0と1になった後の世界 ― コンピューターが「計算する」「記憶する」仕組み
はじめに前回は、コンピューターが扱う「0」と「1」が、そもそもどこからやってくるのか――波や電気という物理現象がその土台になっている、という話をしました。今回はその続きです。「電気が流れている(1)」「電気が流れていない(0)」という、たった2つの状態さえ用意できれば、コンピューターはそこから複雑な計算をこなし、さらに計算した結果を記憶しておくことまでできてしまいます。よく考えると、これは結構不思議なことです。単純なスイッチのON/OFFだけで、どうやってそこまでのことができるのでしょうか。この記事では、次のような順番で、できるだけ具体例を交えながらゆっくり見ていきます。トランジスタという「スイッチ」の正体0と1を並べて「数」や「文字」を表す仕組みスイッチの組み合わせだけで「計算」ができてしまう理由何十億個ものスイッチを、実際にどうやって作っているのか電源を切っても消えない記憶と、切ると消えてしまう記憶の違いメモリを少しでも高速化するための工夫普段なにげなく使っているパソコンやスマートフォンの中で実際に何が起きているのかが分かると、コンピューターというブラックボックスの解像度が一段階上がります。これからITエンジニアを目指す方にとっても、ここで登場する「ビット」「論理回路」「メモリ」といった言葉は、この先何度も出会うことになる基礎知識です。少し長くなりますが、焦らず付き合ってみてください。トランジスタという「小さすぎるスイッチ」コンピューターの中には、電気の通り道を「開ける」か「閉じる」かを、恐ろしく高速に切り替えられる部品が、何十億個も敷き詰められています。これが「トランジス
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