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「心と体の健康入門⑮」~「ストレス・フリー」から「自然治癒力」増強へ~

(5)「誰かのため、何かのために生きる」人は不思議とうまくいく ③「運がいい人」といつも一緒にいましょう 「運がいい人」~「逆境の哲学」(向上心・忍耐力・吸収力の3能力、自己分析の技法、「時」に対するカン)を持ち、「たくさんの人からの助け」(発展的人間関係の構築)が得られ、「出会い」(「一期一会」、意味・意義)を大事にする人と言ってもよいでしょう。  例えば、「経営の神様」松下幸之助なども死ぬ前に慈善事業へ500億円寄付したことで知られます。松下幸之助は人相は決していい方ではありませんが、「自分はとても運がいい」と確信し、「経営者が単に自分の会社の利益だけを考える態度は本来的に間違っている。企業の存在する社会や国家、国際社会との共存共栄を抜きにして企業の繁栄はありえない。ビジネス活動を通じて社会の平和と幸福を実現しよう」と事業を進めたことに特徴があります。ちなみに松下幸之助は採用面接試験時に「あなたは運がいい方ですか?悪い方ですか?」と訊ね、「運はいい方です」と答えた人を優先的に採用したことがあると言います。萩本欽一も弟子を採用する時にやはり「自分は運がいいと思うか、悪いと思うか」と聞き、「運がいいと思う」と答えた人を採ったそうです。なぜなら、「運が悪い」と思っている人はせっかくチャンスがめぐってきても、それをモノにすることができないからであるというのです。「運も実力のうち」ということですね。 発展型の性格の三要素~「忍耐力」「吸収力」「向上心」の3つが揃えば、「発展型の性格」が生まれます。孤独でもさえなくても実績ゼロでも耐え抜ける「忍耐力」のある人、誰からでも学ぶことが出来る
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「心と体の健康入門⑭」~「ストレス・フリー」から「自然治癒力」増強へ~

(5)「誰かのため、何かのために生きる」人は不思議とうまくいく ②「何のために生きているか」でその人の「運のレベル」「器」が決まる 小事を成すのは力量であり、大事を成すのは運である~例えば、都道府県議会・市町村区議会議員になるのは「実力」があればいいわけですが、国会議員になるには「運」が必要であり、その受け皿となる「器」が必要であると言います。 ①「聖人」=世界のために生きる人です。「天運」の領域と言ってもよいでしょう。イエス=キリスト、ガウタマ=シッダッタ、孔子、ムハンマドの4人を特に「四大聖人」と呼びます。ソクラテスは哲学者なので、「哲人」ではありますが、「聖人」のカテゴリーには入りません。内村鑑三が信念として掲げていた「二つのJ」で、「I for Japan; Japan for the World; The World for Christ; And All for God.」(私は日本のために、日本は世界のために、世界はキリストのために、全ては神のために)と述べられているように、これより上は「神のために生きる人=神の子」となります。 ②「義人」=国家のために生きる人です。「国運」の領域と言ってもよいでしょう。特に国家・君主への忠義を「大義」と呼びます。アメリカ独立革命に大きな影響を与えたパトリック・ヘンリーの演説や、朝鮮王朝への協力を拒んで高麗王朝への忠義を貫いた鄭夢周(チョンモンジュ)の「丹心歌」などが想起されます。 「Is life so dear, or peace so sweet, as to be purchased at the price of cha
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「心と体の健康入門⑬」~「ストレス・フリー」から「自然治癒力」増強へ~

(5)「誰かのため、何かのために生きる」人は不思議とうまくいく ①突き詰めれば、最後に残るのは「努力」を超えた「運」である 天命思想~「運命」「宿命」「天命」の三段階を「看命」「知命」「立命」の三段階で認識・把握・実現していきます。 ①「運命」=後天的要素。人生行路及び家庭環境が原因的要素となり、可変的です。 ②「宿命」=先天的要素。遺伝要因や家庭環境が原因的要素となり、不変的です。 ③「天命」=天が与えた使命(ミッション)です。「自分はこのために生まれて来た」という自己の存在の本質に関わる部分です。 ④「看命」=自己の運命・宿命を見抜くことです。「運命方程式」や「ライフサイクル理論」が必要となります。 ⑤「知命」=自己の天命を知ることです。孔子は50歳にして天命を知ったとされるので、50歳を知命とも呼びます。 ⑥「立命」=運命・宿命を見抜いて、悪しきを抑え、良きを伸ばして、自己実現を図ることです。さらには天命を知って、その成就を図ることです。 人間関係を劇的に変えていく2原則~実際に人間関係でひどい目に会い、傷つき、挫折した人は多くいますが、どんな大変な立場を通過した人でも、必ずといっていいほど人間関係を劇的に変えていく方法が「してもらってうれしかったことは+αして人にもしてあげる」+「されて悲しかったこと、してもらえなくて悲しかったことは絶対に人にしない」という2大原則です。運命学的に言えば、開運の原則と言ってもよいでしょう。  傷ついた経験がある人ほど、人の優しさに敏感ですが、「あの時、自分の話をうんうんと聞いてくれてすごくうれしかった」とか、「この人だけが自分の良さを認
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「心と体の健康入門⑫」~「ストレス・フリー」から「自然治癒力」増強へ~

