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第4回 フォークソングが歌った「優しさの時代」

『同棲時代』が若者たちの心を掴んだ理由は、漫画やドラマだけではなかった。そこには時代の空気を見事に映し出した音楽の存在があった。主題歌『同棲時代』を歌ったのは大信田礼子。その透明感のある歌声は、多くの若者たちの胸に静かに染み込んでいった。昭和40年代後半。街にはフォークソングが流れていた。それまで若者文化の中心にあったのは、政治や社会への怒りや抗議だった。大学のキャンパスにはヘルメット姿の学生たち。バリケード封鎖。デモ行進。「世の中を変えるんだ」そんな熱気が渦巻いていた。しかし時代は変わる。学生運動は次第に力を失い、多くの若者たちは現実へと戻っていった。革命の夢は終わった。だが、心に残った傷は消えない。その時、若者たちは別のものを求め始める。それが「優しさ」だった。吉田拓郎の歌が流れた。井上陽水が孤独を歌った。かぐや姫が神田川の六畳一間を歌った。学生たちは酒場でギターを弾き、下宿の部屋でレコードを聴き、恋人と未来を語り合った。そこにあったのは大きな理想ではない。身近な幸せだった。好きな人と一緒にいること。同じ鍋をつつくこと。寒い夜に肩を寄せ合うこと。そんな小さな幸福が尊かったのである。『同棲時代』の主人公たちもまた、その象徴だった。豪華なマンションではない。高級車もない。将来の保証もない。それでも二人で暮らしている。その姿は、当時の若者たちの理想そのものだった。今から見ると決して豊かではない。しかし不思議な温かさがある。物がなくても夢があった。不安があっても希望があった。フォークソングは、そんな若者たちの心を代弁していたのである。そして『同棲時代』という作品もまた、フォークソン
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