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ささやかな「ただいま」を祝う

導仁です。一日が終わって、家に帰ってきたとき。ドアを閉めた瞬間、体からふっと力が抜けることはありませんか。大きな達成があった日じゃなくても。誰かに「すごいね」と褒められたわけじゃなくても。それでも、「今日もなんとかここまで来た」という安堵だけは、静かに胸のどこかに積もっていないでしょうか。日々の中で、私たちは「ゴール」と呼べるような分かりやすい地点ばかりを、つい目で追いがちです。合格したら。転職できたら。結婚したら。引っ越ししたら。たしかに、それらは人生の節目として分かりやすいし、そこまで頑張ってきた自分を讃えたくなる出来事です。でも実際には、そういう節目の「手前」にあるたくさんの小さな通過点を、私たちはほとんど祝わずに通り過ぎてしまいます。今日、休まずに仕事へ向かったこと。途中で投げ出したくなりながらも、その場にいることを選んだこと。誰かにきつい言葉をぶつけたくなった瞬間を、一度飲み込んだこと。そういう、誰にも見えていない選択の積み重ねで、今夜の「ただいま」ができています。夜、帰ってきて部屋に灯りをつけるとき。そこは、世界でいちばんの絶景でなくていいのだと思います。少し散らかっていても、完璧なインテリアじゃなくても、理想の暮らしからはまだ遠いとしても。「ここに戻ってこられる」と思える場所は、それだけで、じゅうぶん特別です。その場所の空気の中には、これまでの自分が選び続けてきたものが、たくさん紛れ込んでいます。選んだ仕事、続けてきた関係、守ろうとしてきた生活。うまくいかなかったこともあるし、後悔もあるかもしれない。それでも、今日もこの部屋に灯りをつけたという事実は、今までのすべ
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