失われてゆく文化・室礼空間の提案
季節の移り変わりがはっきりと感じられる日本には、四季折々の美しい習慣がありました。ところが、住宅が高断熱化、高気密化、工業化されていく中で、確かに快適性は高まってきているが、反面、窓の開閉をしなくなり季節感が感じなくなりつつあります。また、食べ物においても旬の時季とは関係なく、年中いつでもどこでも食することができるようになり、果実への感謝の気持ちや季節感も希薄になって来ています。その結果、季節のケジメがなくなりつつあります。
日本には、ついこの間まで季節ごとに感謝の気持ちを込めた祭事がありました。正月、節分、ひな祭り、花祭り、端午、嘉祥菓子、七夕、お盆、重陽【9月】、月見【10月】、七五三、冬至。これらの行事が毎月のように行われていました。
その月々に応じて、自然、神、祖先などへの感謝、祈願を表し、これを村中でのお祭りとして連帯感を作り、祝っていました。このような日本文化や習慣が失われつつあることは残念なことです。
・何故このようになったのでしょうか
それは戦後、両親から離れて住むという核家族化が一つの文化として急速に進んだことにあると思います。この頃から、こうした日本の文化や習慣を教える人が身近にいなくなり、受け継ぐことを忘れてしまったような気がします。和室よりもリビィングの広さが重視され、和室のない住まいも多くなってきました。和室があったとしても、床の間、仏間もない畳シートだけの子供の遊び部屋、応急的な客間としての部屋であって、本来の意味ある空間ではなくなっています。
本来、和室は廊下や他の部屋よりも畳の厚さ約六センチ分高くなっていることや、床の間や仏間があるため
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