「心と体の健康入門⑪」~「ストレス・フリー」から「自然治癒力」増強へ~

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(4)「呼吸」「栄養」「運動」「想念」が健康・不健康な「自分」を作る

②恐るべき「呼吸」、当たり前が難しい「栄養」

「腹式呼吸」~呼吸法には、肋骨を広げたり閉じたりする「胸式呼吸」と、腹を出したり引っ込めたりすることにより横隔膜を上下させる「腹式呼吸」とがあり、一般的に、女性には「胸式呼吸」が多く、男性には「腹式呼吸」が多いと言われています。「腹式呼吸」の方が精神安定、血圧上昇抑制、脳の活性化などの効果が高く、脳波がリラックスしたα波やθ波の状態になります。

①「腹」を使って横隔膜を動かす=肋骨でなく、腹を出したり、引っ込めたりさせて、横隔膜を上下させることにより呼吸します。「吸う時は鼻で」「吐く時は口で」が基本ですが、「鼻で吸い、鼻で吐く」でもいいです。口でのみ行う呼吸法を「口呼吸」と言い、現代人に増えていますが、これが精神不安定、判断力低下につながると言われています。

②「吐くこと」から始める=実際の呼吸においては「吐くことを先に」行いますが、「腹式呼吸」では、吐くこと、特に「ゆっくり吐くこと」が重要視されます。体に必要な酸素を取り入れるためには、二酸化炭素を出し切らなければなりませんが、「胸式呼吸」ではこれが十分になされため、まずは最初に吐き、肺の中の空気を出し切ってから呼吸を始めると考え、「吐いてから吸う」という習慣を身につけます。

③「腹式呼吸」の基本=「吐く時に腹をへこませ、吸う時に腹を膨らませる」という要領で行い、「悪いエネルギーを吐き出してから良いエネルギーを取り入れる」とイメージして呼吸すると更に効果的です。

「丹田呼吸法」~息を吸い込み、下腹部(「臍下丹田」)に力を込めてからゆっくりと息を吐き出す呼吸法で、強い腹圧を伴った呼吸型と言えます。自律神経のアンバランスを防ぎ、生体内における各種ホルモン系を調整し、その調和を保ち、すぐれた内臓の強化法でもあります。「臍下丹田」は心身共にたくましい生活力を湧き出させる源泉であり、原動力ですが、クンダリニー・ヨーガでは「スヴァディシュターナ・チャクラ」に相当します。

「ヨーガ」~「呼吸法(プラーナーヤーマ)」「体位法(アーサナ)」「瞑想法」の三つからなる修行体系です。「気功法」の体系も基本的にこの三要素からなります。

①「ハタ・ヨーガ」=「ハ」は太陽、「タ」は月をそれぞれ意味し、「ハタ」で「力の」という意味があるとされます。アーサナ(姿勢)、プラーナーヤーマ(呼吸法)、ムドラー(印・手印や象徴的な体位のこと)、クリヤー(浄化法)、バンダー(制御・締め付け)などの肉体的操作により、深い瞑想の条件となる強健で清浄な心身を作り出すヨーガです。起源は紀元後10世紀~13世紀頃で、ゴーラクシャ・ナータが開祖とされます。『ハタ・ヨーガ』と『ゴーラクシャ・シャタカ』という教典を書き残したと言われていますが、現存していません。インドにおいて社会が荒廃していた時期に密教化した集団がハタ・ヨーガの起源と言われ、肉体的操作ばかりに重きを置かれることから、低俗なものと見られていました。しかしながら、悟りに至るための補助的技法として霊性修行に取り入れるならば、非常に有効であると言えます。なお、スポーツのストレッチなどはこのヨーガのアーサナ(姿勢)に由来しています。

