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ポジティブ・シンキングで本当に救われるのか…?

私はずっと前からポジティブ・シンキングや前向き思考と呼ばれるものに、なんともいえない違和感を感じ続けていた。なぜなら、どこかこれらの言葉から、ネガティブな感情を持つことはいけないことだというメッセージを感じていたからだ。ポジティブは本来、受容する意味合いも含んでいると思うのに、ネガティブに対してだけは否定しているところにも矛盾を感じていた。一般社会においてはポジティブが良く、ネガティブが悪いという価値観が優勢である。誰かがネガティブな感情を持っていると、批判にさらされ、ポジティブに変えるように見えない圧力をかけられることが少なくない。確かにネガティブな感情が続くと、様々な悪影響を本人が受けると同時に、周りの人間も何だか暗い重い気持ちになったりもする。だからポジティブに変えるよう促すのも、一見すると本人のためのように思える。しかし、本当にそうだろうか…?本人のためと言いながら、実は自分が嫌な気持ちになりたくないから、ポジティブな方向に本人の気持ちを持っていこうとするところはないだろうか?またポジティブになった方がいいと、頭ではほとんどの人は分かっている。しかし、それでもネガティブな気持ちになってしまうのは、なぜだろうか…?おそらくそこには、ネガティブな気持ちにならざるをえない、本人にしかわからない悲しい理由があるからではないだろうか。ポジティブになることは正論かもしれない。しかし、多くの場合、正論は深い悲しみを持つ人の前では役に立たないようにみえる。むしろ、その場合の正論は、深い悲しみにある人からすれば、自分が抱えている気持ちとの温度差を感じさせ、かえって傷つくだけの暴力になって
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「心と体の健康入門⑥」~「ストレス・フリー」から「自然治癒力」増強へ~

(3)「ポジティブ・シンキング」と「ネガティブ・フィーリング」のバランス ③「自分にとっての意味・意義」を「発見」出来る人は全ての環境・状況がプラスになる キェルケゴールの「実存弁証法」~キェルケゴールは人間の自己生成の問題を3つの「実存段階」において展開させようと試みました。 ①「美的実存」=就職より趣味、結婚より恋愛、外的対象の美的享楽、自分の内面を享受する美的・感性的段階。人間が自己の実存の意義と課題をまだ意識していない直接的な生存の段階。この段階にある人間は次から次へと享楽を追って生きており、健康や美が最高の善だという考え方もこの段階です。しかし、このような享楽の果てに待っているのは倦怠であり、退屈です。そして、健康は不安定であり、美は移ろいやすい。結局、このような「美的実存」の段階はそれ自体が矛盾であるがゆえに、目標の追求はついに挫折と絶望に陥り、一層高い実存段階への以降に道を開くことになります。 ②「倫理的実存」~結婚生活と職業生活を真面目に選び取る、日常の人間的義務を真剣に営む倫理的立場。人間が自己の実存の意義を自覚しており、人間が実存しながら実現すべき普遍的人間的なもの、すなわち倫理的なものを義務の名の下に理解している段階。「倫理的に生きる」とは「人間が自分のなるべきものとなる」ことですが、このような倫理の根底には、人間は誰でも普遍的人間的なものをこの個別的な自己の内において実現することができるという前提が潜んでいます。だが、倫理的実存の徹底的な追求によって、そのような前提の不条理が暴露され、この挫折は不安と絶望を通して次の段階へと進むことになります。 ③「宗教
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「心と体の健康入門⑤」~「ストレス・フリー」から「自然治癒力」増強へ~

(2)「ポジティブ・シンキング」と「ネガティブ・フィーリング」のバランス ②ネガティブな感情は「現状認識」の必然の産物である 「結局のところ、ポジティブ・シンキングというのはマイナスの部分を単に無視しているだけなのだ。だからそれ以上の進歩は望めないことになるし、問題が大きくなっていくだけだ。」(精神科医大野裕、認知療法の日本における第一人者) 「朝のこない夜はない  私は親父の没落後、年少から青年期にかけて、いわゆる逆境の中を泳いできた。  そのときはつらいと思ったり、家をとび出してしまおうかと思ったり、いやだ、いやだ、と思ったこともある。しかし、一つの波(つまり逆境)を乗り越えて、それを振り返ってみたときが、人生の中でいちばん愉快なときである。自分自身の心の中でそう思うのでなく、そのときこそ生命の充実というか、ほんとうに生きがいを感ずるのだ。そしてまた次の波がきたら、よし、今度も立派に乗り越えて見せるぞ、朝のこない夜はないのだから…と思う気が出てくるのである。」(時代小説家吉川英治、『宮本武蔵』などの作品で有名) 仏教の原点「四苦八苦」~仏教は「人生は苦である」(「一切皆苦」)という認識から出発しました。 ①「四苦」=生・老・病・死(しょうびょうろうし)。この苦の認識からガウタマ・シッダッタの出家「四門出遊」へとつながります。 ②「八苦」=四苦に「愛別離苦」(あいべつりく、愛し合うものが別れてゆかねばならないこと)、「怨憎会苦」(おんぞうえく、憎む対象に出会わなければならないこと)、「求不得苦」(ぐふとっく、求めても得られないこと)、「五薀盛苦」(ごうんじょうく、存在を構成す
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「心と体の健康入門④」~「ストレス・フリー」から「自然治癒力」増強へ~

(2)「ポジティブ・シンキング」と「ネガティブ・フィーリング」のバランス ①ポジティブな思考と行動は「生活習慣」である 「サイモントン療法」~米国で放射線腫瘍医としてがん治療の第一線で活躍していたサイモントンにより開発された、「がん患者と家族・支援者のための心理療法」です。サイモントンは臨床現場で多くの患者さんを治療していく中で、人生に喜びを見出して日常生活を送り、治療にも前向きに取り組んでいる患者と絶望感にさいなまれて治療を受けている患者との間に、病気の経過の質や体調に大きな差があるということに気づいたのです。 そこから、患者や患者を支える方々の心の在り様が治療に大きな影響を与えると考えるようになりました。  サイモントンは心理面での治療が実際に身体面での治療に効果を示しているかどうかを科学的に調べ、1978年にその研究成果を発表しました。それによると、生存可能期間は平均12ヶ月とされていた「末期患者」(医学的に不治と考えられている患者)159名を4年間にわたって治療した結果、63名の人々の平均寿命は癌が判明してから24.4ヶ月でした。また、治療を行った群のうち、死亡した患者の平均寿命は20.3ヶ月で、対照群の約1.5倍以上も生き長らえ、生存している患者の生存期間は普通の身体的治療だけを受けた患者の約2倍でした。がんが消滅した者は22.2%、退縮した者は19.1%、安定している者は27.1%で、「生活の質」の面から見ても、51%の患者ががんの診断以前と同じレベルの生活を維持し、76%の患者は発病以前の生活行動の7~8割を維持しているという状態だったと言います。それまでの臨床の
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