戻れないと知っているから
あの時に戻れたら。そう願っても。こみ上げてくる気持ちと反比例して、ここにあるのは冷たさだけで。戻れない事なんて分かってる。今を生きなきゃいけない。そう分かってても。そう分かっているからこそ。余計にあの時の事が忘れられない。あそこにあったもの。そこに居てくれた人。記憶と現実の狭間で、二人の自分が喧嘩する。また長い夜のはじまり。そうなんだね。いつもそうやって。頭の中でさえ、戦っているんだね。簡単には解決しないね。解決策なんて、知り過ぎているから。せめて、こう願っておくね。どうか、お手柔らかに。
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