キャラメルじいさんの生き様
小学生の頃学校終わりに、公園で野球やサッカーをして遊んでいるとどこからかふらーっとやってきて【森永製菓のハイソフトキャラメル】を無言で一箱差し出すおじいさんがいた。小柄で細身70代くらいの白髪でいつもニコニコしているどこにでもいるようなおじいさん。友達の誰ひとりとしておじいさんの肉声は聞いたことはなく、無言でこどもたちへキャラメルを支給していた。こどもながらに初めて受け取ったときは、未開封の箱に入っているとはいえ"毒"が入っているかもしれないと、警戒。「知らない人について行ってはイケナイ。お菓子もダメ」母からの教え、約束を破る日がやってきた。葛藤している自分を横目に箱を取り上げた同級生の食いしん坊のひとりがパクッと一粒。時間差で訪れるかもしれない、"毒"への恐怖。結局、数時間経っても彼は体調を崩すことなくついに一箱平らげてしまった。何ともなかったので、それからは当たり前のようにおじいさんからキャラメルを受給。その場でみんなで分け合って食べるようになった。中学生になると部活やら、彼女やら転校する友達も出てきてその公園で遊ぶことはなくなった。街中でキャラメルじいさんを見かけることも、不思議となくなった。それから数年が経ち、成人式でその時遊んでいたメンバーと再会。昔話に花が咲き、キャラメルじいさんのことが気になり聞いてみた。友達のひとりがあっけらかんと話し始めた。「あぁ、キャラメルじいさん。実はあのキャラメルってスーパーで万引きしてたっぽい。ボケてたみたいで本人は万引きの自覚もないらしいんだけど、そんなことを母さんから聞いたことあるわ」人生はいつもキャラメルのように甘くはない。時には
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