転職回数が多い人の職務経歴書|採用担当21年が見ていた実際のラインと書き方

転職回数が多い人の職務経歴書|採用担当21年が見ていた実際のラインと書き方

記事
ビジネス・マーケティング
転職回数が多い。書類が通らない。もしかして、回数が理由なのではないか。

そう思って検索された方が多いと思います。

21年間、採用の現場で数千枚の書類を見てきました。選考会議にも出ていましたし、「この人は呼ぼう」「この人は今回は見送ろう」と決める側にいました。

その経験からお伝えすると、採用担当は回数そのものを数えていません。見ているのは別のところです。

この記事では、実際に何を見ていたのか、そして職務経歴書のどこを直すと見え方が変わるのかを、書き方の例つきでお伝えします。

採用担当は、転職回数のどこを見ているか


書類を開いたとき、私が見ていたのは次の2つです。

1.いちばん長く勤めた会社は、何年だったか
2.直近の辞め方は、どうだったか

回数が5回でも6回でも、この2つが良ければ書類は通します。逆に、回数が2回でもこの2つが引っかかると、そこで止まります。

なぜこの2つなのか。採用する側が本当に知りたいのは「この人はうちで続くだろうか」の一点だからです。回数はその手がかりの一つでしかありません。

「何回までなら大丈夫」という線はあるのか


正直にお答えすると、ありません。

「平均は何回か」という調査は世の中にありますが、選考の場で平均値を持ち出したことは一度もありませんでした。書類を前にして「平均より多いから落とす」という判断はしません。

代わりに見ているのが、先ほどの2つです。ですから「何回までセーフか」を気にするより、自分の経歴の中で、いちばん長く勤めた期間はどこかを確かめてください。そこがこの記事のいちばん大事なところです。

回数が多くても通る書類、少なくても止まる書類


具体的に挙げます。

通りやすいケース

回数が多くても、1社で5年、8年と長く勤めた実績があり、次がうちで3社目・4社目というような方。これはむしろポジティブに取っていました。長く勤められる人だと分かっているからです。

私自身、「回数は多いけれど、この5年は同じ会社で続けているんだな」と思って通した書類が何枚もあります。

止まりやすいケース

逆に、回数が少なくても、直近で1〜2か月の短期離職が続いている方。ここは正直なところ、慎重に見ます。「うちに来ても、また同じことになるのではないか」と考えてしまうからです。

つまり、採用側が気にしているのは「回数」ではなく「直近の続き方」です。3年前に何回転職していても、直近が安定していれば印象は悪くありません。

空白期間(ブランク)がある場合

回数が多い方は、間に空白期間があることも多いと思います。ここも、期間の長さより説明があるかどうかです。

半年、1年と空いていても、その間に何をしていたかが1行書いてあれば、読み手はそこで止まりません。資格の勉強でも、アルバイトでも、家族の介護でも構いません。逆に、年月だけが飛んでいて何も書いていないと、読む側は想像で埋めます。そして想像は、たいてい悪いほうに転びます。

これは書き方の話であって、空白があること自体は珍しくありません。堂々と書いてください。

「回数を気にしない会社」はあるのか


「転職回数を気にしない業界はどこか」と探される方がいます。人手が足りない業界ほど寛容、という話もよく見かけます。

その傾向はあると思います。ただ、実際に選考する側にいた実感としては、業界よりも「その会社が、その時期に何を求めていたか」のほうがずっと大きいです。

私は21年で4社にいましたが、同じような書類を見ても、会社によって見ている場所がまるで違いました。ある会社では落ち着きや信頼感を、別の会社では伸びしろを、また別の会社では現場が今それを求めているかを見ていました。同じ方が応募してきても、時期が違えば結果は変わったと思います。

もう一つ、経歴の条件が細かく厳しい求人は、育てる余力がないサインでもあります。余力のある会社は、意外と経験を求めません。逆に余力のないところほど、経歴に期待をかけすぎて、入ってから食い違うことが起きます。

ですから、回数を気にしない業界を探して応募先を絞るより、応募先ごとに職務要約の冒頭を寄せるほうが、結果につながりやすいと思います。

転職回数の数え方(どこから1回か)


