採用担当21年が教える職務経歴書の自己PR|読まれる書き方と職種別の例文6本

記事
ビジネス・マーケティング
職務経歴書の自己PR欄。ここで手が止まって、何日も進まないという方は多いと思います。

書くことが思いつかない。何文字書けばいいのかわからない。そもそも、これは読まれているのか。

経歴の部分は事実を並べれば形になりますが、自己PRだけは自分で材料を選んで組み立てなければなりません。しかも、うまく書けているかどうかを自分では判断できません。ここで手が止まってしまうのは、当然だと思います。

21年間、採用の現場で数千枚の職務経歴書を見てきました。その経験からお伝えすると、自己PR欄は読まれる順番が決まっています。そして、その順番を知っているかどうかで、書く内容は変わります。

この記事では、採用担当が自己PRをどう読んでいるかと、書く材料の出し方を、職種別の例文つきでお伝えします。

採用担当は、自己PRのどこを読んでいるか


先に、正直なところをお伝えします。

書類選考で1枚にかけられる時間は、1分もありません。その1分で「会ってみたいかも」と思った書類にだけ、あらためて5分をかけて読み込みます。

その5分の読む順番は、こうです。

1.職務要約(冒頭の3〜4行)
2.会社名(どんな環境にいた人か)
3.本当に会いたいと思ったときだけ、履歴書へ
4.自己PR

自己PR欄は、最後です。

がっかりさせてしまったかもしれません。ただ、これには続きがあります。私が「この人に会おう」と決めた書類の中で、いちばん記憶に残っているのは、まさにその自己PR欄に書かれていた一文でした。

つまり自己PRは、読まれない欄ではなく、最後に効く欄です。ここまで読んでもらえたときに、印象をもう一段動かせる場所だと思ってください。

その「効く一文」が何だったかは、後半でお伝えします。

自己PRは、書かなくてもいいのか


「職務経歴書に自己PRは必要か」と検索される方は多いようです。

結論からお伝えすると、応募先が様式を指定していないなら、書いたほうがいいと思います。ただし、無理に埋める必要はありません。

書いたほうがいい場合:

・経歴だけでは、応募先で何ができる人かが伝わりにくいとき
・転職回数が多い、ブランクがあるなど、経歴の見え方に補足がほしいとき
・未経験の職種に応募するとき

無理に書かなくていい場合:

・応募先から「職務経歴書のみ、様式は当社指定」と言われているとき
・書く内容が、職務要約とほとんど同じになってしまうとき

最後の一つは大事なところです。職務要約と同じ話を言い換えただけの自己PRは、読み手に「同じことが2回書いてある」と感じさせます。それなら、無い方がすっきりします。

履歴書の自己PRと、同じ文章でいいのか


これもよく聞かれます。

同じで構いません。ただし、1点だけ変えてください。

履歴書の自己PRは、字数が限られています。人柄が伝わればそれで十分です。一方、職務経歴書の自己PRは、仕事の話に寄せます。 どんな場面で、何をして、その結果どうなったか。ここまで書けるのが職務経歴書の側です。

同じ文章を貼るなら、職務経歴書の方に一場面を足す。それだけで、2枚がきちんと役割を分けます。

何文字書けばいいか


目安は200〜400字です。多くても400字を超えない方がいいと思います。

理由は単純で、長い自己PRは読まれないからです。職務経歴書そのものが2〜3枚に収まっているのが望ましく、5枚を超えると読む側は正直なところ、うんざりします。その中で自己PRだけが長いと、そこは飛ばされます。

短くまとめる自信がないときは、エピソードを1つに絞ってください。2つ書くと、どちらも薄くなります。

同じ内容を、長さ別に書くとこうなります。

【200字】

前職では営業部門20名の事務を一人で担当し、月に約300件の受発注データを処理していました。月末に確認が追いつかず納品日を取り違えたことがあり、入力後にリストで突き合わせる手順に変えたところ、以降は同じ間違いが起きていません。細かい作業を、間違いが起きない形に整えるのが得意です。

