「心と体の健康入門⑤」~「ストレス・フリー」から「自然治癒力」増強へ~

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(2)「ポジティブ・シンキング」と「ネガティブ・フィーリング」のバランス

②ネガティブな感情は「現状認識」の必然の産物である

「結局のところ、ポジティブ・シンキングというのはマイナスの部分を単に無視しているだけなのだ。だからそれ以上の進歩は望めないことになるし、問題が大きくなっていくだけだ。」(精神科医大野裕、認知療法の日本における第一人者)

「朝のこない夜はない
 私は親父の没落後、年少から青年期にかけて、いわゆる逆境の中を泳いできた。
 そのときはつらいと思ったり、家をとび出してしまおうかと思ったり、いやだ、いやだ、と思ったこともある。しかし、一つの波(つまり逆境)を乗り越えて、それを振り返ってみたときが、人生の中でいちばん愉快なときである。自分自身の心の中でそう思うのでなく、そのときこそ生命の充実というか、ほんとうに生きがいを感ずるのだ。そしてまた次の波がきたら、よし、今度も立派に乗り越えて見せるぞ、朝のこない夜はないのだから…と思う気が出てくるのである。」(時代小説家吉川英治、『宮本武蔵』などの作品で有名)

仏教の原点「四苦八苦」~仏教は「人生は苦である」(「一切皆苦」)という認識から出発しました。
①「四苦」=生・老・病・死(しょうびょうろうし)。この苦の認識からガウタマ・シッダッタの出家「四門出遊」へとつながります。
②「八苦」=四苦に「愛別離苦」(あいべつりく、愛し合うものが別れてゆかねばならないこと)、「怨憎会苦」(おんぞうえく、憎む対象に出会わなければならないこと)、「求不得苦」(ぐふとっく、求めても得られないこと)、「五薀盛苦」(ごうんじょうく、存在を構成する精神的・物質的5つの要素に執着する、人間生存自身の苦を示します)の4つを加えたものです。
③「苦」を克服する各種パターン=仏教では次のような「苦」の克服法を提示しましたが、実はこれらは全て必要で、総合的・包括的・全人的アプローチが欠かせません。
上座部仏教=「苦」の原因からの「逃避」。「苦」を誘発するものとの接触を避けることです。
浄土系大乗仏教=未来に希望を託して今を「忍耐」すること。自分を超えた力の介入を求めることです。
法華系大乗仏教=「発想の転換」。「苦」に対する見方を変えれば「楽」にもなるということです。
密教系大乗仏教=「原因の打破」。「苦」の原因そのものを消滅させる「力」を持つことです。
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