採用担当21年が教える職務要約の書き方|30秒で見ている3つのポイント【職種別の例文つき】

採用担当21年が教える職務要約の書き方|30秒で見ている3つのポイント【職種別の例文つき】

記事
ビジネス・マーケティング
採用担当者は、あなたの職務経歴書を何分かけて読むと思いますか?

10分?5分?

正解は、最初の30秒です。

21年間、採用の現場で数千枚の職務経歴書を見てきました。その30秒で、私がどこを見ていたか。答えは、冒頭の3〜4行にある「職務要約」です。

ここが書けていれば、その先も読んでもらえます。逆に言えば、後半にどれだけいい経歴が書いてあっても、冒頭で伝わらなければ、そこまでたどり着いてもらえません。

この記事では、職務要約の書き方を、実際の例文つきでお伝えします。

採用担当が30秒で見ている3つのポイント


書類選考の日は、机の上に書類の束が置かれます。1枚あたりにかけられる時間は、正直なところ1分もありません。その中で見ているのは次の3つです。

1.提出日が新しいか
2.写真の印象(履歴書とセットで見ます)
3.冒頭3〜4行の職務要約

3つ目の職務要約で「この人は何をしてきた人か」がわかると、そこで一度○が付きます。○が付いた書類には、あらためて5分をかけて読み込みます。

その5分で読む順番も決まっています。職務要約 → 会社名 → 本当に会いたいと思ったときだけ履歴書へ。自己PR欄は一番下です。そこへたどり着く時点で、答えはもう出ています。

つまり、力を入れる場所は冒頭に寄せたほうがいい、ということです。

伝わらない職務要約に共通する書き方


多くの方の職務要約は、こんな書き出しになっています。

「これまで様々な業種で経験を積んできました。人と接することが好きで、チームワークを大切にしながら業務に取り組んでまいりました。」

丁寧に書かれています。ただ、採用担当者の側から読むと、この人が何をしてきた人かがわかりません。「様々な業種」「人と接する」「チームワーク」は、どの応募者にも当てはまってしまう言葉だからです。

原因の多くは、やってきたことを全部書こうとすることにあります。実は私自身も、自分の経歴を書くときにやりがちです。全部を並べるより、いったんまとめたうえで、その中の尖ったものを1つ出す。そのほうが伝わります。

通る職務要約の型:職種 × 年数 × 実績


冒頭の一文には、次の3つを入れてください。

・職種(何をしてきた人か)
・年数(どれくらいやってきたか)
・いちばん大きな実績(何ができる人か)

この3つが1〜2行で伝われば、30秒の判断は通過します。業界・職種・やってきたことを端的に言い切れる人は、それだけで印象が違います。細かいことは面接で聞けばいいので、冒頭は短くて構いません。

数字より「過程」が効く


もう一歩踏み込みます。実績を書くとき、数字を入れるのは良いことです。ただ、私がそれ以上に見ていたのは「過程」でした。

たとえば「稟議ツールを導入し、承認までの日数を短縮した」と書いてあるとします。結果はわかります。でもこれだけだと、そのプロジェクトにただ入っていただけなのか、自分で回したのかが読み取れません。

そこに過程が書いてあると、見え方が変わります。

自分でツールを探して、見積もりを取って、稟議書を作って、社内に展開した。

こう書いてあると、その人の動き方が見えます。そしてこの動き方は、稟議ツールに限りません。「別のシステムを入れよう」となったときにも通用する、と読めます。この汎用性が効きます。

さらに実務的な話をすると、過程が書いてあると面接官が質問したくなります。「これ、どうやってこの結果を出したんですか?」と聞いてみたくなる引っかかりになる。書類の目的は、合格することではなく、会ってみたいと思わせることです。

職種別の職務要約 例文5本


実際の書き方を職種別に挙げます。ご自身の経歴に置き換えてお使いください。

【営業職】

法人向けソフトウェアの新規開拓営業として10年間、中小企業を中心に約200社を担当してきました。担当エリアの売上が3年横ばいだったため、既存顧客の解約理由を一件ずつ聞き取り、フォローの担当と頻度を決め直したうえで運用を変え、年間売上を1.5倍に伸ばしました。現在は後輩3名の育成も担当しています。

【一般事務・総務】

メーカーの管理部門で総務・庶務を8年担当してきました。紙の申請書が月200枚以上あり処理が滞っていたため、社内で使えるクラウドツールを自分で調べ、見積もりを取り、稟議を通して導入まで進めました。申請から承認までの日数を平均5日から1日に短縮しています。

【介護職】

特別養護老人ホームで介護職員として12年、うち5年はユニットリーダーとしてスタッフ8名をまとめてきました。ご家族からの問い合わせ対応が担当者ごとにばらついていたため、記録の書き方を統一し、引き継ぎシートを作成。担当者が不在の日でも同じ説明ができる体制に変えました。

【社内SE・情報システム】

情報システム部門で社内SEとして7年、社員300名規模の情報基盤の運用を担当してきました。問い合わせ対応が月100件を超えて本来業務が進まない状態だったため、質問の内容を分類し、多いものから順に社内ポータルへマニュアルを公開。問い合わせを月40件まで減らしました。

