内定通知書の書き方と例文5パターン|採用通知書との違い・記載事項も解説

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ビジネス・マーケティング
内定を出したのに、辞退された。

採用を兼務している方なら、一度は経験があると思います。時間をかけて選考して、社内の合意も取って、ようやく「この人だ」と決めた。それなのに、返ってきたのは辞退の連絡だった。

理由はいろいろありますが、実は書面と連絡の出し方で防げるものもあります。

スタートアップ・中小企業4社で人事を21年担当し、内定通知を出すのは私の仕事でした。この記事では、実際に出していた立場から、内定通知書に何を書くかと、出すときに気をつけていたことをお伝えします。

例文は5パターン、そのままお使いいただける形で載せています。

内定通知書と採用通知書の違い


まず、名前の話から整理させてください。ここが混乱の元になっているからです。

内定通知書と採用通知書は、法律で様式が定められているものではありません。どちらを使わなければいけない、という決まりもありません。実務では、次のように使い分けられていることが多いです。

内定通知書: 正社員・新卒など、通知から入社日まで期間があるとき
採用通知書: アルバイト・パート・契約社員など、すぐに働き始めるケース

厳密な区別ではありません。会社によっては全部「採用通知書」で統一しているところもあります。どちらでも問題はありませんが、社内で呼び方が混ざっていると、あとで話が食い違います。決めておくと楽です。

そしてもうひとつ、混同されやすい書類が2つあります。

労働条件通知書: 労働条件を明示するための書類。内定通知書とは別物です
内定承諾書: 内定を受ける意思を、本人から返してもらう書類

つまり、内定の場面では最大4つの書類が動きます。内定通知書で「採用します」と伝え、労働条件通知書で条件を明示し、内定承諾書で返事をもらう。 この3つが揃って、ようやく話が固まります。

とくに大事なのが、内定通知書と労働条件通知書を混ぜないことです。理由は後半でお伝えします。

内定通知書に必ず入れる5つの記載事項


私が入れていたのは、次の5つです。

1. 内定した旨と、対象のポジション

どの職種での採用なのかを明記します。複数の職種で募集していると、応募者側が「どちらで通ったのか」がわからないことがあります。

2. 入社予定日

ここは必ず入れてください。会社は入社日に合わせて受け入れの準備をします。席を用意し、備品を手配し、初日の予定を組む。日付が曖昧なままだと、その全部が動きません。

3. 労働条件は別紙で明示する

内定通知書という1枚に、給与や勤務時間を細かく書き込む必要はありません。ただし「後で渡せばいい」という意味ではないので、ここは気をつけてください。

内定によって労働契約が成立する場合は、内定の時点で労働条件を明示する必要があるとされています。内定通知書には「労働条件の詳細は、別紙『労働条件通知書』のとおりです」と書き、労働条件通知書を同封して一緒に渡すのが安全です。

内定の段階で就業場所や仕事の内容が確定しない場合は、想定される内容を包括的に示しておき、決まり次第あらためて明示するという扱いが示されています。

4. 提出してほしい書類と、その期限

卒業証明書、資格証明書、前職の離職票など、必要なものを列挙します。何をいつまでに出せばいいかがわからないと、本人は動けません。

5. 承諾の返事の期限と、問い合わせ先

問い合わせ先は、部署名ではなく担当者名で書いてください。 ここは意識していた部分です。

内定が出た後、人事は「見極める人」から「その人の味方」に変わります。何でも聞いていい相手になる。ところが宛先が「人事部」だと、相手は誰に聞けばいいのかわからず、聞かないまま不安を抱えることになります。名前と直通の連絡先を書くだけで、そこが変わります。

これは私の運用で、絶対の正解ではありません。ただ、迷ったらこの5つは入れておくと、あとから足りなくて困ることは少ないと思います。

メールで先に、書面は後から


内定の連絡を、郵送だけで済ませないでください。

書面を作り、上長の押印をもらい、封筒に入れて投函する。届くのは数日後です。その数日のあいだに、他社で決まってしまうことがあります。

私がやっていた順番はこうです。

1. 最終面接の結果が出たら、即日から2営業日以内にメール(または電話)で一報を入れる
2. そのうえで、書面の内定通知書を郵送する
3. 内定承諾書を返してもらう
4. 受け取ったら、受諾の御礼を送る

