認知症介護に「マニュアル」は存在しない。プロが毎日「正解」を疑う理由。
認知症介護の悩み「昨日はあんなに穏やかだったのに、今日はどうして……」
「本に書いてある通りに接しているのに、うまくいかない」
認知症のご家族を介護されている方から、そんな切実なお悩みを聞くことがよくあります。
実は、33年現場にいる私からお伝えしたいのは、「認知症ケアに、誰にでも当てはまる正解はない」ということです。
身体介護と認知症介護の違い身体介護と認知症ケアの決定的な違いは、身体的な障がいをお持ちの方の介護には、ある程度の「正解」があります。「左半身が不自由だから、車椅子へはこの角度で移乗しよう」といった動きは、マニュアル化が可能で他の方にも応用がききます。
しかし、認知症の方は違います。
たとえ同じ「アルツハイマー型」という診断名であっても、その方が歩んできた人生、大切にしている価値観、もともとの性格は一人ひとり全く異なります。だからこそ、Aさんにうまくいった方法が、Bさんにも通用するとは限らないのです。プロの介護士が考えていること「昨日」が通用しないからこそ、プロの力が試される。もっと言うと、同じお母様、お父様であっても、その日によって状態は変わります。体調が良い日、気分が乗らない日、朝と夕方でもご本人の世界は変化し続けています。つまり、介護者は常に「今のこの人にとっての最善は何か?」をその場その場で考え、行動を変化させていかなければなりません。
私たちプロの介護士にとっても、認知症ケアは最も難しく、かつ最も奥が深い分野です。
マニュアルをなぞるのではなく、その瞬間の変化を読み取り、最適な答えをオーダーメイドで作り出せる人こそが、本当のプロだと思って
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