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第3回認知症の人を“問題行動”で見ない

行動の奥にある困りごと認知症のある方と暮らしていると、家族が戸惑う場面は少なくありません。「何度言っても同じことを聞いてくる」「財布を盗られたと言い出す」「家にいるのに『家に帰る』と言う」「突然、怒ったような態度をとる」「外に出て行こうとする」こうした行動が続くと、家族は疲れてしまいます。「どうしてこんなことをするのだろう」「困った行動ばかりするようになった」「以前の親とはまるで別人のようだ」そう感じてしまうこともあるでしょう。でも、ここで少し立ち止まって考えてみたいことがあります。私たちから見れば「困った行動」に見えることも、本人から見れば、何かに困った結果として起きている行動なのかもしれない、ということです。認知症の方を「問題行動をする人」として見るのではなく、「この人は今、何に困っているのだろう?」と考えてみる。その視点が、本人への理解を深める大切な第一歩になります。「何度も同じことを聞く」のは、困らせたいからではないたとえば、こんな場面があります。「今日、病院に行くんだっけ?」家族が答えます。「病院は明日だよ」ところが、10分後。「今日、病院に行くんだっけ?」また同じ質問です。さらに少しすると、「病院は今日だったかな?」家族としては、「さっき言ったでしょ」「何回同じことを聞くの?」と言いたくなるかもしれません。しかし、本人にとっては、10分前に質問したこと自体を覚えていない可能性があります。さらに、「病院はいつだっただろう」「忘れてしまった」「間違えたらどうしよう」という不安を感じていることもあります。本人は家族を困らせたくて何度も質問しているわけではありません。不安だ
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第2回 認知症になると何もできなくなるは本当か?

できることは、まだ残っている認知症と聞くと、「何も分からなくなる」「何もできなくなる」「家族が全部やってあげなければならない」というイメージを持つ方は少なくないと思います。確かに、認知症になると、記憶力や判断力、段取りを考える力などに変化が起きることがあります。これまで当たり前にできていたことが、少しずつ難しくなる。同じことを何度も聞く。予定を忘れる。物の置き場所が分からなくなる。料理や買い物、薬の管理が不安になる。家族から見ると、「前はできていたのに...。」「もう一人では無理なのではないか?」「危ないから、全部こちらでやった方がいいのではないか?」と感じる場面も増えていきます。しかし、ここで大切なのは、「できないことが増えること」と「何もできなくなること」は同じではないという視点です。認知症になったとしても、本人の中には、まだできること、分かること、感じ取れること、楽しめることが残っています。「できないこと」ばかりを見ると、本人の力が見えなくなる家族は、どうしても心配な場面に目が向きます。火の消し忘れがあった。通帳の場所が分からなくなった。薬を飲み忘れた。同じ食品を何度も買ってきた。約束の日を間違えた。こうした出来事が続くと、家族は不安になります。当然です。ただ、その不安が強くなるほど、本人の「できないこと」ばかりを見てしまいやすくなります。でも、本人にはまだ残っている力があるかもしれません。花に水をあげることはできる。洗濯物をたたむことはできる。昔から作っていた味噌汁なら作れる。近所の人にあいさつできる。好きな歌を口ずさめる。孫の顔を見るとうれしそうに笑う。毎朝の散歩は続
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