数え方で迷う方が多いので、実務上の扱いを書いておきます。

- 正社員・契約社員としての退職は、1回と数えます
- 派遣は、派遣元との契約が続いていれば就業先が変わっても1回とは数えません。職務経歴書には就業先ごとに書いてかまいませんが、「派遣元:○○/就業先:△△」と分かる形にしてください
- 試用期間中の退職も、雇用契約を結んでいれば経歴です。ただし数か月なら、後述のとおり書き方でまとめられます
- アルバイトは職歴に含めないのが一般的です(正社員経験がない場合は別です)

数え方そのものより、書類を見た人が経歴をたどれるかどうかが大事です。年月に空きがあると「ここは何をしていたのだろう」と引っかかります。空白を作らないほうが、余計な想像をされずに済みます。

職務経歴書のどこを直すと、印象が変わるか


ここからが実際の直し方です。転職回数が多い方の書類でいちばん効くのは、並べ方です。

やることは3つあります。

1.直近を上に、厚く書く

古い順に並べている方が多いのですが、逆にしてください。いちばん見てほしいのは「今のあなた」です。直近5年は厚く、それより前は薄く。この配分だけで、読み手が受け取る印象が変わります。

2.長く勤めた会社を、目立たせる

いちばん長く勤めた会社の在籍年数は、はっきり書いてください。「2018年4月〜2025年3月(7年)」のように、年数を括弧で添えるだけで目に入ります。

3.短い在籍の会社は、まとめて圧縮する

3か月、半年といった在籍の会社を、他と同じ密度で書く必要はありません。1〜2行にまとめてください。行数が減ると、それだけで「回数の多さ」が前に出なくなります。

「キャリア式」という書き方について

転職回数が多い方向けに、会社ごとではなく職種や業務ごとにまとめて書く「キャリア式」という形式が紹介されることがあります。会社の数が前に出にくいので、確かに一理あります。

ただ、私が読む側だったときの実感をお伝えすると、キャリア式は少し読みにくいです。どの会社で何をしていたのかを頭の中で組み立て直さないといけないので、1分しかかけられない場面では手が止まります。「まとめ方に工夫があるな」と思う一方で、「時系列を隠したいのかな」と勘ぐられることもあります。

おすすめは、時系列(逆編年式)のまま、分量で強弱をつけるやり方です。この記事で書いている方法がそれにあたります。同じ職種を渡り歩いてこられた方で、どうしても会社ごとだと細切れになる場合だけ、キャリア式を検討してください。その場合も、末尾に在籍会社の一覧を年月つきで置いておくと、読む側は助かります。

冒頭の職務要約も忘れずに。ここで「経理を通算11年」と括っておくと、その先の会社数は細部として読まれます。職務要約の書き方は、こちらの記事でくわしくお伝えしています。

採用担当21年が教える職務要約の書き方|30秒で見ている3つのポイント【職種別の例文つき】

短期離職の理由は、どこまで書くか


短く辞めた会社がある場合、理由を書くかどうかで迷うと思います。

結論は、1行だけ添えるです。書かないと想像で埋められてしまい、たいてい悪いほうに転びます。

そのうえで、書き方には分かれ目があります。他責に聞こえるか、不可抗力に聞こえるかです。

採用側は、辞めた理由そのものを責める気はありません。辞めるにはそれなりの事情があると分かっています。ただ、人のせいに聞こえる書き方をすると、「うちに入っても何かあれば人のせいにするのかな」と受け取ってしまいます。ここだけで損をするのは、もったいないところです。

| 伝わり方 | 例 |
| --- | --- |
| 他責に聞こえる | 上司との折り合いが悪く/残業が多すぎたため/評価制度に納得できず |
| 事情として伝わる | 家族の介護が必要になったため/配属部署の閉鎖に伴い/体調を整える期間を取ったため(現在は解消) |