口頭やメールで先に伝えて、書面は後から。これで待たせる時間がなくなります。

なお、この一報のメール文面については、別の記事でまとめてご紹介しています。


内定通知を出すタイミング


不採用通知とは、考え方が逆になります。

不採用通知は、私は少し寝かせる派でした。面接の翌日に届くと、受け取る側にはこたえるからです。

内定通知は、寝かせません。 できるだけ早く出します。

理由は単純で、迷っている時間が長いほど、他社の選考が進むからです。優秀な方ほど複数社を並行して受けています。内定が2社重なって条件がほぼ同じだったとき、最後の決め手になるのは、やりとりの温度感だったりします。

不採用通知の出し方については、こちらの記事に書いています。


もうひとつ、出す前に必ずやっておきたいことがあります。決裁者の合意を、内定通知を出す前に取っておくことです。

現場と人事が「この人でいこう」と揃っていても、最終決定者が別の見方をすることがあります。私が経験したケースでは、実務能力は申し分なかった方が、転職回数を理由に最終で落ちました。現場と人事は「実務ができるか」で見ますが、決定権を持つ人は「定着するか」「今いる社員と合うか」で見ます。見ている軸が違うのです。

内定通知を出してから覆すのは、絶対に避けたい事態です。社内の合意を先に固めてください。

送信・投函の時間帯は、平日の日中にしてください。早朝や深夜、休日に届く連絡は、それだけで印象を損ないます。

そのまま使える内定通知書の例文5パターン


【 】の部分を置き換えてお使いください。

【1】内定通知書(中途採用・正社員)

令和【 】年【 】月【 】日

【氏名】 様

【会社名】
代表取締役 【代表者名】

採用内定通知書

拝啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。

このたびは、弊社の採用選考にご応募いただき、誠にありがとうございました。

慎重に選考を重ねました結果、【氏名】様を採用内定とすることに決定いたしましたので、ここにご通知申し上げます。

つきましては、下記のとおりご案内いたしますので、ご確認のうえ、お手続きくださいますようお願い申し上げます。

敬具


1. 採用予定職種 【職種名】
2. 入社予定日  令和【 】年【 】月【 】日
3. 労働条件   労働条件の詳細につきましては、別途「労働条件通知書」にてお知らせいたします
4. ご提出書類  【必要書類】 提出期限:令和【 】年【 】月【 】日
5. ご返信    同封の「内定承諾書」にご記入のうえ、令和【 】年【 】月【 】日までにご返送ください
6. お問い合わせ先 【部署名】 【担当者名】 電話:【 】 メール:【 】

以上

【2】内定通知書(新卒採用)

新卒の場合は、入社日まで期間が空くこと、卒業が前提になることが違います。

令和【 】年【 】月【 】日

【氏名】 様

【会社名】
代表取締役 【代表者名】

採用内定通知書

拝啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。

このたびは、弊社の採用選考にご応募いただき、誠にありがとうございました。

慎重に選考を重ねました結果、【氏名】様を令和【 】年度入社の採用内定者とすることに決定いたしましたので、ここにご通知申し上げます。

なお、本内定は、令和【 】年【 】月に【学校名】を卒業されることを前提としております。

入社までのあいだに、内定者向けのご案内を差し上げる予定です。ご不明な点がございましたら、下記までお気軽にお問い合わせください。

敬具


1. 採用予定職種 【職種名】
2. 入社予定日  令和【 】年4月1日
3. 労働条件   労働条件の詳細につきましては、別途「労働条件通知書」にてお知らせいたします
4. ご提出書類  卒業見込証明書、成績証明書、【その他】 提出期限:令和【 】年【 】月【 】日
5. ご返信    同封の「内定承諾書」にご記入のうえ、令和【 】年【 】月【 】日までにご返送ください
6. お問い合わせ先 【部署名】 【担当者名】 電話:【 】 メール:【 】

以上

【3】採用通知書(アルバイト・パート・契約社員)

すぐに働き始めるケースです。堅すぎない文面にしています。

令和【 】年【 】月【 】日

【氏名】 様

【店舗名・会社名】
【責任者役職】 【責任者名】

採用通知書

このたびは、【店舗名・会社名】の【職種名】の募集にご応募いただき、誠にありがとうございました。

選考の結果、【氏名】様を採用させていただくことに決定いたしましたので、ご連絡申し上げます。

つきましては、下記のとおりご案内いたします。ご不明な点がございましたら、【担当者名】までお問い合わせください。


1. 採用職種   【職種名】
2. 勤務開始日  令和【 】年【 】月【 】日
3. 勤務条件   勤務時間・時給などの詳細は、別途「労働条件通知書」にてお知らせいたします
4. 初日のご案内 【時刻】に【集合場所】へお越しください。【持ち物】をご持参ください
5. ご提出書類  【必要書類】
6. お問い合わせ先 【担当者名】 電話:【 】

