「トレンドのスキル」を追うな。AI時代に生き残るための「積分のキャリア論」
経営学者・楠木建さんに、「人気は微分、信頼は積分」という有名な言葉があります。初めてこの言葉を聞いたとき、「これはAI時代のキャリアそのものだ」と思いました。微分は、ある瞬間の「変化の速さ」。グラフで言えば傾きです。一方、積分は時間をかけて積み上がった「面積」。これまで積み重ねてきた総量を表します。この違いが、これからのキャリアを大きく左右すると感じています。■ 「今、何が伸びるか」を追い続けても、資産にはなりにくい数か月ごとに新しいAIツールが登場し、新しい資格や新しいノウハウが話題になります。SNSを見れば、「今はこれを学ぶべき」という情報であふれています。もちろん、新しい技術を学ぶことは大切です。でも、それだけを追い続ける働き方は、「微分」を追い続ける働き方でもあります。流行が生まれた瞬間は、変化率が大きいので目立ちます。しかし、どんなトレンドも、やがて普及します。誰でも使えるようになれば、その価値は少しずつ均されていきます。つまり、トレンドだけを追い続けても、それ自体は長期的な資産になりにくいのです。大切なのは、新しいスキルを身につけることではありません。そのスキルを使って、誰に、どんな価値を届けたか。積み上がるのは、スキルではなく、信頼だからです。■ 信頼は、「面積」として積み上がる信頼は積分です。約束を守る。期待を少し超える。目の前の相手に価値を返す。逃げずに最後までやり切る。そんな一日一日の行動が、小さな面積となって積み重なっていきます。派手ではありません。SNSで話題になることも少ないでしょう。でも、一度積み上がった信頼は簡単には消えません。昨日まで積み重ねた面
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