家庭の事情や介護のような不可抗力は、「それは仕方ないですね」でそのまま通ります。私も何度も通してきました。

本音が「給料が安い」「人間関係」だったとしても、それをそのまま書く必要はありません。どの会社にも多少はある話なので、書かれた側は「うちでも同じことを言われるかもしれない」と身構えてしまいます。その一点以外は我慢できたのなら、言わないほうが得です。

回数を少なく見せる書き方は、しないほうがいい


短い在籍の会社を書かない、在籍期間を少し伸ばす。こうした調整を考える方がいます。

おすすめしません。理由は2つあります。

1つは、面接で分かってしまうこと。書類の内容は面接で一段深く聞かれます。「この時期は何をされていましたか」と聞かれて答えに詰まると、その先の話がすべて疑わしくなります。追及こそされませんが、印象には残ります。

もう1つは、入社後に判明すること。在籍期間は、社会保険の記録で会社側が把握します。入ってから食い違いが出ると、経歴を偽ったという扱いになりかねません。ここは書き方の工夫の範囲を超えてしまいます。

正直に書いて、並べ方で見せる。これが結局いちばん強いです。前の章のとおり、まとめて圧縮するのは「隠す」ことではありません。読みやすく整えることです。

職務経歴書の書き方の例(転職5回の場合)


同じ経歴でも、並べ方で見え方がどれだけ変わるかをお見せします。架空の方の例です。

もとの書き方

【職歴】
2008年4月〜2010年3月 A社 一般事務
2010年5月〜2011年10月 B社 営業事務
2011年11月〜2018年10月 C社 経理
2019年1月〜2019年3月 D社 経理
2019年5月〜現在 E社 経理

(各社を同じ分量で、古い順に記載)

回数が5回並び、しかも古い順なので、いちばん見てほしい直近の経験が最後に来ています。3か月で辞めたD社も、他社と同じ大きさで目に入ります。

直したあと

【職務要約】
中小メーカーを中心に、経理として通算11年。月次・年次決算、支払業務、経費精算を一貫して担当してきました。直近のE社では6年在籍し、月次決算を10営業日から6営業日に短縮しています。

【職務経歴】

2019年5月〜現在 E社(6年) 経理
・月次決算、年次決算補助、支払業務(月約180件)
・着任時10営業日かかっていた月次決算を、確認手順を組み直して6営業日に短縮
・後任の育成を2名担当

2011年11月〜2018年10月 C社(7年) 経理
・経理課にて、仕訳入力から月次試算表の作成までを担当
・紙の経費精算をクラウドに切り替える際の実務担当(申請から承認まで平均5日→1日)

2008年4月〜2011年10月 A社・B社(計3年半) 一般事務・営業事務
・受発注データの処理、来客・電話対応、部内の庶務全般

※ 2019年1月〜3月 D社(経理):入社後に配属部署の閉鎖が決まり、退職しています。

変えたのは並べ方と分量だけで、書いてある事実は一つも変えていません。それでも、直したあとは「経理を通算11年」「直近6年」「その前が7年」が先に目に入ります。D社の3か月は最後に注記として置き、理由を1行だけ添えました。

読む側からすると、この2枚はまったく別の書類に見えます。

自己PR欄の書き方は、こちらの記事でお伝えしています。

採用担当21年が教える職務経歴書の自己PR|読まれる書き方と職種別の例文6本

「一貫性がない」と感じているとき


業種も職種もばらばらで、まとめようがない。そう感じている方も多いと思います。

そういうときは、職種ではなく「やってきたことの共通項」を1つ立ててください。

たとえば、飲食・小売・コールセンターと渡ってきた方なら、共通しているのは「お客様と直接やりとりしてきた」ことです。事務・経理・総務なら「社内の人から依頼を受けて処理してきた」ことです。

一貫性は、肩書きの一致ではありません。応募先の仕事につながる筋が1本見えれば十分です。その筋を職務要約の1文目に置いて、あとの経歴はその裏づけとして並べる。これで読み手は迷いません。

共通項が見つからないときは、次の3つで自分の経歴を振り返ってみてください。

- 誰を相手にしてきたか(社外のお客様/社内の人/取引先/患者さんやご家族)
- 何を任されてきたか(数字の管理/段取り/人の指導/トラブルの一次対応)
- どんなときに動いてきたか(急ぎの対応/繰り返しの正確さ/初めての立ち上げ)

