好きな人の気持ちが、見えない
ニッコウキスゲという花を、知っていますか。
梅雨明けの山の斜面に、ふわりと咲く黄橙色の花です。澄んだ朝の空気の中で、すっと背筋を伸ばして立っている姿は、どこか凛としていて、でもどこかあたたかい。見ていると、なんとなく胸がゆるんでくるような、そんな不思議な花なんです。
でも、ニッコウキスゲには少し切ない秘密があります。
この花、お昼ごろに開いて、夕方にはもうしぼんでしまうんです。一日しか咲かない。だからこそ花言葉は「日々新たに」と「心安らぐ人」毎日毎日、新しい花を咲かせながら、ただそこにいるだけで誰かをほっとさせる。そういう意味が込められているそうです。一日限りの命を持ちながら、次の日もまた咲く。その繰り返しの中に、何か大切なことが隠れているような気がして、わたしはこの花のことが好きです。
あなたは今、毎日をどんなふうに過ごしていますか。
好きな人のことが頭から離れなくて、昨日と同じ場所でまた立ち止まっているそんな日が続いていませんか。「もう忘れよう」と思いながら、明日になるとまた同じことを考えている。ニッコウキスゲが毎日花を咲かせるように、あなたの気持ちも、消えようとして消えない。
それはきっと、弱さじゃないと思うんです。
少し前のことになりますが、こういう相談がありました。
三年間、好きだった人がいたそうです。一度は交際したけれど、うまくいかなくて別れた。それからも連絡を取り合って、ご飯に行ったり、気が向くと会ったりして、でも相手はいつも「友達として」という言葉を使う。はっきりとした言葉がなくて、どっちつかずの関係がずっと続いていたそうです。
「もう気持ちを整理した方がいいの
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