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本棚から、心に残った一冊 第2話『夜のピクニック』

第2話は、恩田陸さんの『夜のピクニック』を選びました。高校最後の「歩行祭」で、夜通し80キロを歩く高校生たち。友情や恋、家族への思いが交差する青春小説です。この本を読んだ時、私は「言えない気持ち」について考えました。この物語は、高校の行事で、みんなで長い距離を歩く一日が描かれています。ただ歩いているだけ。大きな事件が起きるわけではありません。でも、歩いている時間の中で、登場人物たちの心が少しずつ動いていきます。誰かに言えなかったこと。ずっと気まずかったこと。本当は話したかったのに、きっかけがなかったこと。そういう気持ちが、歩きながら少しずつ見えてくる物語です。人って、立ち止まっている時よりも、歩いている時の方が、本音が出ることがあるのかもしれません。正面から話そうとすると、うまく言えないことがあります。でも、同じ方向を向いて歩いていると、少しだけ話せることがあります。顔を見ながらだと照れる言葉も、隣を歩きながらなら、ぽつりと言えることがある。そこが、この物語の好きなところです。青春って、きらきらした楽しい思い出だけではないですよね。言えなかった言葉。少し気まずい関係。本当は近づきたいのに、素直になれなかった時間。そういうものも全部含めて、青春なんだと思います。『夜のピクニック』を読んでいると、過ぎてしまった時間の中にも、ちゃんと意味があったのかもしれないと思えます。遠回りしたこと。うまく話せなかったこと。少し傷ついたこと。その時は苦しかったことも、あとから振り返ると、自分にとって大切な時間だったのかもしれません。この本は、何かを急いで解決する物語ではありません。歩く速さで、気持
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