【300字】※上に、次の一文を足す

その手順は、私が異動したあとも部内で続けてもらえていると聞いています。前任者から引き継いだやり方をそのまま続けるのではなく、なぜその手順なのかを確認したうえで、必要なら形を変えることを心がけてきました。

【400字】※さらに、応募先との接続を足す

貴社の求人票を拝見し、複数部署からの依頼を受ける事務職と伺いました。依頼の窓口が多い環境こそ、手順を決めておくことが効くと考えています。前職で身につけた進め方は、そのまま活かせると思っています。

どの長さでも、最初の1文で「何をしてきた人か」が伝わっていることは変えていません。字数が増えたときに足すのは、エピソードの数ではなく、その後の展開と応募先とのつながりです。

自己PRは、職務経歴書のどこに置くか


置き場所で迷う方も多いところです。原則はいちばん最後、経歴を書き終えたあとです。

冒頭に自己PRを置く方がときどきいらっしゃいますが、あまりおすすめしません。冒頭は職務要約の場所で、そこに自己PRが重なると、同じような文章が2つ並んでいるように見えてしまいます。読み手は「まだ経歴が出てこない」と感じます。

置くときは、次の3つを守ってください。

「自己PR」と見出しをつける(どこからが自己PRか、ひと目でわかるように)
経歴の後ろに置く(順番を入れ替えない)
ページをまたがない(1枚目の最後で切れて2枚目に続く形は読みにくくなります)

なお、応募先から様式を指定されている場合は、その様式に従ってください。指定を無視して自分の形にした書類は、内容の前に「指示を読んでいない人」と受け取られてしまいます。もったいないところです。

職務要約と自己PRは、どう違うのか


混同されやすい2つですが、役割がはっきり違います。

職務要約=何をしてきた人かを、3〜4行で伝える。事実の要約
自己PR=その中の一場面を掘り下げて、人物像を伝える

順番でいえば、職務要約が「入口」で、自己PRが「最後のひと押し」です。力を入れる優先順位も、まず職務要約です。冒頭の3〜4行が弱いと、自己PRまでたどり着いてもらえません。

職務要約の書き方は、こちらの記事でくわしくお伝えしています。

採用担当21年が教える職務要約の書き方|30秒で見ている3つのポイント【職種別の例文つき】

「思いつかない」ときの、材料の出し方


自己PRが書けない方の多くは、書く力が足りないのではなく、材料を思い出せていないだけです。

添削のご依頼をいただくと、最初はほとんどの方が「特に実績はありません」とおっしゃいます。そこで、こういう質問をしていきます。

【一般事務・営業事務】
・処理していた書類やデータは、月に何件くらいでしたか
・何人くらいの社内の方から依頼を受けていましたか
・自分で工夫して変えた作業はありますか
・使っていたソフトと、できる操作は何ですか

【経理】
・仕訳や伝票は、月に何件くらいでしたか
・月次決算は何営業日かかっていましたか
・経費精算の対象は何人分でしたか

【営業・販売】
・目標に対する達成率はどれくらいでしたか
・担当していたお客様は何社(何人)でしたか
・店舗内での順位はどのあたりでしたか

【看護・介護・保育】
・受け持ちは何人くらいでしたか
・夜勤は月に何回でしたか
・新人の指導は何人担当しましたか

【製造・物流】
・1日の生産数や配送件数はどれくらいでしたか
・対応できる工程はいくつありましたか
・無事故は何年続いていますか

数字がはっきり思い出せなくても構いません。「だいたい月に150件くらい」で十分です。大事なのは、規模と体制が伝わることです。「担当しました」だけでは、任されていた責任の大きさが読み手に見えません。

ここで一つだけ気をつけてほしいことがあります。チームの成果と、自分の担当は分けて書いてください。 ここを混ぜると、後で説明する「盛り」に見えてしまいます。

数字が出しにくいお仕事もあります。人事、総務、企画、研究職のように、成果が数字に結びつきにくい職種です。その場合は、数字の代わりに次の3つを書いてください。

相手の範囲(何人の、どの立場の人を対象にしていたか)
任されていた範囲(どこまでを自分で決めてよかったか)
続いているかどうか(自分がやったことが、今も残っているか)

