「心と体の健康入門⑦」~「ストレス・フリー」から「自然治癒力」増強へ~

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(3)人間関係で「打撃」を受ける人と「飛躍」を得る人の違いは何か

①「人間関係」ほど「研究」が必要なものはない

「人間関係論」~生産性を高めるためには従業員のモラルを高める必要があり、そのためには職場の人間関係の改善が求められることを主旨とする理論です。E・メイヨー、レスリーバーガーらが行ったウェスタンエレクトリック社でのホーソン実験から始まりました。
 この実験では工場で温度、環境、騒音などを変化させ、作業する職人達の能率がどうかわるか実験を行ったのですが、どんなに劣悪な環境で働かせようとも、すばらしい環境で働かせようとも、あまり能率に変化がないことが分かったのです。要は彼らは常にすばらしい能率を発揮したわけで、これを分析した結果、工場の職人達は「自分達は世界的な実験、ホーソン実験に参加している」という意志が能率を高めたと考えられ、作業環境より人間の意欲、人間関係という部分が能率に大きく影響することを発見したということです。
 このことから、経営管理の前提「人間とは経済合理性に基づく行動、意志決定を行うものだ」というテイラーらから始まった「経済人モデル」の考え方から、「感情によって行動、意思決定を行うものだ」との前提に立った「感情人モデル」へ移行することとなり、能率を高めるには「感情へのアプローチ」が重要であるとされたのです。

①メイヨー、レスリーバーガーの「人間関係論」~生産性を向上させる要因となるのは仲間との感情であるとしました。労働意欲は自己の職務、仲間に抱いている感情により影響されるわけです。

②レスリーバーガーの「公式組織・非公式組織論」~社内に組織する公式組織と呼ぶもの以外に非公式組織が社内にあることを発見しました。

③マズローの「欲求5段階説」~人間の基本的欲求は5段階の階層に分けられ、「生理的欲求」→「安全・安定の欲求」→「社会的欲求」→「自我(承認)の欲求」→「自己実現の欲求」というように位置付けられます。下が満たされると上を満たしたくなり、欲求は無限に続くとされます。

④マクレガーの「X、Y理論」~人間とは怠け者であるから監督による管理が必要であるとする「X理論」と、人間とは自発的であるから目標による管理が有効であるとする「Y理論」を提唱し、Y理論に基づく管理の優位性を説きました。

⑤ハーズバーグの「動機付け・衛生理論」~人間には「自己実現欲求」と「不快回避欲求」の2つの欲求があり、これを「動機付け」と「衛生」と呼んでおり、「不快回避欲求」を充足しても、不満足は減少するが動機付けは出来ないということが重要な視点となっています。
主な衛生要因(不満足の要因)~ 経営政策、監督技術、給与、人間関係。
動機付け要因(満足の要因)~達成、承認、昇進、仕事そのもの。
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