持って生まれたモノ

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わかりやすく簡単に書きますね。

待望の赤ちゃんが生まれた時、五体満足で生まれてくると親は安心するでしょう。
しかし、外見からは見えない障害を持って生まれてくる人もいます。
それが機能的障害です。体の中の障害や脳の障害がそれにあたります。
体の障害はすぐに機能障害となって表出する物もけど、脳の障害だけはある程度成長しないと表出してきません。
心の成長によって障害が見つかるからです。
そして発達過程に添って、遅れが出てきて発見されるのが、発達障害になります。


その他に、根明(ネアカ)・根暗(ネクラ)なども、持って生まれた脳の構造です。
これらは、性格になって表出するので、いわゆる気質と言われるものになります。
うちの子何でこんなに暗いんだろう・・と考えないで下さい。DNAは両親だけからの受け継ぎではありません。祖父母・兄弟姉妹に似る子もいるのです。
それが「血」と言われる、遺伝性ものです。
ヒトは大なり小なり、遺伝の影響は持って生まれてきます。

テレビで4回に渡り、オックスフォード大学の心理学講座(BBC製作)を放送していたのを、私は偶然に見たことがあります。
その時の講義内容の1つが、サニーブレイン・レイニーブレインでした。
根暗・根明に関しては、楽観脳(サニーブレイン)と悲観脳(レイニーブレイン)と言われ、それについて一般人を相手にした公開講座をしている番組でした。
この脳の部位はやる気の側坐核(楽観脳)恐怖の扁桃体(悲観脳)と覚えておけば良いでしょう。

※「心と脳の白熱教室」 各回は50分程度の講義 
  第1回 楽観脳と悲観脳      エレーヌ・フォックス博士
  第2回 本当の楽観主義とは    エレーヌ・フォックス博士
  第3回 あなたの中のサイコパス  ケヴィン・ダットン博士
  第4回 あなたの性格は変えられる エレーヌ・フォックス博士

側坐核も扁桃体も神経伝達物質を受け取り働きますが、側坐核は脳内麻薬も受け取ります。
神経伝達物質は適度なら快楽をもたらすけど、脳内麻薬と相まって快感になってしまうと、制御が利かなくなり依存症や虚言壁の原因にもなります。
また異常に多く受け取ると、幻覚症状や被害妄想を抱くような症状のある、統合失調症などの精神疾患になると考えられています。

扁桃体も側坐核と同じ神経伝達物質を受け取りますがが、恐怖に作用してしまいます。恐怖でストレスが溜まると、更にそれを手助けする神経伝達物質が出てくるようになり、更に恐怖が増強されてしまいます。
過度な不安や恐怖が症状であるうつ病、不安障害やPTSDといった精神疾患においては、扁桃体の活動が過剰であること知られています。

そして統合失調症や自閉症に認められる感情や対人コミュニケーションの障害が扁桃体の活動の低下と関連していることも知られています。

側坐核も扁桃体も左脳右脳に1つずつあります。
やる気の側坐核(楽観脳)の行け行け~も、恐怖の扁桃体(悲観脳)の怖い怖い・・・も制御するのは前頭葉(おでこのあたり)です。

前頭葉は発達が一番遅く、その役割である総合判断力が付くまでに、約20年かかると言われてます。
また、ストレスに弱く、やる気の側坐核(楽観脳)は制御できるうちに手を打たないと、止められなくなってしまいます。

恐怖の扁桃体(悲観脳)は、古代脳と言われ、爬虫類から進化したヒトも持っている脳です。
古代脳には、前頭葉による制御機能が発達していません。
うつ病が長引くのも、このためと言われています。

また、扁桃体(悲観脳)には、ヒトが生まれ持っている感情があります。
これを情動といいます。
情動とは、顔が赤くなり汗が吹き出てくるほどの、激しい怒りの事を言いますが、赤ちゃんが火がついたように泣くのは、この情動によるものです。
悲観脳なのに、何で情動と言う怒りになるの?と思うでしょうが、これも陰陽2つの面を持っているからです。
この情動が、世話を受けることによって、成長し感情が創出されます。