【販売・店舗運営】

アパレル販売として9年、うち4年は店長として売場とスタッフ12名を管理してきました。新入社員の早期退職が続いていたため、入社1か月時点の面談を仕組みにし、教える手順を紙に落として担当を分けました。1年以内の退職が前年4名から1名になりました。

どの例文も、職種・年数・実績を最初に置き、そのあとに「どう動いたか」を入れています。この形なら、経歴が派手でなくても伝わります。

どこまで書いていいのか(盛るの線引き)


添削のご相談でよく聞かれるので、正直にお答えします。

会ってみたいと思わせるために、多少は良く見せて構いません。まず会ってもらえないと始まらないからです。ただし、線はあります。

・成果そのものを作ってはいけません。ここは捏造になります
・自分がどこまで主導したかは、ぼかして書いて構いません
・ただし「自分が主導した」と断定で書き切ると、面接で細部を聞かれたときに答えられなくなります

おすすめは二段構えです。成果は少し強めに書き、役割については「主導ではありませんが、この部分は自分がやりました」と面接で正直に言えるように準備しておく。これなら書類も通り、面接でも崩れません。

応募先ごとに書き分けるべきか


理想を言えば、応募先ごとに冒頭を寄せたほうが刺さります。ただ、現実には全社分を書き分ける時間は取れないと思います。

なので、汎用版を1通しっかり作るのが基本です。そのうえで、本命の会社があるときだけ、冒頭3行を入れ替えてください。それで十分です。

なお、求人票の文言に無理に寄せる必要はありません。寄せてきた感じは、読む側には案外伝わりません。それよりも、尖った実績が1つあるほうが、その経験を求めている会社のほうから引っかかります。

職務要約のほかに、30秒で見られている7つのポイント


職務要約が最優先ですが、ほかにも短時間で判断されている箇所があります。書類選考でつまずきやすい共通点は、私の経験では8つあり、そのうちの1つが今回お伝えした職務要約です。残りは次の7つです。

共通点1:提出年月日が古い(使い回しに見える)
共通点2:「ミスが少ない」と書いて誤字脱字がある
共通点3:すべてを書きすぎて強みが見えない
共通点4:履歴書・登録写真の不備
共通点5:休職・前職についてのネガティブな記載が多い
共通点6:実績の誇張がある
共通点7:フォント・書式が統一されていない

このうち、すぐ直せる2つを解説します。

提出年月日が古い


職務経歴書の右上に書く作成日です。ここを更新しないまま使い回している方が、思っている以上に多くいます。

採用側は、これを「使い回している」だけでは受け取りません。もう少しシビアです。3か月前の日付なら、3か月活動して決まっていない方かもしれない、と読みます。書類そのものの中身とは関係のないところで、印象が下がってしまいます。

対策はかんたんです。応募のたびに日付を当日に更新してください。ついでに直近の実績を1行足せば、それだけで他の応募者と差がつきます。

フォント・書式が統一されていない


内容は悪くないのに、全体が雑に見える書類があります。原因はたいてい書式の不統一です。

・明朝体とゴシック体が混ざっている
・文字サイズがバラバラ(10ptと12ptが混在)
・他の書類からコピペした箇所だけ書式が違う
・箇条書きの記号が「・」「●」「◆」と混ざっている

Wordは、直した箇所だけ書式が崩れることがあります。画面上では気づきにくいので、一度印刷してみてください。会社側も印刷して読んでいることがあります。紙で見ると、ズレはすぐ見つかります。

書類は「会ってみたい」と思わせるためのもの


21年やってきて、いちばん変わった見方があります。

結局のところ、面接で話してみないとわからない部分は残ります。書類で迷った方を採用したこともあれば、書類が良くても会ってみて合わなかったこともありました。

だからこそ、書類は合否を決める最終判断ではなく、面接というチャンスの入口だと考えています。完璧な書類を目指す必要はありません。「この人に会ってみたい」と思わせられれば、それで役目は果たしています。

いいものを持っているのに、書類で止まってしまう。これがいちばんもったいないと思っています。

自己PR欄の書き方は、こちらの記事でお伝えしています。
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転職回数が多い場合の書き方は、こちらの記事でお伝えしています。
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書くことが思いつかない、実績と呼べるものがないと感じている方は、こちらの記事もあわせてお読みください。
職務経歴書に書くことがないと感じたら|採用担当21年が見ていた「量でない場所」

残りのポイントは、有料コンテンツで解説しています


今回は職務要約を中心に、提出日と書式についてお伝えしました。

残る5つ(誤字脱字・書きすぎ・写真の不備・ネガティブな記載・実績の誇張)は、書類選考で特に判断が分かれやすい項目です。

これらの詳しい解説に加えて、各項目への具体的な対策、NG例とOK例の比較、提出前チェックリスト、職務経歴書テンプレート(記入例つき)をまとめた有料コンテンツをご用意しています。

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