親の最期に正解はない。
薄明かりな部屋で、スマホを握りしめていた。側には、がんを患う母親が眠っている。大切な人が衰弱していく姿を目にすることはとても辛すぎる。訪問看護師さんは言う。「今は無理に食べさせなくても大丈夫ですよ。」でも娘としては思ってしまう。本当に?何かできることがあるんじゃないの?点滴は?病院に戻した方がいいの?私はどうすればいいの?頭の中を色んな言葉が、ぐるぐる回る。誰にも言えない。弱音を吐いたら、親不孝な娘になってしまう気がするから。でもね。在宅介護を経験した人の多くが、実は同じことで悩んでいる。私自身もそうだった。父は病院で看取った。入院中、何度も「家に帰りたい」と言っていた。その言葉を聞くたびに、あの時、連れて帰るべきだったのかな?そんな思いが今でも胸をよぎる。だから、母の時は在宅介護を選んだ。仕事を辞め、母との時間を最優先にした。排泄介助なんてやったこともない。ネットを見ながら必死に覚えた。訪問看護が帰った後は、すべて自分で判断しなければならない。怖かった。不安だった。何度も泣いた。投げ出したくなった日もあった。医療用の経腸栄養剤のラコールのコーヒー味を飲んで、「美味しい」といって母は、少しだけ笑った。その笑顔を見ると、心が張り裂けそうな思いになった。ずーっと、ずーっとこのまま一緒にいたい。母がいない未来なんて私にはいらない。逝く時は私も一緒に連れていってほしい。そう感じていた。だから私は今でも思う。在宅介護を私は選んで良かったと。でも同時に、誰にでも勧められる正解だとは思わない。病院で看取るのも正解。施設を利用するのも正解。在宅介護を選ぶのも正解。本当に大切なのは、「あなたが壊
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