3つのうち1つでも共通していれば、それが筋になります。たとえば業種はばらばらでも「どの職場でも新人の指導を任されてきた」なら、それは立派な一貫性です。応募先が人の入れ替わりに悩んでいるなら、そこは強く効きます。

なお、応募先ごとに書き分けるかどうかについては、職務要約の記事でも触れています。全部を書き分ける必要はなく、冒頭の1〜2行だけ寄せれば十分です。

20代で回数が多い場合


20代の方は、見られるところが少し違います。経験の量ではなく、素直さです。

言い方を変えると「入ってから、教えたことを聞いてくれる人か」。ここを一番期待されています。ですから書類でも、これまでの実績を大きく見せるより、次の職場で覚えていく姿勢が伝わるほうが効きます。

短い期間で辞めた記録が残っている分、警戒はされます。ただ、そこで前の会社の不満を書いてしまうと、せっかくの若さが台無しです。「早く辞めてしまいましたが、今度は腰を据えて長く働きたいと思っています」。これくらいで十分に伝わります。

面接で聞かれたときの答え方


書類が通れば、面接では高い確率で聞かれます。用意しておいてください。

答え方の筋は、書類と同じで構いません。

1.長く勤めた期間を先に言う(「C社では7年、経理を担当していました」)
2.短かった会社は、事情を1行で(「部署の閉鎖が決まり、3か月で退職しました」)
3.次にどうしたいかで締める(「経理として腰を据えて、決算まで任せていただける環境で長く働きたいと思っています」)

この順番で話すと、聞いた側の頭に「長く勤めた実績のある人」という像が先に残ります。

実際の言い方にすると、こうなります。

「経理としては通算11年になります。いちばん長かったのはC社の7年で、月次決算から支払業務まで一通り担当していました。1社だけ3か月で退職していますが、入社後に配属部署の閉鎖が決まったためです。現在のE社では6年になります。次はもう少し早い段階から決算に関わって、長く働きたいと思っています」

30秒ほどです。長かった会社を先に、短かった会社は事実だけ、最後は前を向いて終わる。この形にしておくと、面接官も追加で聞くことがなくなります。

聞かれてから考えると、どうしても言い訳のように聞こえてしまいます。先に一度、声に出して練習しておいてください。自分の耳で聞くと、言い訳っぽく響く箇所が自分で分かります。

「人生終わり」ではありません


検索していると、そういう言葉が並んでいると思います。読むと、気持ちが沈むと思います。

ただ、採用する側にいた立場から申し上げると、書類が通らない理由は、あなたの実力とは限りません。

人事が「今回は見送ろうか」と言っても、現場が「この人がいい」と言うことは往々にしてあります。誰がその日書類を見たか、どのタイミングで届いたかで、結果は変わります。会社に合わなかったのか、たまたま見た人と合わなかったのか、これは落ちた本人にも分かりません。私にも分かりませんでした。

そして、落ちた理由が説明されることはまずありません。だから、落ちた=自分がだめ、と受け取る必要はないのです。「200人来ていた中の一人だったのかな」くらいに考えて、次に進んでください。

もう一つ、実際にあった話をします。掲載からだいぶ経った求人に応募してきた方が、直前の内定辞退で空いた枠に、そのまま決まったことがありました。応募していなければ、その巡り合わせには乗れませんでした。

続けていれば、そういうことが起きます。回数を悔やむより、次の1社に出す書類を整えるほうが、確実に近道です。

自分では判断がつかないときは


転職回数の見せ方は、自分の経歴を自分で客観視する作業なので、いちばん難しいところです。「この3か月をどう書けばいいのか」「この並べ方で伝わるのか」は、書いた本人からは判断がつきません。

かがり事務所では、採用担当として21年、実際に書類を見てきた立場から、職務経歴書の添削と作成を承っています。どこを直すかだけでなく、なぜそこを直すのかを添えてお返しします。

詳しい内容は、下記のサービスページをご覧ください。

サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す