(4)「呼吸」「栄養」「運動」「想念」が健康・不健康な「自分」を作る ③結局、人間は「思った通り」の「自分」になる 「唯識瑜伽思想」~中期大乗仏教で、「アーラヤ織」(潜在意識・深層意識)を駆使する技法を完成し、「止」(奢摩他、シャマタ、「集中」からあらゆる想念の「消滅」へ)と「観」(毘鉢舎那、ビバシャナ、「瞑想」)による「速疾成仏論」に至りました。これは後期大乗仏教たる密教によって「即身成仏論」となり、空海が大成しました。この「成仏(成仏陀)」の部分を自分がなりたいものにしていけば、「即身成金持ち論」「即身成成功者論」「即身成世界ナンバーワン・スポーツ選手論」などと一般化されるわけです。 無念無想は雑念雑想の極致にある~よく座禅や剣道で「無念無想」ということが言われますが、これは最も簡単な「シャマタ瞑想法」(サマタ瞑想法)の境地です。例えば、柳生新陰流の奥義は「無想剣」ですが、これは「何も考えない境地」ということではなくて、「あれこれ考え抜いた結果、考える必要が無くなった境地」のことです。  ある僧侶が座禅に取り組んだ時、過去の出来事や気にかかること、今晩の食事のことまでいろいろ浮んできて、なかなか「無念無想」になれないと悩んだそうですが、それが毎日毎日繰り返されていくと、さすがに3時間も頭をよぎっていたことが、20分くらいでよぎるようになり、そのうちよぎることもなくなったというのです。何度も何度も徹底的にあらゆる角度から考え、それを繰り返していくと、本当に考える必要がなくなっていくのです。まさに「無念無想は雑念雑想の極致にある」わけです。  あるいは詠春拳から截拳道(せっけん
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「心と体の健康入門⑪」~「ストレス・フリー」から「自然治癒力」増強へ~

(4)「呼吸」「栄養」「運動」「想念」が健康・不健康な「自分」を作る ②恐るべき「呼吸」、当たり前が難しい「栄養」 「腹式呼吸」~呼吸法には、肋骨を広げたり閉じたりする「胸式呼吸」と、腹を出したり引っ込めたりすることにより横隔膜を上下させる「腹式呼吸」とがあり、一般的に、女性には「胸式呼吸」が多く、男性には「腹式呼吸」が多いと言われています。「腹式呼吸」の方が精神安定、血圧上昇抑制、脳の活性化などの効果が高く、脳波がリラックスしたα波やθ波の状態になります。 ①「腹」を使って横隔膜を動かす=肋骨でなく、腹を出したり、引っ込めたりさせて、横隔膜を上下させることにより呼吸します。「吸う時は鼻で」「吐く時は口で」が基本ですが、「鼻で吸い、鼻で吐く」でもいいです。口でのみ行う呼吸法を「口呼吸」と言い、現代人に増えていますが、これが精神不安定、判断力低下につながると言われています。 ②「吐くこと」から始める=実際の呼吸においては「吐くことを先に」行いますが、「腹式呼吸」では、吐くこと、特に「ゆっくり吐くこと」が重要視されます。体に必要な酸素を取り入れるためには、二酸化炭素を出し切らなければなりませんが、「胸式呼吸」ではこれが十分になされため、まずは最初に吐き、肺の中の空気を出し切ってから呼吸を始めると考え、「吐いてから吸う」という習慣を身につけます。 ③「腹式呼吸」の基本=「吐く時に腹をへこませ、吸う時に腹を膨らませる」という要領で行い、「悪いエネルギーを吐き出してから良いエネルギーを取り入れる」とイメージして呼吸すると更に効果的です。 「丹田呼吸法」~息を吸い込み、下腹部(「臍下丹田」
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「心と体の健康入門⑩」~「ストレス・フリー」から「自然治癒力」増強へ~

