心が楽になった」——そう言ってもらえることが、少なくありません。「どうしてそんなことがわかるの?」とも。きっと、あらゆる職業・年齢・背景を持つ人たちの話を聴き続けたライター時代が、そのまま財産になっているのだと思っています。
こんな方のお力になりたい
相談に来てくれる方には、知的好奇心が強く、美意識があって、サブカルやアートが好きな方が多い。既存の「正しさ」より、自分だけの答えを探している人たちです。そして、かつて「忘れものの王様(女王)」だった方も。そういう方と話すとき、なぜかとても呼吸が合う。
かつて私が周囲の人たちに救われたように、今度は私が、あなたにとってのそういう存在になれたら、と思っています。当事者として、サバイバーとして、そして同じ匂いを持つ者として——あなたの話を、聴かせてください。