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【阪田和典】砂粒が逆流した朝の気づき

今朝、デスクの端に置いていた砂時計をなんとなくひっくり返したら、砂の落ちる速度がいつもより少し遅い気がした。もちろん実際にはそんなことはないはずなのに、なぜかその一瞬だけ、時間の粘度が変わったように感じてしまった。そこから妙な想像が始まった。もし自分が仕事で扱っているプロジェクトも、こんな風に「流れ方そのものが日によって違う」ように見えているだけなのではないかと。流れが早いと焦る。遅いと不安になる。だけど本当はただ、自分の視点の高さや角度が変わっただけかもしれない。砂の量は変わらない。重力も裏切らない。ただ、自分の気持ちだけが勝手に波立つ。その感覚が、最近やたらと仕事に当てはまるようになってきた。特に新しいサービスの構想を練っている時、時間の感覚はいつも乱れる。ひらめきが出ると一瞬で砂が落ち切ったように思えるし、考えが止まると上のガラスに砂が貼りついたように見える。だけど実際は、何も止まっていない。ただ見え方が変わっただけ。その当たり前のことを、なぜか今日の砂時計は強烈に訴えてくるようだった。自分が焦っても躊躇しても、砂は落ち続ける。そこに余計な意味をつけるのはいつも自分だ。だから最近は、プロジェクトの進捗が読みにくくなった瞬間、あえて手を止めて、小さな砂粒が落ちる音を想像する。そして「まあ落ちるべきところに落ちるよな」と呟く。すると少しだけ呼吸が整う。今日の砂時計は、ただのガラス容器ではなく、自分の思考の速度計みたいなものだったのかもしれない。その視点に気づいた瞬間、砂がまた滑らかに流れ始めた気がした。
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