以上

なお、パート・有期雇用で働く方への労働条件の明示事項は、2026年10月1日から1つ追加されます。「待遇の相違の内容・理由等について説明を求めることができる」旨を明示することが必要になり、これは新たに雇い入れるときだけでなく、労働契約を更新するときも対象です。この文面をお使いになる際は、労働条件通知書のほうの様式が最新かどうかを、あわせてご確認ください。

【4】条件付き内定通知書

卒業や資格の取得が前提になるときの文面です。条件は必ず書面に残してください。口頭だけで伝えると、後で「聞いていない」という話になります。

令和【 】年【 】月【 】日

【氏名】 様

【会社名】
代表取締役 【代表者名】

採用内定通知書

拝啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。

このたびは、弊社の採用選考にご応募いただき、誠にありがとうございました。

慎重に選考を重ねました結果、【氏名】様を採用内定とすることに決定いたしましたので、ここにご通知申し上げます。

なお、本内定は、下記の条件を満たしていただくことを前提としております。あらかじめご了承くださいますようお願い申し上げます。

敬具


1. 採用予定職種 【職種名】
2. 入社予定日  令和【 】年【 】月【 】日
3. 内定の前提となる条件
 (1)令和【 】年【 】月までに【学校名】を卒業されること
 (2)令和【 】年【 】月までに【資格・免許名】を取得されること
 (3)ご提出いただいた応募書類および面接でのご申告の内容に、重大な相違がないこと
4. 労働条件   労働条件の詳細につきましては、別途「労働条件通知書」にてお知らせいたします
5. ご提出書類  【必要書類】 提出期限:令和【 】年【 】月【 】日
6. お問い合わせ先 【部署名】 【担当者名】 電話:【 】 メール:【 】

以上

ひとつ補足させてください。条件を書面に書いたからといって、取り消しが自由にできるようになるわけではありません。

取り消しが認められるのは、内定を出した時点では知ることができなかった事情があり、かつ、その取り消しに客観的な合理性と社会通念上の相当性がある場合に限られるとされています。条件は「書いたから安心」ではなく、「あとで認識がずれないように、先に共有しておくもの」と考えてください。

【5】送付状(添え状)/同封書類のご案内

書面を郵送するときに、いちばん上に重ねる1枚です。何が入っているかと、何を返せばいいかが、これでわかります。

令和【 】年【 】月【 】日

【氏名】 様

【会社名】
【部署名】 【担当者名】

書類送付のご案内

拝啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。

このたびは、弊社の採用選考にご応募いただき、誠にありがとうございました。

先日お伝えいたしましたとおり、採用内定に関する書類をお送りいたします。ご査収くださいますようお願い申し上げます。

ご返送いただく書類がございますので、あわせてご確認をお願いいたします。

敬具


【同封書類】
1. 採用内定通知書  1通
2. 内定承諾書    1通(ご返送をお願いいたします)
3. 労働条件通知書  1通
4. 【提出書類のご案内】 1通
5. 返信用封筒    1通

【ご返送いただくもの】
・内定承諾書
・【その他の提出書類】

【ご返送期限】
令和【 】年【 】月【 】日

ご不明な点がございましたら、【担当者名】(電話:【 】/メール:【 】)までお気軽にご連絡ください。

以上

テンプレートファイルをお探しの方へ


「内定通知書 テンプレート」「採用通知書 テンプレート」で検索してこられた方も多いと思います。

このブログではファイルの配布ができません。そのかわり、上の文面はすべて全文を載せています。必要な部分をコピーして、Wordなどに貼り付け、【 】を置き換えれば、そのまま使えます。

書式を整えるときは、会社名と代表者名を右上に寄せ、標題を中央に置き、「記」以下を1行ずつ改行する。この3点だけ押さえれば、体裁は整います。

書かないほうがいい表現・やりがちな失敗


1. 労働条件を全部書き込んでしまう

いちばん多い失敗です。

内定通知書に給与額や勤務時間を細かく書くと、後から出す労働条件通知書と食い違ったときに揉めます。数字が2か所にあれば、いつか必ずずれます。内定通知書では「詳細は別紙のとおり」に留め、労働条件通知書を同封してください。

労働条件の明示については、2024年4月1日から「就業場所・業務の変更の範囲」などが明示事項に追加されています(2026年9月時点)。内定通知書を出したから労働条件通知書は不要、ということにはなりません。 最新の必要事項は、所轄の労働基準監督署や社会保険労務士にご確認ください。

