Aphex Twinと「Nanou 2」
エイフェックス・ツインを初めて聞いたのは二十二歳の頃である。
ロックに行き詰まったおれはクラブミュージックに傾倒していた。ヒップホップ、テクノ、ビッグビート、ダンスホール、ドラムンベース。
元々がロック小僧なので、ケミカル・ブラザーズとか、エイジアン・ダブ・ファウンデーションとか、やっぱり生楽器が入るようなダンスミュージックが好きだった。
ドラムンベースはその中でも攻撃的で、ノリとしてはロックに近いものがあったのでADFやプロディジーは今でも世界一踊れる音楽の二巨塔としておれの体に染み付いている。
そっち方面を聴き漁っていると、どうしたって目に入る名前がある。Aphex Twin。なんか変人らしい、でも天才らしい、セレクテッド・アンビエント・ワークスやリチャード・D・ジェイムズ・アルバムは凄いと噂にだけ聞いていた。
ちょっと聴いてみるか、と最新アルバムである「drukqs」を手に入れ、当時のおれのマストアイテムであったCDウォークマンに入れ、帰り道を聴きながら帰った。
ぶっ飛んだ。キチガイとはまさにこの事じゃないか、と思った。
切り刻まれたノイズとドラムパターンが全く新しいグルーヴを生み出していた。オーソドックスなドラムの音は殆どない。加工された何かがバスドラムだったり、スネアドラムだったりの役割を果たしていたが、それまでに聴いたことのない音色が聴いたことのないグルーヴを奏でていた。その上を飛び回る揺蕩うような不穏なシーケンスもそれまでに聴いたどんな音楽にもない音だった。
こりゃ紛れもない変人だ、と超攻撃的なドリルンベースに圧倒されていると、拍子抜けするほど美しいピアノの曲が耳
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