3つ目は見落とされがちですが、読み手にとってはいちばん確かな手がかりです。一度きりの取り組みか、仕組みとして根づいたのか。そこに、その方の仕事の質が出ます。

応募者の大半が書く言葉と、その言い換え


書類を読んでいると、職種ごとに「ほとんどの方が書く言葉」があります。

| 職種 | よく登場する言葉 |
| --- | --- |
| 事務・経理 | 真面目・几帳面・コツコツ |
| 庶務 | 気配り・縁の下の力持ち |
| 営業 | コミュニケーション力・粘り強さ |
| IT | 技術力・コミュニケーション力 |
| 看護・介護 | 寄り添うケア・チームワーク |
| 保育 | 子どもが好き・笑顔 |

どれも、その方にとっては本当のことだと思います。ただ、同じ言葉が並ぶと、読み手には違いが見えません。

やることは一つです。性格を表す言葉を、そう言える一場面に置き換えてください。

・「真面目です」→「入力ミスをしかけたことをきっかけに、確認の手順を自分で決めて、それ以降は続けています」
・「コミュニケーションが得意です」→「解約が続いた時期に、理由を一件ずつ伺って、連絡の頻度を決め直しました」
・「子どもが好きです」→「登園をしぶるお子さんがいて、朝の受け入れ方をご家庭と揃えました」

言葉を変えたのではなく、場面を出しただけです。それだけで、その人にしか書けない文章になります。

とくに多いのが「協調性」と「コミュニケーション能力」です。この2つは、書かれていても読み手の頭に何も残りません。次のように、動作に置き換えてみてください。

・「協調性があります」→「他部署に依頼するときは、締切だけでなく、なぜその日までなのかを添えるようにしています」
・「コミュニケーション能力には自信があります」→「引き継ぎのときは、相手が知らない前提から説明するようにしています」

どちらも、たいしたことは書いていません。ただ、その人が実際にやっている動作なので、読んだ側は仕事ぶりを想像できます。自己PRで伝わるのは、能力の名前ではなく、いつもやっている動作の方です。

失敗から立て直した経験のほうが、記憶に残る


先ほどお約束した「効いた一文」の話です。

ある方の職務経歴書の自己PR欄に、成功談ではなく、自分の失敗が書いてありました。 何を失敗したのか、原因は何だったのか、そのあとどう変えたのか。この順番で、淡々と書かれていました。

読んだとき、「なるほどな」と思いました。同時に、こうも思いました。

この人は、うちで失敗しても立ち上がれる人だな。

抽象的に「チームワークを大切にしています」と書かれても、正直なところ想像がつきません。けれど、実際の失敗と、その後の一手が書いてあると、同じことが自社で起きたときの動き方まで見えます。

失敗を書くのは、弱みを見せることではありません。同じ状況でまた動ける、という証明になります。

もし書ける失敗があるなら、この順番で書いてみてください。

1.何が起きたか(起きたことだけを短く)
2.原因は何だったと思うか
3.そのあと、自分は何を変えたか
4.今はどうなっているか

3と4があることが大事です。反省で終わると、ただの失敗談になります。

職種別の自己PR 例文6本


実際の書き方を、職種別に挙げます。ご自身の経歴に置き換えてお使いください。

【一般事務】

前職では、営業部門20名の事務を一人で担当し、月に約300件の受発注データを処理していました。入力の締切が重なる月末に確認が追いつかず、一度、納品日を取り違えたことがあります。原因は自分の目視だけに頼っていたことだと考え、入力後にリストで突き合わせる手順に変えました。以降、同じ間違いは起きていません。細かい作業を、間違いが起きない形に整えるのが得意です。

【販売職】

アパレル販売として9年、直近4年は店長として、スタッフ12名と売場を担当しました。着任した年は新人の早期退職が続き、教える人によって内容がばらついていたことが原因だと考えました。入社1か月時点の面談を仕組みにし、教える手順を紙に落として担当を分けたところ、1年以内の退職が前年の4名から1名になりました。人が続く売場をつくることに、いちばんやりがいを感じています。