②「ラージャ・ヨーガ」=「ラージャ」は「王の」という意味であり、神を悟るための本格的なヨーガと言えます。「マハー(偉大な)・ヨーガ」とも呼ばれます。根本教典はパタンジャリの『ヨーガ・スートラ』(紀元後2~4世紀)です。第2章にはラージャ・ヨーガの段階について記述されており、1.ヤマ(禁戒)、2.ニヤマ(勧戒)、3.アーサナ(座法)、4.プラーナーヤーマ(調気)、5.プラティヤーハーラ(制感)、6.ダーラナー(凝念)、7.ディヤーナ(静慮)、8.サマーディ(三昧)の8つの段階からなることから、「ラージャ・ヨーガ」を「アシュタンガ・ヨーガ」(アシュ:8つ、アンガ:枝・部門)とも言います。

③「カルマ・ヨーガ」=日常生活を修行の場ととらえ、善行に励みカルマの浄化を図るヨーガです。見返りを要求しない無私の奉仕精神をもって行います。カルマ・ヨーガの教典は『バガヴァッド・ギーター』です。

④「バクティ・ヨーガ」=神への純粋な信愛を培い、全てを神の愛と見て生きるヨーガです。古代に実在し、その後、神として崇められたクリシュナが開祖とされます。『バガヴァッド・ギーター』は、「バクティ・ヨーガ」や「カルマ・ヨーガ」の本質を歌っています。

⑤「クンダリニー・ヨーガ」=尾てい骨に眠るというクンダリニーを覚醒させ、身体中の気道やチャクラ(7つある神経内分泌中枢)を活性化させ、悟りを目指すヨーガです。密教の軍荼利明王は、そのクンダリニーを象徴化したものです。別名ラヤ・ヨーガ。

「マクロビオティック」(Macrobiotic)~マクロ+ビオ+ティック(テクニック)の合成語で、食事療法のことです。自然界の生物(動物・植物)はそれ自体が完全なものであるという観点から、偏りのないバランスの良い食生活を達成するために、基本的に食物を丸ごと摂ることが推奨されます。例えば、玄米や全粒粉のパン、野菜・果物を皮ごと食べること、小魚など丸ごと食べられるものを積極的に摂ることなどです。「マクロビオティックス」「マクロバイオティック」「マクロバイオティックス」「マクロ」「マクロビ」「正食」「玄米菜食」「穀物菜食」などとも呼ばれます。歌手のマドンナが息子のアレルギーのため、マクロビオティックに詳しい日本人プライベートシェフを持ったことから、息子だけでなくマドンナも愛好家となり、話題となりました。
 明治陸軍軍医石塚左玄が欧米近代医学を元に日本の伝統食の正当性を検証して唱えた食養生を、弟子の桜沢如一(さくらざわゆきかず)が発展させ、「マクロビオティック」及びその基礎となる「無双原理」という哲学を提唱しました。久司道夫、菊池富美雄らが主に海外で、大森英桜、岡田周三らが主に国内で広めました。
①玄米を主食とし、食事の六割以上とする。
②野菜や穀類は丸ごと全部食し、精白したり、皮をむいたりしないで、余すところなく使う。
③なるべく地元でとれた農産物を摂るようにし、有機農産物ならなお良い。
④砂糖、化学調味料、精製塩を使わない。米飴・甘酒・甜菜糖・メープルシロップなどで代用。
⑤肉類や乳製品は使わない。

「粗食」~帯津三敬病院でがん患者などに食事指導をしている管理栄養士幕内秀夫が提唱し、反響を呼びました。
①ご飯はきちんと食べる。
②穀物は未精製のものにする(胚芽米、玄米など)
③副食は野菜中心にする。
④発酵食品を毎日食べる(みそ汁、漬け物、納豆など)
⑤肉類を減らし、動物性食品は魚介類や卵くらいにする。
⑥揚げ物は控えめに。
⑦白砂糖の入った食品はさける。
⑧砂糖や塩は未精製のものを選ぶ。
⑨出来る限り安全な食品を選ぶ。
⑩食事はゆっくりとよくかんで食べる。
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