契約書法務①不安の抗弁の考え方

記事
法律・税務・士業全般
ある契約を結ぶ際に相手方に信用不安が生じたときの供給停止条項を入れることができますかというご相談はわりとよくあります。 
契約は原則自由ですが、根拠がないことは盛り込んでみても効力を持たないといったことになりかねません。従いまして、信用不安が生じた時の供給停止条項を入れるにしても根拠が必要になります。 
この場合には根拠は不安の抗弁ということになります。不安の抗弁(権)とは、契約の相手方に不履行の不安が生じたときに先履行義務を負う当事者が自分の債務の履行をしないでも契約違反にならないとする考え方です。 
条文上の根拠はストレートにはありませんが、一般条項(民法1条2項等)に根拠を求めることは可能です。また判例でも最判昭42.6.29においてもこれを認めています。 
では具体的にはどのような場合に、不安の抗弁を打てるのか。東京高判昭56.2.26 では買主に支払い期日における代金決済を期待し難い客観的合理的な蓋然性が認められた場合に限り、という判断基準が示されているため、これを引用しつつ予防していくための契約書を作成しておく必要があります。蓋然性とは可能性より確率の高いことを言います。ほとんどそうなるだろうというニュアンスです。
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す