新学期と失恋と
この季節になると思い出すことがある。桜を見ても、桜が散って新芽がでる季節になっても、桜なんか綺麗でも仕方がない。緑が綺麗だって仕方がない。だって大好きな○○(あの人)は、もうそばにいない。そう思っていたあの時。毎日毎日がしんどくて、体が重たくて、家で寝ていたいのに。それでも、○○には会いたかった。見ていたかった。○○が、新しく出来た彼女とベンチに座って二人仲良くじゃれ合ったり、大学のキャンパスから、二人仲良く自転車に乗って帰っていく姿を目にして、私は身悶えた。二人、もう半ば同棲をしていると彼の友人から聞いていた。こんな時、自分の興味のある何かは急激に色あせ、世界がひっくり返る。友人からの慰めはもちろん、日常会話でさえも、こなすのが精いっぱいになる。失恋だけじゃない。学生の時のクラス替え表を目にして、つるめそうな友人がいなくて感じた恐怖。社会人になって「この会社でやっていける気がしない」と絶望的な足取りで会社に向かう時。今の季節、私がかつて感じてきたような思いを抱える人が、たくさんいると思う。慰めたって何にもならない事は、よく知っている。桜も緑も、くそ食らえだよね。でもね、あなたは大丈夫だよ。きっと大丈夫。大丈夫じゃなくても、きっと大丈夫なんだよ。ただ、そう伝えたい。「うるさい、お前なんかくそ食らえだ。○○を返せ!」って、当時の私が凄い顔をして、今の私を睨みつけてくるけれど。
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