(4)「呼吸」「栄養」「運動」「想念」が健康・不健康な「自分」を作る ①「ツボ」と「柔軟性」で簡単健康チェック 手のひらのツボで分かる急性疲労と内臓疲労~押してみて「痛みを感じる」「気持ちがいい」などがあれば自分のツボの目安となります。したがって、東洋医学の教科書に書いてある記述と完全に一致するわけではありませんが、誰でも手軽にできる判断法として便利です。健康な人、身体が柔軟で適応力の高い人はツボを押しても痛がったりはしませんが、体が固い人、柔軟性に欠ける人は「ギャー!」と叫んで転げ回って痛がります。 ①まず最初に相手の親指と人差し指の間、カッパの水かきのような部分の奥を、親指と人差し指で「バッチグー!」とつまむように押えます。これはいわゆる「合谷」というツボで、合谷はツボの中でも「万能のツボ」と言われています。これが痛ければ、「疲れ」がたまっている証拠です。ただそれが一時的な疲労なのか、内臓がやられていて慢性的な疲労となっているかは分からないので、次に内臓のツボを押してチェックします。 ②手のひらの親指の付け根がこんもりした丘になっていますが、生命線の横を指先から手首側に向けて、一、二、三と三ポイントを順番に押していきます。 ③一番指先側のポイントは肝臓・腎臓系のツボです。ここを押して痛がる場合は肝臓・腎臓系がやられていると思われ、具体的には「疲れが取れない」ということがよくあります。いくら寝ても疲れが取れた気がしない、朝起きた時もスッキリしない、といった場合、たいていここを押えると痛みを感じます。 ④真ん中のポイントは胃のツボです。胃はストレスを敏感に感じ易い臓器なので、ス
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「心と体の健康入門⑨」~「ストレス・フリー」から「自然治癒力」増強へ~

(3)人間関係で「打撃」を受ける人と「飛躍」を得る人の違いは何か③「人間関係」が最大の「成長」と「幸福」をもたらす 「父性原理」と「母性原理」~「パーソナリティ」の発達にあたって、フロイトが創始した「精神分析」は4~6歳頃の「エディプス期」の「母親・父親・子どもの三者関係の情緒的葛藤と超自我の形成=エディプス・コンプレックス」を重視し、日本の親子関係や文化習俗の伝統を精神分析に持ち込んだ古沢平作や小此木啓吾は「エディプス・コンプレックス」に代わる「阿闍世コンプレックス=母子の相互的な許しと癒し」の概念を持ち込みました。これは日本の文化的特性である「集団主義」や「情緒主義」をうまく説明します。  「エディプス・コンプレックス」と「阿闍世コンプレックス」の最大の違いは、「エディプス・コンプレックス」がキリスト教倫理に根拠づけられるような「父性原理に基づいた感情的葛藤=近親相姦禁忌を示唆する三者関係」であるのに対して、「阿闍世コンプレックス」が仏教経典に題材をとりながら「母性原理に基づいた感情的葛藤=甘えや依存を許しあう二者関係」であることです。  三者関係の「エディプス・コンプレックス」の葛藤を経験する意義は、「母親への性的関心の断念」と「幻想的な母子一体感を切断する父親の登場による超自我の芽生え」であるとされますが、エディプス期は母親への強固な依存と愛着を弱めていく時期と解釈すれば分かりやすいでしょう。それは親密な閉じた家族内関係を克服して、見知らぬ他者との社会関係へと自分を開いていくという意味を持ち、心理的自立の小さな第一歩とも言えます。「見知らぬ他者」とは単純に家族外部の人間
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「心と体の健康入門⑧」~「ストレス・フリー」から「自然治癒力」増強へ~