【看護師】

急性期病棟で7年、日勤で7〜8名を受け持ち、夜勤は月4回入っていました。新人指導を3年担当しています。以前、申し送りの内容が担当者ごとに違い、夜勤帯で確認に時間がかかったことがありました。記録の書き方を項目で揃える案を提案し、病棟で使う形に整えました。忙しい場面ほど、次の人が困らない形を残すことを心がけています。

【介護職】

特別養護老人ホームで12年、うち5年はユニットリーダーとして職員8名をまとめてきました。ご家族からのお問い合わせに、担当者によって答えが違うことがあり、ご心配をおかけしたことがあります。記録の書き方を統一し、引き継ぎシートを作ったことで、担当が不在の日でも同じご説明ができるようになりました。新人の指導は、これまでに6名を担当しています。

【未経験の職種に応募する場合】

これまで7年間、飲食店の店舗運営に携わり、直近3年は発注と原価の管理を担当してきました。毎月の食材原価を表で管理し、仕入れ先ごとの単価を比較して、原価率を2ポイント下げています。数字を見て手を打つ仕事の進め方は、事務職でも活かせると考えています。経理の実務経験はありませんので、簿記3級を取得し、現在2級の勉強を続けています。まずは早く手順を覚えて、任せていただける範囲を広げたいと思っています。

【第二新卒】

新卒で入社した会社に1年8か月在籍し、法人向けの内勤営業として、既存のお客様約80社を担当しました。短い期間ではありますが、問い合わせの多い質問を一覧にまとめ、チームで共有する形にしたことは、今も続けてもらえていると聞いています。次は腰を据えて長く働き、担当できる範囲を広げていきたいと考えています。前職で身につけた、お客様の質問を先回りして整理する習慣は、どの仕事でも活かせると思っています。

6本とも、場面 → 自分がしたこと → その後どうなったかの順で書いています。特別な実績がなくても、この順番なら書けます。

経験が浅い、未経験の職種に応募するとき


未経験の職種に応募するとき、採用側がいちばん見ているのは、実は経験ではありません。

素直さです。

言い方を変えると、「入ってから、教えたことを聞いてくれる人かどうか」。未経験の方を受け入れる会社は、そこにいちばん期待しています。ですから自己PRでも、できることを大きく見せるより、これから覚える姿勢が伝わる方が効きます。

第二新卒の方も、見られる軸は同じです。ただ、早く辞めた記録は残るので、そこは少し警戒されます。ここで前の会社の不満を書いてしまうと、せっかくの内容が台無しになります。「早く辞めてしまいましたが、今度は長く勤めたいと思っています」。これくらいで十分に伝わります。

あわせて、書くときの線引きも一つだけ。やっていないことを書く必要はありません。

表彰や大きなプロジェクトの話が書いてあっても、そのために何をしたかが無いと、読み手は「担当した一部なのだろう」と受け取ります。役割を大きく見せるより、担当した範囲を正直に書いて、その中の工夫を具体的に書く方が信用されます。

書けたら、声に出して読んでみる


提出する前に、二つだけ試してみてください。

一つは、印刷して読むこと。 画面では気づかない誤字や、行のずれが見つかります。

もう一つは、声に出して読むこと。 息継ぎができないほど一文が長い箇所は、読み手も同じところで詰まります。そこを2つの文に分けるだけで、ぐっと読みやすくなります。

あと、細かいようですが、作成日は応募のたびに更新してください。 何か月も前の日付のままだと、それだけで見え方が変わってしまいます。もったいないところです。

自分では判断がつかないときは


自己PRは、自分で書いたものを自分で評価するのが、いちばん難しいところです。書いた本人にとっては当たり前の経験が、読む側からするといちばん聞きたい話だった、ということがよくあります。

かがり事務所では、採用担当として21年、実際に書類を見てきた立場から、職務経歴書の添削と作成を承っています。どこを直すかだけでなく、なぜそこを直すのかを添えてお返しします。

詳しい内容は、下記のサービスページをご覧ください。

サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す