2. 行政文書のような文面だけで終わる

「厳正なる選考の結果、採用内定とさせていただきます」だけの文面は、間違いではありません。ただ、それだけだと入社意欲は上がりません。

一文でいいので、面接で実際に話した内容に触れる。それだけで受け取る側の温度は変わります。

3. 承諾の期限を書かない

期限がないと、返事が来ないまま時間が過ぎます。1週間から10日程度が目安とされることが多いですが、これは実務慣行であって決まりではありません。相手の状況によっては、相談に応じる余地を残しておくほうが現実的です。

期限を過ぎたからといって、自動的に内定が無効になるわけではありません。まずは連絡を取ってみてください。

とくに新卒の採用では、内定承諾書の早期提出を強く求めることは、学生の職業選択の自由を妨げる行為(いわゆるオワハラ)に当たり得るとされています。期限は示しつつ、相談には応じる姿勢を持ってください。

4. 条件付きであることを口頭でしか伝えない

例文4のケースです。条件は必ず書面に残してください。

5. 内定は軽く取り消せると考えてしまう

ここは慎重にお願いしたい部分です。

採用内定によって労働契約が成立していると解される場合があり、その場合の内定取消は、解雇に当たるとされています。 解雇のルールがそのまま及ぶということです。「まだ入社していないから自由に取り消せる」という前提で動くと、思わぬトラブルになります。

新卒の方の内定を取り消す場合は、本人と出身学校に書面で通知し、その写しをハローワークへ送付するという手続きも定められています。要件に該当すると、企業名が公表されることもあります。

取り消しを検討する状況になったら、自己判断せず、社会保険労務士や弁護士にご相談ください。

内定辞退は起きる前提で運用する


どれだけ丁寧に出しても、辞退は起きます。

私は「それはその人の人生なので仕方ない」と思っていました。これは諦めではなく、実務の構えの話です。辞退を前提に置いておかないと、起きたときに動けなくなります。

やっておくとよいのは、次の2つです。

ひとつは、次点の候補者をどう扱うか、内定を出す前に決めておくこと。 辞退の連絡が来てから考え始めると、その方にも待たせた時間の分だけ不利になります。実際、しばらく前の募集でも、直前の辞退で枠が空いて、たまたま応募してきた方が採用になることはあります。

もうひとつは、辞退の連絡に、引き留めや理由の追及を返さないこと。 「なぜですか」「再考いただけませんか」は、相手には圧力として届きます。そしてそれは、書かれる形で残ることがあります。

辞退の連絡には、御礼と、ご活躍を願う一言で返す。それで十分です。

内定通知書は「結果通知」ではなく「口説きの一通目」


最後に、書式の話ではないことを少しだけ書かせてください。

内定を出した瞬間から、会社と本人の関係は変わります。それまでは見極める側と見極められる側でしたが、そこから先は、一緒に働くかどうかを本人が決める番です。選考の主導権が、こちらから相手に移ります。

以前、面接の日時を間違えて来なかった方がいました。電話をしたら正直に間違えたと言うので、受けたいかどうかを聞いて、日を改めて設定し直しました。その方は入社して、真面目に働き、評判も良かった。

後から聞いたのですが、その方が入社を決めた理由のひとつは、日時を間違えたときのこちらの対応だったそうです。「失敗しても、もう一度機会をくれる会社なんだな」と受け取ってくれていた。

こちらが人を見ているとき、相手もこちらを見ています。会社の対応そのものが、その会社の文化のサンプルとして伝わります。

内定通知書も同じです。事務的に処理された1枚なのか、来てほしいと思って書かれた1枚なのか。文面の温度は、案外伝わります。

採用メールの文案集をご用意しています


内定通知は、書面を出して終わりではありません。

書面を送る前の一報、承諾をいただいたあとの御礼、辞退の連絡への返信、入社前のご案内。内定を出してから初日を迎えるまでのあいだにも、文面に迷う場面は続きます。

人事21年の実務から作成した、採用メール文案集17本をご用意しています。内定通知(標準版・熱量版)、内定受諾御礼、内定辞退対応、入社前案内も収録しています。各メールに、推奨する送付タイミング、文面設計の意図、やってはいけないNGポイント、送信時間帯の注意まで記載しました。

▶【コピペで即使える】採用メール文案集17本 送付タイミング解説付き


詳しい収録内容は、こちらの記事でご紹介しています。


詳しい内容と価格は、上記のサービスページをご覧ください。

本記事でご紹介した書面の文面とあわせてお使いいただくと、内定から入社までのやりとりが一通りそろいます。

なお本記事は、一般的な実務慣行に基づくものです。労働関連法令の個別の適用については、社会保険労務士・弁護士等の専門家、または所轄の労働基準監督署にご確認ください。

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