(3)人間関係で「打撃」を受ける人と「飛躍」を得る人の違いは何か ②「ストレス」は全て「人間関係」から生れるといっても過言ではない 「原初療法」(プライマル・セラピー)~後の人生に影響を及ぼしている初期のトラウマに対処させることで神経症を解消させる療法です。「絶叫療法」とも呼ばれます。アメリカの精神科医アーサー・ヤノフが考案しました。 ヤノフは「両親から愛されること」「ありのままの自分であり続けること」を人間の基本的要求としており、幼児期のトラウマ、満たされなかった欲求、愛情の欠如が感情を抑圧することにつながり、成人後に神経症や感情的な問題を引き起こす原因になると考え、「原初の叫び」(プライマル・スクリーム)を表現させる、つまり「原初的苦痛」(Primal Pain)を再体験させることで、患者が抑圧してきた感情を解放するのを助けようとしました。プライマル・セラピーの患者の一人にジョン・レノンがいます。  治療では、患者はセラピストに自叙伝を渡し、面接を受けた後、3週間の集中治療を受けて、当時の問題点を話し合います。治療のプロセスは自然に任せるが、セラピストの役割は患者が苦悩に向き合えるように励まし、患者を楽にしてあげることです。この再体験と記憶の再燃により神経症が癒されるのです。治療の効果は脳の機能・構造の変化、血圧と心拍の低下、ホルモンの変化、またときには免疫システムの変化までもたらすことで分かると言います。 『ジョンの魂』(John Lennon/Plastic Ono Band)~1970年に発表されたジョン・レノンのアルバムです。これ以前にもジョン・レノン&オノ
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「心と体の健康入門⑦」~「ストレス・フリー」から「自然治癒力」増強へ~

(3)人間関係で「打撃」を受ける人と「飛躍」を得る人の違いは何か ①「人間関係」ほど「研究」が必要なものはない 「人間関係論」~生産性を高めるためには従業員のモラルを高める必要があり、そのためには職場の人間関係の改善が求められることを主旨とする理論です。E・メイヨー、レスリーバーガーらが行ったウェスタンエレクトリック社でのホーソン実験から始まりました。 この実験では工場で温度、環境、騒音などを変化させ、作業する職人達の能率がどうかわるか実験を行ったのですが、どんなに劣悪な環境で働かせようとも、すばらしい環境で働かせようとも、あまり能率に変化がないことが分かったのです。要は彼らは常にすばらしい能率を発揮したわけで、これを分析した結果、工場の職人達は「自分達は世界的な実験、ホーソン実験に参加している」という意志が能率を高めたと考えられ、作業環境より人間の意欲、人間関係という部分が能率に大きく影響することを発見したということです。 このことから、経営管理の前提「人間とは経済合理性に基づく行動、意志決定を行うものだ」というテイラーらから始まった「経済人モデル」の考え方から、「感情によって行動、意思決定を行うものだ」との前提に立った「感情人モデル」へ移行することとなり、能率を高めるには「感情へのアプローチ」が重要であるとされたのです。 ①メイヨー、レスリーバーガーの「人間関係論」~生産性を向上させる要因となるのは仲間との感情であるとしました。労働意欲は自己の職務、仲間に抱いている感情により影響されるわけです。 ②レスリーバーガーの「公式組織・非公式組織論」~社内に組織する公式組織と呼ぶも
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「心と体の健康入門⑥」~「ストレス・フリー」から「自然治癒力」増強へ~

(3)「ポジティブ・シンキング」と「ネガティブ・フィーリング」のバランス ③「自分にとっての意味・意義」を「発見」出来る人は全ての環境・状況がプラスになる キェルケゴールの「実存弁証法」~キェルケゴールは人間の自己生成の問題を3つの「実存段階」において展開させようと試みました。 ①「美的実存」=就職より趣味、結婚より恋愛、外的対象の美的享楽、自分の内面を享受する美的・感性的段階。人間が自己の実存の意義と課題をまだ意識していない直接的な生存の段階。この段階にある人間は次から次へと享楽を追って生きており、健康や美が最高の善だという考え方もこの段階です。しかし、このような享楽の果てに待っているのは倦怠であり、退屈です。そして、健康は不安定であり、美は移ろいやすい。結局、このような「美的実存」の段階はそれ自体が矛盾であるがゆえに、目標の追求はついに挫折と絶望に陥り、一層高い実存段階への以降に道を開くことになります。 ②「倫理的実存」~結婚生活と職業生活を真面目に選び取る、日常の人間的義務を真剣に営む倫理的立場。人間が自己の実存の意義を自覚しており、人間が実存しながら実現すべき普遍的人間的なもの、すなわち倫理的なものを義務の名の下に理解している段階。「倫理的に生きる」とは「人間が自分のなるべきものとなる」ことですが、このような倫理の根底には、人間は誰でも普遍的人間的なものをこの個別的な自己の内において実現することができるという前提が潜んでいます。だが、倫理的実存の徹底的な追求によって、そのような前提の不条理が暴露され、この挫折は不安と絶望を通して次の段階へと進むことになります。 ③「宗教
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「心と体の健康入門⑤」~「ストレス・フリー」から「自然治癒力」増強へ~