初めは単純な感情が創出され、やがて喜怒哀楽さらに複雑な感情が創出され成長と共に心が形成されていきますが、感情が創出されずに、情動のままの人もいます。こういう人は心がありません。
笑っても、泣いてても、心から湧き出す感情ではなく、演技しています。
一般的に、精神病質・サイコパスと言われる人達です。
これについては、別の記事にします。

これが、本当の意味での「持って生まれた脳の構造上の問題」で医学上で言う「器質」と言います。
気質と違って性格上のモノではありません。
器質は目に見えない、脳の障害なのです。だから発症した場合、服薬する必要があるわけです。
器質と気質の違いがわかりましたか?
※器質は「ブログ カウンセリングについて2(うつ病)」にも記載してあります。


長々と精神病理について書いてしまいましたが、読んでいて気が付きましたか?
やる気の側坐核(楽観脳)恐怖の扁桃体(悲観脳)と同じように、ヒトは陰陽どちらも持って生まれてきて、そのバランスが崩れた時に、心が病みます。
でも、生まれながらの心の病はありません。(自閉症などを除く)

定型発達(発達障害がない場合の呼び方です)の場合、感情創出し、心が生まれ、自他分離を認識し、自分の意思表示ができ、他人と係わるために躾を受け、公園デビューし、幼稚園で社会性を学ぶ・・等の一連の成長過程での経験や蓄積されて、「自分」が完成していきます。
この間は約10年弱と言われています。

この時、物事の理解力を養っておくと、認知の偏りが少なくなります。
子供の物事の理解を深める事は、教える事ではありません。
子供自身に考えさせる事です。それを育脳と言います。
ただ、教えてただけでは、子供は本当に理解はしていません。
記憶力が良いから、丸々暗記できてしまいます。
また、良いところも悪いところも、大人の真似をします。
でも、自分で考え理解した事は、自分のモノとして身につき、行動規範として現れます。

そして子供は理解力が低いので、現実が見えません。この時期にきちんと育脳すると、自分で考える事によって現実が見えるようになり、思春期の人格形成に反映されます。

子供が現実を見えないのは、潜在意識の状態でいることが多いからですが、常に顕在意識ではありません。
周りに注意が行かないため、思考が狭窄している状態だからです。
子供がきちんと「自分」を確立する10歳頃に、潜在意識の蓋は閉まってしまいます。
物の善悪などの道徳心は、蓋が閉まってからは、身に付きません。
それがヒトとしての社会性や道徳心の根底になるものですが、この時期に獲得しておかないと、一生処世術で生き抜くようになってします。

ヒトとして生きていくには、物事を知り→考え→理解すると言う事は、とても大切な事なのです。

そして脳は柔軟性があるので、好きだと思う事はどんどん吸収していきます。これには年齢は関係ありません。
大人になってからでも、遅くはありません。
何でだろう?と思う事が大切です。
何でだろうと思ったら、それを正しく理解する事が大切です。
専門的な知識は必要ないのです。
きちんと理解すると、「あーそうだったんだー」と認知の仕方が変わります。

また、現実が見えないまま、歳をとると認知症が早くから始まります。
これは、昔から言われている事です。(他に記事に書きます)
何が本当のことなのかの、見極めが出来ないからです。

きちんと、自分自身を理解し、自分の全てを自分で受け入れ、認められるようにならなければ、いつまでも何か心の中に問題を抱えて生きていくようになってしまいます。

それには、自分を取り巻く環境の外の世界を見る目と、自分自身を心や感情を見る目を養い、きちんと現実を見るようになることです。
これもまた、バランスです。

※「心と脳の白熱教室」1.2.4回講座担当の、エレーヌ・フォックス博士の本「脳科学は人格を変えられるか? (文春文庫)」に楽観脳・悲観脳が詳しく書いてあります。興味がある人は読んでみてください。

3回講座担当のケヴィン・ダットン博士の本「サイコパス 秘められた能力」 にサイコパスが詳しく書いてあります。興味がある人は読んでみてください。


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