田舎の良さと苦しさのあいだで
田舎の良さと苦しさは表裏一体だと思う。近所の人が気にかけてくれる。 野菜をもらったり、困ったときには助けてもらったりする。誰かが体調を崩せば心配してくれるし、久しぶりに帰省すれば「帰ってきたの?」と声をかけてもらえる。そんな温かさがある。でもその温かさは、ときに息苦しさにも変わる。みんながお互いを知っているからこそ、知られたくないことまで伝わってしまう。「最近どうしてるの?」 「どこに勤めてるの?」 「子どもは元気?」何気ない会話なのかもしれない。だけど、人生には人に説明したくない時期もある。そっとしておいてほしい時もある。それでも田舎では、人との距離が近い分だけ、自分のことも自然と見られている。それがしんどいと感じる時間が私は長かった。この田舎に住んで10年、やっと自分なりにこの土地で心地よく過ごせるようになってきたように思う。匿名では過ごせない田舎で心地よく過ごすために私に必要だったのは、自分と向き合うこと、人との境界線を引くこと、安心できる場所を手に入れることだった。①自分と向き合うこと田舎では愚痴を言うことが難しい。できなくはないが、誰がどこで繋がっているのか分からないという見えない圧が私の口から愚痴を言うことを奪った。日々の中で生まれる、ムカつくことやネガティブな気持ちを出すことができなくなった私は苦しくなった。結果、辿り着いたところは自分と向き合うことだった。なんでイライラするのか?本当はどうしたいのか?内観する方法を学び、自分と向き合う時間が増えていった。そんな風に過ごす中で、誰かに愚痴らなくても自分のなかで消化する方法を手に入れた。②人との境界線を引くこと自分と
0