(2)「ポジティブ・シンキング」と「ネガティブ・フィーリング」のバランス ②ネガティブな感情は「現状認識」の必然の産物である 「結局のところ、ポジティブ・シンキングというのはマイナスの部分を単に無視しているだけなのだ。だからそれ以上の進歩は望めないことになるし、問題が大きくなっていくだけだ。」(精神科医大野裕、認知療法の日本における第一人者) 「朝のこない夜はない  私は親父の没落後、年少から青年期にかけて、いわゆる逆境の中を泳いできた。  そのときはつらいと思ったり、家をとび出してしまおうかと思ったり、いやだ、いやだ、と思ったこともある。しかし、一つの波(つまり逆境)を乗り越えて、それを振り返ってみたときが、人生の中でいちばん愉快なときである。自分自身の心の中でそう思うのでなく、そのときこそ生命の充実というか、ほんとうに生きがいを感ずるのだ。そしてまた次の波がきたら、よし、今度も立派に乗り越えて見せるぞ、朝のこない夜はないのだから…と思う気が出てくるのである。」(時代小説家吉川英治、『宮本武蔵』などの作品で有名) 仏教の原点「四苦八苦」~仏教は「人生は苦である」(「一切皆苦」)という認識から出発しました。 ①「四苦」=生・老・病・死(しょうびょうろうし)。この苦の認識からガウタマ・シッダッタの出家「四門出遊」へとつながります。 ②「八苦」=四苦に「愛別離苦」(あいべつりく、愛し合うものが別れてゆかねばならないこと)、「怨憎会苦」(おんぞうえく、憎む対象に出会わなければならないこと)、「求不得苦」(ぐふとっく、求めても得られないこと)、「五薀盛苦」(ごうんじょうく、存在を構成す
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「心と体の健康入門④」~「ストレス・フリー」から「自然治癒力」増強へ~

(2)「ポジティブ・シンキング」と「ネガティブ・フィーリング」のバランス ①ポジティブな思考と行動は「生活習慣」である 「サイモントン療法」~米国で放射線腫瘍医としてがん治療の第一線で活躍していたサイモントンにより開発された、「がん患者と家族・支援者のための心理療法」です。サイモントンは臨床現場で多くの患者さんを治療していく中で、人生に喜びを見出して日常生活を送り、治療にも前向きに取り組んでいる患者と絶望感にさいなまれて治療を受けている患者との間に、病気の経過の質や体調に大きな差があるということに気づいたのです。 そこから、患者や患者を支える方々の心の在り様が治療に大きな影響を与えると考えるようになりました。  サイモントンは心理面での治療が実際に身体面での治療に効果を示しているかどうかを科学的に調べ、1978年にその研究成果を発表しました。それによると、生存可能期間は平均12ヶ月とされていた「末期患者」(医学的に不治と考えられている患者)159名を4年間にわたって治療した結果、63名の人々の平均寿命は癌が判明してから24.4ヶ月でした。また、治療を行った群のうち、死亡した患者の平均寿命は20.3ヶ月で、対照群の約1.5倍以上も生き長らえ、生存している患者の生存期間は普通の身体的治療だけを受けた患者の約2倍でした。がんが消滅した者は22.2%、退縮した者は19.1%、安定している者は27.1%で、「生活の質」の面から見ても、51%の患者ががんの診断以前と同じレベルの生活を維持し、76%の患者は発病以前の生活行動の7~8割を維持しているという状態だったと言います。それまでの臨床の
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「心と体の健康入門③」~「ストレス・フリー」から「自然治癒力」増強へ~

