「心と体の健康入門⑧」~「ストレス・フリー」から「自然治癒力」増強へ~

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学び
(3)人間関係で「打撃」を受ける人と「飛躍」を得る人の違いは何か

②「ストレス」は全て「人間関係」から生れるといっても過言ではない

「原初療法」(プライマル・セラピー)~後の人生に影響を及ぼしている初期のトラウマに対処させることで神経症を解消させる療法です。「絶叫療法」とも呼ばれます。アメリカの精神科医アーサー・ヤノフが考案しました。
 ヤノフは「両親から愛されること」「ありのままの自分であり続けること」を人間の基本的要求としており、幼児期のトラウマ、満たされなかった欲求、愛情の欠如が感情を抑圧することにつながり、成人後に神経症や感情的な問題を引き起こす原因になると考え、「原初の叫び」(プライマル・スクリーム)を表現させる、つまり「原初的苦痛」(Primal Pain)を再体験させることで、患者が抑圧してきた感情を解放するのを助けようとしました。プライマル・セラピーの患者の一人にジョン・レノンがいます。
 治療では、患者はセラピストに自叙伝を渡し、面接を受けた後、3週間の集中治療を受けて、当時の問題点を話し合います。治療のプロセスは自然に任せるが、セラピストの役割は患者が苦悩に向き合えるように励まし、患者を楽にしてあげることです。この再体験と記憶の再燃により神経症が癒されるのです。治療の効果は脳の機能・構造の変化、血圧と心拍の低下、ホルモンの変化、またときには免疫システムの変化までもたらすことで分かると言います。

『ジョンの魂』(John Lennon/Plastic Ono Band)~1970年に発表されたジョン・レノンのアルバムです。これ以前にもジョン・レノン&オノ・ヨーコの名義でアルバムを発表していましたが、本作はビートルあるズ解散後初めて発売されたジョン・レノンのソロ・アルバムで、全英8位、全米6位(『ビルボード誌』)を獲得しています。
 本作のレコーディング前に、ジョンとヨーコの二人はアーサー・ヤノフによる「プライマル・スクリーム」という精神治療を受けていました。プライマル・スクリームとは、人間心理の奥深くに潜む苦痛を呼び覚まし、幼少期の記憶にまで遡って、全てを吐き出すという治療法です。これを体験したジョンは、学生の頃に母を失った記憶などが蘇り、大声を上げて泣き出したと言います。そうした経緯もあり、この『ジョンの魂』はジョンの人間性が色濃く表れたパーソナルな作品であると言え、「マザー」「悟り」「ゴッド」などはそうした思いが溢れているのです。また、「労働階級の英雄」や「ウェル・ウェル・ウェル」のように、極めて政治的・社会的な楽曲も多く、こうした主義・主張は次作『イマジン』に受け継がれています。
 ロック・スターの苦悩や感情をありのままに表現した最初期の作品とされ、発表当時から評論家などの評価も非常に高かく、数ある名盤ランキングなどでもたびたび上位にランクインしています。
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