娘がタトゥーをいれまして 第三話

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コラム
「望まない妊娠はするな!」
「タトゥーだけはいれるな!」

「いれるのなら、
親子の縁を切る覚悟でいれろ!」

とまで伝えてあったのに、
娘は背中にでっかいタトゥーをいれました。

怒りと絶望のあまり「ある場所」
へ駆け込みました。

そこで受けたカウンセリング中
私は、自分でも制御できない
「もう一人の私」の暴走に
激しい恐怖を覚えることになります。

ワーク中に、今の私が
【母親としてのもう一人の私】
に言った言葉は……。

「頑固だよね
気が強いよね
自己中心だよね。
娘に冷たいし
母親として愛情がズレてるよね。
娘を尊重できないあなたなんか
子供産む資格ないよ。
タイムマシンがあるなら19年前に戻って
あの時のセックス取り消せば?
でも戻れないんだから
今ちゃんと反省しなよ。
娘に謝りなよ!
尊重してあげなさいよ!!」

そして気づきました。

この言葉たちは 全部
【自分の親に言いたかった言葉】
だったんです。

「あの時のセックスを取り消せば?」
 という、あまりにも残酷な言葉。

それは本当は、私が親に向かって
ずっと心の奥で叫んでいた言葉でした。

「私なんて、生まれてこなければよかった」

「あるがままの私を
まっすぐ愛せないなら
最初から産まないでほしかった」

「無責任に子作りした親が悪い」

そんな、口に出すのも苦しいほど醜くて、
でも確かに私の中にあった恨み。

私がこれまで娘に言い聞かせてきた
「望まない妊娠だけはするな」
というセリフは

「そのままの私を愛せないなら
 最初から子作りするな!」

と、私が親に向かって
半世紀以上も叫び続けていた
悲鳴そのものでした。

そして、そのさらに奥に、
もっと情けなくて、もっと切ない
「私の本音」が隠されていました。

「親からもらった体を
 大事にしなさい」

「五体満足で産んで、
 健康に育ててもらったことに
感謝しなさい」

こんな風に、私の親は私に
言い続けていました。

あんなに親が大嫌いだったのに。
顔を見るのも嫌だったのに。
だから、26年前に日本から離れたのに。

私はなぜか、その大嫌いな
親の言いつけを、53歳になった
今でも健気に、頑なに守り続けて
いたからこそ、
娘に「タトゥーだけはいれるな!
親からもらった体を大事にしなさい!」
って言い続けたんですよね。

これぞ、【負の世代間連鎖】
      【価値観の押し付け】

娘のタトゥー事件から始まった
我が家のドタバタ劇。

まさか、自分の親への憎悪に
ぶち当たるなんて
思ってもみませんでした。

でも、パンドラの箱を開けてしまった私は
ここからさらに「自分の酷い正体」
に気づかされることになります。

明日の

【第4話:80歳の親と、19歳の娘編】
へ続きます。

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