(1)「ストレス」は万病の元、「ストレス・フリー」は自然治癒力の元 ③「ノン・ストレス」だと無気力になり、「ストレス・フリー」だと活力になる 「ほどよいストレス」~「ストレス」にもプラスに働くストレスとマイナスに働くストレスの両方があります。そのため、人間の体はストレスが弱いと十分に機能が発揮されず、逆に強すぎると機能が抑制されます。大事な時に緊張しすぎていてうまく出来なかったり、リラックスし過ぎていてミスが出たりする一方で、ほどよい緊張感がある方がベストの能力またはそれ以上の力が発揮されるのです。 「発達課題」(developmental task)~教育心理学者のハヴィガーストが提唱した概念で、「人間が健全で幸福な発達をとげるために各発達段階で達成しておかなければならない課題」であり、「次の発達段階にスムーズに移行するために、それぞれの発達段階で習得しておくべき課題がある」とされます。その後、エリクソンなど様々な心理学者がそれぞれの発達課題を提言していますが、一般に発達課題は次のような意義と特徴を持っているとされます。 ①自己と社会に対する健全な適応にとって必須の学習である。 ②本質的には一定の期間内で学習されなくてはならない。その後も存在し続ける課題もあるが、その意義は弱化していく。 ③発達課題は子どもから高齢者に至るまでの各年齢段階にある。  また、各段階には健全と相反する危機(crisis)が存在し、健全な傾向を伸ばし、危機的な傾向を小さくしなければならないとされます。したがって、「ストレス」は単に空間的・環境的・状況的なものだけでなく、時間的・発達的・段階的にも
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「心と体の健康入門②」~「ストレス・フリー」から「自然治癒力」増強へ~

(1)「ストレス」は万病の元、「ストレス・フリー」は自然治癒力の元 ②「医療革命」とも言うべき「精神神経免疫学」の到達点 「幸福感」~毎日を幸福だと感じて生きている人は、大きなストレス受けたとしても、ほどよい刺激と感じることが出来ます。「幸福感」を持つことができる人に共通する特徴は、「自分自身が好きである」「主体的に生きているという感じが持てている」「楽観的である」「外交的である」などとされています。 「精神神経免疫学」(Psychoneuroimmunology、PNI)~脳、行動、免疫系の相互作用を研究する精神神経医学、心身医学の一分野です。この言葉はRobert AderとNicholas Cohenにより、1975年にロチェスター大学で初めて用いられました。「プラシーボ効果」や「心身症」、「精神腫瘍学」などがこの分野に含まれます。「ストレス」や「心理状態」が身体に与える刺激が「精神」(心)から「神経系」や「免疫系」にも影響し、それが複雑に関与して健康維持や発病、病気の回復に関係している事実が研究され、心と脳や神経経路、さらに内分泌系や免疫が密接に連関し、身体を外敵から守って、良好な状態に維持しようとするシステムがあることが分かってきました。経験的に「病は気から」「風邪をひくのは精神がたるんでいるからだ」「驚異的な精神力で病気に打ち勝った」と言われて来たのに対し、「精神神経免疫学」は心(心理状態)が種々の疾患の発病や、治癒過程に密接に関連していることを科学的に解明しつつあります。つまり、ウイルスや細菌などの外的な要因が加わった時やがんが発病してしまった場合でも、心の状態が
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「心と体の健康入門①」~「ストレス・フリー」から「自然治癒力」増強へ~

(1)「ストレス」は万病の元、「ストレス・フリー」は自然治癒力の元 ①「ストレス」が「免疫機能」を低下させ、「未病」「発病」を生む 「ストレス」~「恒常性」(ホメオスタシス、体の機能を一定に保つ性質)がゆがんだ状態。「ストレス」の原因となるものを「ストレッサー」と呼びます。 「免疫系」~生き物の体は病原体が侵入すると、それに対抗するために多くの段階の免疫システムを稼動させますが、精神的なストレスを受けても、体は同じように免疫システムを反応させます。実際、気持ちがゆるんでいたり、逆に緊張しすぎている時、極度に不快な状態にある時に免疫力が低下することが証明されています。2001年9月のアメリカ同時多発テロの被害者や1995年の阪神・淡路大震災の被災者達は免疫力が落ちているため、がんの発症率が高いという報告もあります。例えば、仕事で「嫌なこと」があって精神的にストレスを受けると、交感神経系が活動し、ノルアドレナリンやアドレナリンが分泌され、もう一方では副腎皮質ホルモン(心身がストレスを受けると、急激に分泌が増えることから、「ストレスホルモン」とも呼ばれています)が分泌されて、「嫌なこと」を処理しようと体が反応しますが、これらの物質が分泌されると免疫システムが抑制されます。つまり、「嫌なこと」を処理しようと体がそこに集中してしまい、体外からの侵入者対策のセキュリティシステムが緩くなってしまう結果、精神的なストレス状態が続くと、その分、病気になりやすくなるのです。 「ストレス性疾患」~高血圧・高血糖やその結果としての動脈硬化、様々な心身症、胃・十二指腸潰瘍、過敏性腸症候群などの多くは、
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