【「やっくん」久木弥九蔵:著 第4回】
今月末まで、過去のブログを一部修正を
施した上で再掲載とさせていただきます。
本日は、初期の名作、久木弥九蔵自叙伝
「やっくん」全7回の第4回目をお届け。
前回のブログも併せてご覧くださいませ。
──────────────────── 就職は随分悩んだ。自分の如き昔気質の
不器用者に普通の勤め人など務まる筈も
なく、一度きりの人生、平凡な生き方を
したくないという気持ちも大いにあった。
できれば、舞台の上で何かやりたかった。
だが、結局は、夢と飯を秤にかけて飯を
取り、「親が今まで子を育ててきたのは、
そのためではない」と自分に言い訳した。
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そうまでして普通の勤め人にはなったが、
やはり、不本意な人生を送っているのだ、
という気持ちがいつもあるため、何かが
あると抑えられず、何故だか数年おきに
何らかの衝突が訪れる度に、私は留まる
選択を避けた。そこまでして守るものが
なかった。最初の就職先で後輩の女性に
愛されているのを知りながら、子供の頃
からの自己肯定感の低さ故に恋愛にまで
進めなかったことと、上層部との衝突が
時期的に一致して、これ以上こんな目に
遭い続けていてはいけないと強く思った
ことで五年かけて築いた地位をあっさり
捨てたということがあったが、ここでの
展開が違ったものであったら、その後の
人生は、全く変わっていた筈なのである。
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今宵はここまで。続きは明日のブログで。
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