面接の直前、手元の職務経歴書を見返しながら、
「自己PR欄の文章を、そのまま口頭で話せばいいのだろうか」と
迷った経験はありませんか。
文章をそのまま丸暗記して話すと、
どこか堅苦しくて説明くさくなってしまう気がする。
一方で、まったく違う話を用意すると、
「書類と内容が違う」と思われるのではないかと不安になる。
結局、職務経歴書の文章をそのままなぞって話し、
面接官の反応が淡々としたまま終わってしまう人は少なくありません。
2.なぜ書類と同じ自己PRを話すと不自然になるのか
同じ内容を話しているのに違和感が生まれるのは、
「目で読む文章」と「耳で聴く言葉」の構造が、
根本的に異なるからです。
職務経歴書の自己PR欄は、
面接官が黙読して実績やスキルの詳細を確認するための書き物です。
そのため、名詞や専門用語が多く、一文が長くなりがちです。
しかし、その書き言葉のまま面接で話してしまうと、
情報が詰まりすぎていて相手の頭に入りづらくなります。
面接官は「書類を丸読みされている」と感じ、
会話としてのキャッチボールが途切れてしまうのです。
3.先に答えを言います
職務経歴書と面接の自己PRは、伝える「軸」は同じで構いません。
つまり、話のテーマは揃えつつ、
「読む文章」から「聴く会話」へとカタチを変えることが必要なんです。
4.職務経歴書の自己PRを面接用に変換する具体的なポイント
まず、自己PRの骨組みとなるキーワードを一つに絞ります。
書いた実績の中から、
一番伝えたい「自分の強み」をワンフレーズで取り出します。
次に、文章特有の堅い表現を、日常の話し言葉に崩します。
「〜の推進に尽力いたしました」といった報告調を、
「〜に取り組んできました」という自然な語り口に変えていきます。
そして、話の順番を「結論から」に並べ替えます。
書類では背景から順を追って書くことも多いですが、
面接では「私の強みは〇〇です」と結論を先に述べることで、
聞き手が話の目的地を理解できるようになります。
最後に、「なぜその行動をとったのか」をひとこと添えます。
書類に書ききれなかったきっかけや思いが入ると、
人柄が伝わるエピソードに変わります。
つまり、テーマを絞り、話し言葉にし、結論から話して理由を添える。
この手順を踏むことで、書類の丸暗記から抜け出せます。
5.資料を作る側から見た「読む文章」と「聴く言葉」の本音
企画書や資料のデザインを3年やってきた立場から言うと、
紙で見せるテキストと、口頭で説明する言葉は、
役割を分けて作るものです。
配布する資料は、相手が自分のペースで
じっくり文字を追う前提で作ります。
そのため、正確な用語や詳細な数値を盛り込むことが大切です。
しかし、プレゼンの場でその資料の文面をそのまま読み上げられると、
聞き手は目と耳の両方から同じ情報が入ってきて、
かえって集中できなくなります。
面接における自己PRも、まったく同じ構造です。
職務経歴書はあらかじめ目を通してもらうための「書き物」であり、
面接での自己PRは、耳で聴いて納得してもらうための「対話」です。
つまり作る側から見ると、伝える実績や強みが同じでも、
文字か音声かに合わせて届け方を変えることが、
相手の記憶に残る一番の方法なんです。
6.例:経理職の自己PRを「書く文章」から「話す言葉」に変えてみる
例えば、経理職の方が職務経歴書に次のように書いていたとします。
【職務経歴書の文章(読む用)】
「経理として月次決算の迅速化と業務フロー改善に注力してまいりました。
従来マニュアル化されていなかった伝票処理手順を体系化し、
各部署との連携を強化した結果、
決算スケジュールを従来の5営業日から3営業日に短縮することに成功いたしました。」
これを面接用の「聴く言葉」に変換します。
【面接での話し言葉(聴く用)】
「私の強みは、周りと協力しながら業務のムダを減らすことです。
前職の経理では、月次決算を早める取り組みをしました。
伝票の確認で手戻りが多かったので、
各部署が迷わず申請できるシンプルな手順書を作りました。
周りに声をかけながら運用を続けたところ、
5日かかっていた決算を3日に短縮できました。
御社でもこの巻き込む力を活かして、
管理部門の効率化に貢献したいと考えています。」
実績の中身は同じです。
それでも、面接官の耳にすっと入る話に変わります。
7.職務経歴書と面接の自己PRに関する補足知識
面接用の自己PRは、必ず声に出して確認してください。
字面では自然でも、口に出すと言いにくい部分が見つかります。
そこは、話し言葉に崩しきれていない箇所です。
また、「書類に書いてあること以外で自己PRしてください」
と言われることもあります。
メインとは別に、サブのエピソードを1つ用意しておくと安心です。
話す順番に迷いやすい方は、
強みと実績を短く整理した資料を手元に用意しておくのも一つの方法です。
面接官と同じものを見ながら話せるので、
話が脇道にそれにくくなります。
8.まとめ
職務経歴書と面接の自己PRは、軸を同じにして、カタチを変えるのがコツです。
文字で書いた実績を、
面接官の耳に届く「話し言葉」に打ち直してみてください。
応援しています。